先日、右大腿骨骨幹部骨折後の症例を診察しました。すでに手術から1.5年経過しているのですが、まだ骨癒合していないとのことでセカンドオピニオン目的での受診でした。
この症例は髄内釘で内固定されており、骨幹部に増殖型(elephant foot type)の骨形成を認めます。しかし、内側では骨癒合しているようにも見えます。
しかし、CT を施行すると全周性に偽関節でした。私は髄内釘などの内固定材料が入っていると、それに隣接した部位の骨癒合状態は正確には判断できないと思っていました。
しかし今回の経験では、髄内釘があるにも関わらず骨癒合の状態をほぼ正確に知ることができました。今回の教訓は下記の2点です。
- 内固定材料があってもそれなりに CT で骨癒合を評価するできる
- 単純 X 線像で部分的に骨癒合していると思われる症例であっても、実際に CT を施行すると偽関節のことがある
放射線による被爆を除けば、それほど侵襲的な検査ではないので、偽関節を疑った場合にはやはり CD で精査するべきなのでしょう。
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