先日、大腿骨転子部骨折の高齢者が入院しました。問診をとると、この方は重度の ASO を併発しており、1か月後に大腿部でバイパス手術を受ける予定だそうです。


他院の循環器内科医師から診療情報提供書を取り寄せると、直近の検査ではABIが 0.4しかありません。これは相当悪いな・・・


通常、大腿骨転子部骨折の周術期には深部静脈血栓症を予防するために、弾性ストッキングをルーチンで履いていただいています。


しかし、今回は重度の ASO を併発している方なので、病棟の看護師さんから本当に弾性ストッキングを 周術期に着用していいのか? という確認がありました。


最初、看護師さんからこの事を問われた時、私は特に何も考えることなく OK という返事をしていました。


しかし調べてみると、弾性ストッキングは今回のような動脈血行障害のある患者さんには禁忌となっているようです。


考えてみれば、弾性ストッキングで圧迫されると、もともと血行状態が良くない部位では、
動脈閉塞部より末梢の血流が極端に悪くなる可能性があります。危ないところでした・・・


その他の弾性ストッキングの禁忌もしくは慎重な使用が必要な傷病名としては、下記のようなものが挙げられます。


  • 動脈血行障害
  • 糖尿病
  • 急性期の深部静脈血栓症
  • うっ血性心不全


上記のうち、深部静脈血栓症は急性期のものや抗凝固療法を施行していない症例が禁忌になるそうです。なるほど勉強になりました。









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