2019.12.19にソフトバンクの IPO があります。
私の周囲でもソフトバンクの IPO に参加しようという人が少なからずいます。
彼らの目的は 以下の三つに大別されます。
- IPO を用いたキャピタルゲイン目的
- 5%の配当狙いのインカムゲイン目的
- 株主優待目的
ソフトバンクの IPO は話題性充分で、一般の方でも知っているほどです。そこで、ソフトバンクの IPO に参加することが望ましいのか否かを検討してみました。
まず①のキャピタルゲイン狙いの IPO 投資ですが、これに関しては参加する価値はあると思います。もちろん半丁博打ではありますが、勝率は比較的高いのではないかと考えます。
ただ、これだけの大型上場なので、市場から吸い上げる資金量が半端ではありません。したがって、大幅に公募価格を上回ることは想定しにくいのでコツコツ派向けでしょう。
次に②の配当狙いのインカムゲイン目的の投資ですが、これについてはあまりお勧めできません。通信事業はストックビジネスなので、確かに収益性は安定しています。
しかし通信事業は許認可事業なので国の政策がもろに影響します。つまり生殺与奪権を国に握られているため、長期的には現在のような高収益を維持できる可能性は少ないです。
しかも配当性向は85%とかなり無理をした配当水準です。将来的にこの配当水準が下がることはあっても上がることは考えにくいです。
しかもこれほどの高配当を提示しなければいけないほど、プロの投資家目線ではソフトバンク株に魅力がありません。事実、今回のソフトバンク株は個人投資家がターゲットです。
機関投資家にとっては魅力が少ないため、やむを得ず情報弱者の個人をターゲットにしているというのが真相です。
孫会長の目的は、将来性が無いために不要となったソフトバンク株を現金化することです。そして、ここで得た資金を次の投資への見せ金にしようとしています。
つまり端的に言うと、情弱な個人からお金を集めて自分の事業の未来へ注ぎ込もうとしているのが今回のソフトバンク IPO の実態なのです。
③の株主優待投資に関しては議論するまでもありません。そもそも株主優待があるのか否かさえ決まっておらず、あったとしても株主優待は所詮おまけに過ぎないからです。
以上をまとめると、ソフトバンクの IPO に参加する場合には、投機と割り切って参加するのはアリですが、少なくとも投資家目線で購入するべきではないと考えています。
私の経験的な話をすると、今回のような「儲かりますよ~」的な雰囲気の中で購入すると、負けること必定です。
不動産とは違って、金融資産投資のようにプロが跋扈する弱肉強食のジャングルの中で利益を得るためには、PPIを飲みながら歯を食いしばって投資するしか方法が無いからです。
★★ 医師のための金融資産形成術 ★★
資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。
勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。
1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術
①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。
一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。
今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。
築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。