先日、小児の上腕骨顆上骨折がありました。小児の上腕骨顆上骨折の合併症として、周知のように内反肘変形があります。


小児の上腕骨顆上骨折=内反肘変形の危険性あり は、整形外科医の常識ですが、なぜ上腕骨顆上骨折後に内反肘変形をきたしやすくなるかについては、はっきりとしていません。


そこでいくつかの文献を読んでみて、小児の上腕骨顆上骨折後に内反肘変形をきたしやすい理由を調べてみました。


内反肘変形併発の原因は、どの文献も推測の範囲を超えていませんでしたが、やはり最もしっくりする理由は上腕骨末梢骨片の内反・内旋転位の遺残だと思います。



上腕骨末梢骨片に牽引力を加えることによって、内反・内旋転位は整復されます。しかし、牽引力を緩めると、徐々にですが内反・内旋転位が再発します。


この結果、不安定型の小児上腕骨顆上骨折の保存治療では、比較的高率に内反肘変形をきたしてしまうようです。


ある文献では、保存治療では肘を屈曲90°で外固定することも、内反肘変形をきたしやすくなる要因のひとつに挙げられていました。


その理由は、肘関節90°屈曲位にしていると、内反肘変形併発の有無を唯一正確に判断できる単純 X 線の正面像を撮影しにくいためとのことです。


小児の骨折なので、できるだけ侵襲を小さくしたい気持ちがあります。しかし、侵襲の小さな保存治療には、内反肘変形をきたしやすい要因があることに注意するべきでしょう。






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