人工股関節全置換術(THA)の際に、骨移植を施行せざる得ない症例は少なくありません。移植骨の第一選択は、もちろん大腿骨頭および大腿骨頚部の海綿骨です。


大腿骨頭から骨を採取する際にはリウエルや鋭匙を用いますが、摘出した大腿骨頭を把持しながら移植骨を採取するのひと手間です。


大腿骨頭はツルツル滑るので、手元が狂うと自分の手を損傷しかねません。このような時にうまく移植骨を採取するコツがあるのでしょうか?


事前に100%骨移植することが分かっている場合には、まず股関節を脱臼した時点で、
頚部骨切り前に
大腿骨頭を piece by piece にボーンソーで切除していきます。


球状の大腿骨頭を厚さ 1cmぐらいでスライスしていくイメージです。こうすることで高さ 1cmの円柱状の大腿骨頭が数個ほど採取できます。


そして骨移植の際に円柱の外側の軟骨部分だけリウエルで切除すると、きれいに海綿骨だけが残ります。こうすることで素早く大量の海綿骨を採取することが可能になります。


100%骨移植する予定の場合には、脱臼した時点で大腿骨頭をボーンソーで円柱状に切除していくことで、移植骨を採取する時間が大幅に節約できると思います。






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