先日、鋼線締結法を用いた骨折手術がありました。
私は鋼線締結法を行う際に、ダブルループを基本としています。


ダブルループの方が均等に軟鋼線に緊張が加わるからです。さて、ひとつめのループを作るときに、何気なく反時計回りに鋼線を回してしまいました。


ふたつめのループを作成後にループを交互に締め上げると、ひとつめに作成したループが緩んでしまったために、反時計回りにしていることに気付きました。


私は、最初の指導医から鋼線締結法のループは時計回りが基本であるという教えられました。 その理由として、地球の自転方向が右回りだからという説明を受けました。


当初は深く考えずに「もっともなことだな
」と思っていました。しかし、反時計回りで鋼線締結法を施行したため、本当に右回りにする必要があるのか気になってしまいました。


調べてみると、鋼線締結法が時計回りである必要性はありませんでした。しかし、回転系のものは、時計を始めネジなどほぼ全てのものが右回りになっています。


時計やネジが右回りになったのには諸説あって、右利きの人が多いことや文明の多くが北半球で生まれたことが原因だそうです。


どういう理由からか、私は地球の自転と反対方向に締めると緩んでしまうと思っていました。しかし何を調べてもそのような記載はありません。


どうやら地球の自転と反対方向に締めると緩むというのは私の思い込みのようでした。結論としては、鋼線締結法で右回りにしなければいけない理由は無いようです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。