先日の外来で「左股関節が痛いから手術して欲しい!」という患者さんが初診されました。私が勤務している医療機関は、人工関節ではそこそこ名前が売れています。
このため、このような患者さんがときどき初診されるのですが、私の対応は「じゃ、手術日時を決めましょう!」ではありません。
このような患者さんと意気投合(?)して手術をしてしまうと、のちのちになってトラブルが発生することが多い印象です。
お互いの信頼関係が熟成していない段階で手術をしてしまうと、ちょっとしたトラブルが大きなトラブルに発展しがちです。
このため、焦って(がっついて)症例を掴みに行くのは自制するべきだと考えています。このような症例では、私はまず保存治療を勧めてみます。
画像所見的には「これは厳しい」という症例であっても、まずは保存治療を行うのです。数回外来で診させてもらって、同時に患者さんの人となりも見させてもらいます。
その上で、手術をしても問題なさそうな方+保存治療が奏功しない場合には、そろりと手術をお勧めするようにしています。
長らくそれなりの看板のある病院勤めをしていると、このあたりの脇が甘くなることがあります。病院の看板を自分の実力と勘違いしてしまうのです。
やはり医療の基本はお互いの信頼関係だと思います。前のめりの患者さんが受診されても、それに迎合しないことが大事かなと感じています。
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手術!と迫ってくる方は不思議とトラブルが起きやすい印象を私も持っています。
症例を増やしたい!と思っているときは、足元をすくわれないようにして、長く楽しく医師をやっていきたいと再確認できました。ありがとうございました。