m3の医療維新で興味深いニュースがありました。
日病会長、「医師は普通の労働者と違う」 です。
日本産科婦人科学会は1月21日、東京都内で「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」を開催し、産婦人科医や弁護士らが産婦人科の現状や医師の働き方改革について議論した。講演した日本病院会会長の相澤孝夫氏は「今の働き方改革で本当にいいのか。医師も労働者だが、高度な『知識労働者』。普通の労働者とは違うことを強調しなければいけない」と述べ、医師の特殊性に応じた改革が必要だと強調した。
相澤氏は、病院の職員は医師を筆頭に、ピーター・ドラッガー の言う「知識労働者」(英語でKnowledgeworker、日本で言う『プロフェッショナル』)であり、労働時間や病院に忠誠を誓うのではなく、成果や達成に対して忠誠心があり、知識・思考を生産手段として問題解決を行うことを生きがいとして仕事をするもの、との考えを披露。その中でも特に医師は高度な知識労働者であって管理を忌避し、成果を出すためには働きがい、やりがいを持って働けるようにすることが大事だと強調した。
一方で社会的な風潮として労務管理の重要性が高まっている中で、日病会長として各病院を回り、人事部門に「時間外労働が80時間を超えた医師と話をしているか」などと尋ねても、「人事が医師の所へなんて行けない、と答えが返ってくる」と言い、医師に関する労務管理が難しい現状を明らかにした。時間外勤務時間が長くなる要因の一つである当直・日直については、「これを労働時間に入れられたら、(時間外勤務手当の支払いで)病院はお手上げだ」と指摘する一方で、当直明けの勤務の軽減などの対策はすぐにでもできると述べた。
相澤先生が主張したいことがイマイチよく分からない記事ですが、病院経営者の立場では当直・日直を労働時間に入れるのは反対! というところでしょうか。
当直明けの勤務の軽減対策をおっしゃられているのは良心的ですが、根本的な問題として当直明けの医師に労働を強要しているのはいただけません。
私個人的な感想としては、「医師も労働者だが、高度な『知識労働者』。普通の労働者とは違うことを強調しなければいけない」 というところに相当な違和感を感じています。
「医師は普通の労働者ではなく高度な知識労働者である」 と持ち上げられても、だから当直は労働時間じゃないからね! では納得できません。
当直を労働時間に含めると日勤帯の勤務日が減少します。実際の医療現場では、回らなくなるのは目に見えています。だからと言って、今の状況が許されて良いはずがありません。
私は、医師も看護師のように有給休暇は全て消化して、労働者としての権利が守られるべきだと考えています。
私の場合は医師としての仕事を特別視することは無く、自分を単なる労働者としか見ていないので、医師としては異端(?)な考え方になっています。
医師は真面目な方が多いので、私の考え方は忌避されるかもしれません。しかし、医師の善意に頼った病院経営は、そろそろ勘弁して欲しいと思う今日この頃です。。。
この議論が、出る度に、思うのですが、百人に1人が医師であり、日本に100万人も医師がいるのだから、それを一律に、扱うのもひどい話だと思います。
知的プロフェッショナルは労働時間は、裁量でと言う論調ありますが、それは、むしろ、オーベンに当たるのでは、ないでしようか?
完全にポジショントークですが、労働時間が、多いのは、下っ端の弱者です。下っ端は、嫌がられる救急や、当直などの単純労働を引き受けざるを得ない立場です。
その間に上級医は、バイトや、自分の時間を楽しみつつ、下っ端は、バイトも入れる事も出来ない状況です。
まずは、上級医の既得権を投げてから言ってもらいたいものです。
その上で、発言してもらいたいものですね。