最近、立て続けに前腕骨骨折に対して、プレートを使用した骨折観血的手術がありました。3次救急の外傷病院に在籍していたころは、このような手術ばかりでした。


しかし、現在では予定手術がメインである人工関節センター勤務のため、このような外傷とは比較的無縁の生活を送っています。


今回は、LC-LCPプレートで骨片間に圧迫力を加える手技を調べてみました。ご存知の方も多いかもしれませんが、LC-DCPに関しては2017年に販売中止となっています。


私が骨折治療の基本を学んだ頃は、DCPを用いて骨片間に圧迫力を加える際には、オーバル型のドリルガイドを使用したものですが、LCPでは存在しないようです。



LCPシステムに関しては、DCPの様なドリルガイドは使用せずに、 スリーブ内筒がバネ式になっているユニバーサルドリルガイドを使用するそうです。


押し込んでドリリングすることで、真円位置へドリリング可能となり、 押し付ける事無く使用すると、偏心位置(コンプレッションポジション)へドリリング可能となります。



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上の図をみると理屈が分かりますね。偏心位でのドリリングでは+0.75mmのコンプレッションが可能となります。なるほど、便利なデバイスであると感じました。


骨折治療のデバイスも日々進化しています。どうやら私は、20年前の知識で停滞していたようです。少し反省ですね。






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