先日、腰椎圧迫骨折の患者さんが救急搬送されました。手術適応は無いのですが疼痛のために身動きのできない状態だったので、そのまま入院していただきました。


問診を取って入院時検査をしようとした時にひとつの問題が浮上しました。この方は C 型肝炎だったのですが、ちょうど C 型肝炎治療薬マヴィレットで治療中だったのです。


しかも、マヴィレットを服用し始めて4週目でした。マヴィレットはアッヴィ社が販売している C 型肝炎治療薬ですが、極めて高額であることで知られています。


通常、8週間投与なのですが、薬価ベースでは406万円もします。著効率が 99% とのことで画期的な薬ではありますが、いかんせんとんでもなく高価な薬です。


そして、マヴィレットの治療は途中で終わらすことはできないそうです。ということは、このまま入院すると、マヴィレットの薬代は病院負担になるのでしょうか???


調べてもらうと、マヴィレットは出来高払いで対応できるとのことでした。万が一にも包括医療対応しかできないとなると、この患者さんを入院させると大赤字になってしまいます。


この件に関しては安堵したのですが、出来高払いになるので、この患者さんの売り上げがとんでもない金額になることが判明しました。


つまり、まだ4週間残っているので、 1ヶ月で 200万円もの売り上げになるのです。もちろん、売り上げが大きなだけで病院の利益はほとんどありません。


しかし、医師に対する病院の評価は売り上げで決まります。つまり利益をほとんど無いにもかかわらず、この患者さんの入院で人工関節を上回る売り上げが計上されるのです。


整形外科は手術をして、体を動かしてナンボの世界だと思っていました。しかし、マヴィレットによってその概念がぶち壊されました。なんだか複雑な心境ですね・・・






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。