先日、近隣の基幹病院のひとつで小さな事件が発生しました。救急科部長が任意退職したため、救急科医師が次々と辞めていったそうです。


このために、その基幹病院の救急診療体制は激変しました。それまでは救急科がメインで救急症例をさばいていましたが、症例毎に各科が対応することになったそうです。


なかなか厳しい状況であると言わざるを得ません。さて、今回の事件はいわゆる「立ち去り型サボタージュ」的な医療崩壊とは少し違うと思います。


救急科医師が次々と辞めていった原因は、唯一の救急科指導医の資格を持っていた部長が退職したため、そのまま病院に勤務しても専門医を取得することができなくなったからです。


なるほど、たしかにそのような状況では非専門医がその病院に残ることは難しそうです。今回の教訓は、救急科の部長が辞めるまでその価値が認められていなかったことです。


たったひとりの医師の存在が、基幹病院の使命のひとつである救急体制維持のためのかけがえのないパーツだったのです。


おそらく、本人も含めてその重要性に気付いていなかった可能性が高いです。一般の会社組織ではあまり類を見ないことですが、医療業界では同様のことが頻発します。


横浜市では、 県立がんセンターで放射線治療専門医の退職のために、数百億円もする重粒子線治療設備の稼働が中断される危機に陥りました。


極めてレアな人材なので本来なら組織にとって必要不可欠であるにも関わらず、そのことが正当に評価されていないために、辞められてから慌てる事態が頻発しています。


このような事態を鑑みると、自分がどの程度組織にとって必要な
(代替の利かない)人材であるのかを客観的に評価してみるのもいいかもしれませんね。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です