先日、40年モノのステンレス製(?)プレートの入っている患者さんのMRIを依頼することがありました。


ステンレス製でもほとんどのケースでMRI撮像は問題ないという認識でしたが、少し気持ち悪かったのでステンレスについて調べてみました。


ステンレスとは、鉄を主成分(50%以上)とし、クロムを10.5%以上含むさびにくい合金のことです。ステンレスは下記の4つに大別されます。


  • マルテンサイト系
  • フェライト系
  • オーステナイト・フェライト系(二相系)
  • オーステナイト系


このうち④のオーステナイト系のみ磁性無しとのことですが、その他の3種類は磁性があるそうです! これってマズくないですか? MRIの吸着事故は発生しないのでしょうか?


心配になって調べると日本医科大学の土橋俊雄先生による体内金属 … 安全性と MR 画像への影響という文献を見つけました。


この中で土橋先生は、整形外科や放射線科領域で使用される体内金属を、実際に1.5TのMRI装置を用いて吸引力やアーチファクトを検討をされていました。




キャプチャ - コピー

体内金属 … 安全性と MR 画像への影響 より転載



上記が、その貴重なデータです。これをみると歯科領域の磁性アタッチメント以外のステンレス製体内金属はおおむね問題なさそうです。なるほど、勉強になりました。







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