私は、できるだけ患者さんに苦痛を与えないことをモットーにしています。そんなの当たり前じゃないか! と怒られそうですね(笑)。


整形外科の手の外科領域の小手術には、腱鞘切開術や手根管開放術があります。私は、両手術とも局所麻酔+ターニケット無しで施行する場合が多いです。


しかし、手根管開放術で横靭帯の遠位端をしっかり切離できているかを確認する際に、ターニケット無しでは難しいことが時々あります。


このようなケースでは、あっさりターニケットを使用してサクッと終わった方が患者さんに与える苦痛は少ないのではないのか? と思うようになりました。


しかし、局所麻酔の手術でターニケットをすると結構苦痛を与えてしまいそうです。そこで、実際に自分で上肢のターニケットを巻いてみました。


結論的には10分ぐらいは余裕です。ターニケットを巻いている部分が少々痛いですが、心配していた虚血によるターニケットペインは10分ぐらいでは大丈夫でした。


これなら手根管開放術もあっさりターニケットを巻いた方が良さそうです。患者さんにもよりますが、安全・確実な手術のためには局所麻酔+ターニケットもアリだと思いました。


ただし、下肢のターニケットは話が別です。下肢はターニケット直後から文字通り「足の置き場がない」痛みと気持ち悪さに苛まれます。


下肢では局所麻酔下でターニケットを巻く機会はあまりないですが、上肢とは別モノと考えた方が良いと思います。






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