Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
レジ周りの菓子をなくすと食行動が健康的に です。




 レジ周りの陳列棚によく見かける甘い菓子やスナック類。これらをレジから遠ざける取り組みによって、不健康な食品の購入量が劇的に減少したことが、英国の消費動向に関するデータを用いた研究で明らかになった。研究を実施したのは、英・University of CambridgeのJean Adams氏らで、PLoS Med(2018; 15: e1002712)にその結果を発表。国民に健康的な食行動を促す施策として有望との見解を示している。


レジ前の陳列棚が衝動買いを促す

 英国では食料品小売市場のほとんどをTescoやAsda、Sainsbury'sといった大手スーパーチェーンが占めており、店舗における商品の陳列や配置、プロモーション、価格設定などを通じて消費者の購買動向に大きな影響を与えている。


 これらの店舗のレジ前に配置された商品陳列棚は、支払いの列に並んだ客の目に触れやすく、商品の購入を促しやすい"装置"といえ、甘い菓子やスナック類といった不健康な食品が多数並べられている。Adams氏は「レジに並んでいるときに手に取るこれらの商品の多くは、買うつもりのなかったものである可能性が高い」と説明する。


 しかしこうした環境に変化の兆しが見えてきた。ここ10年で、英国では多くの大手スーパーチェーンが自発的にレジ周りから不健康な商品をなくしたり、制限したりする施策を実施するようになってきたという。


 そこで、同氏らは消費者動向調査データなどを用いて、2013~17年に施策を導入した大手スーパーチェーン6社と導入していない3社の計9社で消費者が購入した少量パッケージ入りの甘い菓子類やスナック類の数量を調査し、施策が不健康な食品の購入に与えた影響を調べた。


持ち帰らずに食べた不健康な菓子類は約76%減少

 Adams氏らはまず、施策の導入後にこうした不健康な食品の購入量がどのように変化したのかを明らかにするため、3万戸超の家庭における導入前12カ月間と導入後12カ月間のデータを分析した。その結果、施策の導入直後に不健康な食品の購入量は17.3%減少し、1年後も施策を導入していないスーパーがある地域の家庭と比べ、こうした商品の購入量は15%減少していた。


 また、2016~17年において、購入後に持ち帰らず、家の外で食べた甘い菓子類やスナック類の個数の記録がある7,500人分のデータを分析したところ、施策を導入したスーパーでは導入していないスーパーと比べ、持ち帰らずに食べられる菓子類やスナック類の購入量が76.4%少ないことも分かった。


 ただし、この研究はランダム化比較試験ではないため、施策の導入による消費者の購入行動の変化が証明されたわけではない。同氏らによれば、施策を導入した店舗は、レジ周りに陳列している商品の種類以外にも、未導入の店舗にない特徴を有している可能性があるという。さらに、客はレジ周りに陳列された少量パッケージの商品ではなく、大容量パッケージの商品を同じ店舗で購入していたか、スーパー以外の店で不健康な食品を購入していた可能性も否定できないとしている。


 その上で、このような施策について「比較的シンプルな介入法だが、人々に健康的な食行動を促すことができる見込みがある」と同氏は強調。不健康な行動の改善を図る政府主導の介入を計画するに当たり、参考となるエビデンスであるとの見解を示している。





これは、なかなか興味深い記事ですね。コンビニやスーパーなどの小売りでは、レジ前商品の “ちょこっと買い” はドル箱です。


このレジ前のラスト1マイルで収益を積み上げることが、小売り業の売り上げアップの定石です。今回は、小売り業界の定石に切り込んだ研究でした。


結果は当たり前ですが、不健康な菓子類の売り上げが下って食行動が健康的になったようです。この手の研究は小売りサイドでは腐るほどありますが、医療側では新鮮なようです。


今回は、研究結果もさることながら、他業界ですでに結果が出ている研究を医療業界に持ってきて、違う立場で再検するだけでジャーナルにアクセプトされたことに驚きました。


特に公衆衛生分野では、似たようなリサーチを量産できそうな気がするのは私だけでしょうか?まぁ、誰もが考えそうなことではありますが・・・






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