先日、FTA 160度の高度外反膝の人工膝関節全置換術(TKA)がありました。ご存知のように高度外反膝のTKAは難易度が高いです。


  • アプローチをどうするのか?
  • どの順番に軟部組織のリリースをするのか?
  • インプラントは拘束型まで準備するべきなのか?
  • 術中のピットフォールは?


考えだしたらキリが有りません。一般的にはアプローチは慣れた内側アプローチで、軟部組織は腸脛靭帯、膝窩筋腱、関節包を順次切離、拘束型も準備ということになります。


そこで、今回は大学の膝関節班の先生がおっしゃられていたピットフォールをご紹介します。まず、最も注意するべきことは、大腿骨内顆に術中骨折を併発しないことです。


高度外反膝では内側に荷重がかからないため、大腿骨内顆が廃用性骨粗鬆症になっています。このため不用意に固定ピンを打って4面カットすると内顆を破壊することがあります。


大腿骨内顆に術中骨折を併発すると、ただでさえ大腿骨外顆は低形成のために4面カットできないところに、頼みの綱の大腿骨内顆で固定性を得られないという危険性があります。


このため、大腿骨内顆の扱いには細心の注意を払う必要があるのです。そしてこの段階を無事に通過しても最後に関門が待ち構えています。


それは、膝関節内側にゆるみを残してしまうことです。これを避けるために内側リリースや骨切りを最小限にしますが、これ以外ではインサートを厚くするしか方法がありません。


しかし、多少インサートが厚くなっても、膝関節内側にゆるみを残すよりはマシです。このような場合には勇気をもって厚めのインサートを選択しましょう。







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