私が勤めている病院は、透析センターを併設しています。
このため、患者さんの中に一定比率で血液透析を施行している方がいます。
透析患者さんは慢性腎不全のため、もともと貧血気味の方が多いです。そのような患者さんに人工関節全置換術を施行すると、どうしても貧血が進行してしまします。
このため、ある程度の他人血輸血を施行せざるを得ません。そして、透析患者さんに他人血輸血を施行すると、血液中のカリウム濃度が上昇します。
カリウム濃度上昇を防ぐため、術翌日の血液透析中に他人血輸血を施行します。これしか方法が無いと思っていたのですが、透析医にカリウム吸着フィルターを教えてもらいました。

カワスミ カリウム吸着フィルター
カリウム吸着フィルターとは、赤血球製剤中に増加した過剰なカリウムイオンを除去するフィルターです。赤血球製剤中の過剰カリウムを80%以上吸着・除去するそうです。
その仕組みは、陽イオン交換樹脂を介して赤血球製剤中のカリウムイオンをナトリウムイオンと等価置換することで、カリウムを吸着・除去します。
価格は5000円ほどなので、他人血輸血が必要な透析患者さんの手術に際しては、あらかじめ準備しておくことが望ましいと思います。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
カリウム吸着フィルターは『新生児・小児への赤血球製剤使用時』と『急速大量輸血時』のみが保険適応となっているはずです。この記事のカリウム吸着フィルターの使用方法は、保険適用外の使用方法になり、費用は病院の完全持ち出しとなるかと思いますが、その辺りはどうお考えでしょうか?
当院でもよく議論になる問題ですので、是非教えて下さい。