Crowned dens syndrome(CDS)をご存知でしょうか? CDS は、頚椎歯突起周囲に発生した結晶性関節炎(偽痛風発作)です。


発熱、炎症反応の高値、頚部痛が主な症状なので、髄膜炎との鑑別診断が必要です。先日、90歳女性の CDS を経験しました。



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CT の冠状断では、上記のように軸椎歯突起後方に淡い石灰沈着をみとめました。なかなか派手な石灰沈着です。




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矢状断では歯突起を取り囲むように石灰沈着していることが分かります。血液生化学検査では炎症反応が亢進していますが、その割には全身状態が良くて重篤感はありませんでした。


項部硬直やケルニッヒ徴候は認めず、悪心・嘔吐もありません。環軸関節が炎症の主体なので、頚椎の回旋制限が強かったです。


高齢者に突然発症する後頚部痛は比較的多い印象です。CDS を疑っても比較的軽度な症状の場合には、わざわざ CTまで撮像しないことが多いです。


しかし、今回は頚椎回旋時痛が高度なので思い切って撮像してみました。トラムセットで様子をみていると、数日で症状が軽快しました。







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