私は大腿骨頚部骨折の骨接合術では、ハンソンピンを使用しています。最近、ハンソンピンの刺入位置で少し悩むことがありました。
2本のピンの間隔は 10mm以上取りたいところですが、小柄な日本人の高齢女性ではなかなか10mm以上の間隔を取ることが難しい症例もあります。
このような症例では、2本目の中枢側ピンの刺入位置を
- 大腿骨骨軸に対して後方 45°を維持したまま 2本のピンの間隔を狭めるのか
- 大腿骨骨軸に対して後方 30°にして 2本のピンの間隔 10 mmをキープするのか
のどちらを選択するべきなのかが悩ましいところです。
私の場合には、大腿骨骨軸に対して後方 45°を維持するのではなく、2本のピンの間隔を優先することにしています。
つまり、2本目のピンを 10 mm間隔ではどうしても刺入できない場合には、大腿骨骨軸に対して 30°ぐらいにして、なんとか 2本のピンの間隔を10 mm確保するようにしています。
本当にこれでいいのかどうかはわかりませんが、2本のピンの間隔が広いほどハンソンピンの固定力が増すのではないかと考えています。
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