週刊ダイヤモンドの 2019年6/15号のカラダに医見番・ライフスタイル編で興味深い記事がありました。子どもの中耳炎をスマホで検査 精度は病院の検査に匹敵 です。








ここ数年、「治療・診断アプリ」が医療用として認可されるケースが増えてきた。先月、米ワシントン大学の研究者らが中耳炎など耳の感染症をスマートフォン(以下、スマホ)で検出できる方法を開発し、注目されている。


急性中耳炎は、病原菌が鼻の奥から耳に続く「耳管」を通って「中耳」に入り、炎症を起こす感染症だ。耳の激しい痛みや発熱、耳だれなどの自覚症状がある。聞こえが悪くなることもある。


成人の発症は少ないが、子どもの耳管は短く、水平に近いので細菌やウイルスが侵入しやすい。このため乳幼児の6~7割が小学校に入学するまでに一度はかかる。 8割は自然に回復するが、痛みや苦痛をうまく訴えられない乳幼児では親の判断が重要だ。


研究者らは、市販のスマホに標準装備されているスピーカーから「ピッピッピ」という信号音を外耳道に送り込み、鼓膜からの反射 信号をスマホのマイクで集音して、機械学習されたアルゴリズムで分 析する方法を開発。


たとえば、中耳に炎症があり膿がたまっていると、反射音のピッチは高く、振幅が大きくなる。結果はスマホの画面上にグラフで示される。一定の基準を超えた場合はグラフが赤くなり、受診を 促すアドバイスが出る仕組み。


生後18カ月~17歳の子ども53人 (98耳)を対象とした試験での診断精度は8割以上で、一般的に病院で行われている検査と同等だった。また、別の子どもを対象に親がスマホを操作した試験でも、医師が操作したときと同じ精度を保つことが確認されている。


このアプリの長所は、必要な装備がスマホと紙を丸めて作った 「じょうご状の集音装置」だけという点だ。装置の広い一端をスマホのマイクとスピーカーを覆うように装着し、すぼまった一端を耳に差し入れて信号音を送ればいい。


昨今、急性中耳炎の治療は経過観察と消炎鎮痛薬の投与が主流。 過剰に治療する必要はない。手軽に経過を知ることができれば親の不安が軽減され、通院負担が減るだろう。実用化が待ち遠しいアプリの一つだ。




う~ん、素晴らしいの一言ですね! 数年前からスマホアプリを用いたデジタルヘルスは熱い領域です。高性能であるにもかかわらず、安価で普及率が高いことが利点だと思います。


皮膚疾患診断アプリや禁煙治療のCureApp禁煙などが有名ですが、各科の領域で続々と新しいアイデアが生まれているようです。


ちなみに整形外科領域では、THAの臼蓋リーミングやカップのインパクションの際のナビゲーションとしてスマホを利用している報告があります。


今までは薬物療法や手術療法でしか治せないという思い込みがありましたが、スマホアプリなどのソフトウェアで治すというコロンブスの卵的な発想も必要なのかもしれません。


いずれにせよ、この領域はとても熱いと思います。もちろん、世界中に競合がひしめいていますが、プログラミング技術のある若手医師は是非この分野でも活躍してほしいものです。






★★ 医学知見探求サービス ★★


医学知見を医師ユーザー同士で発信・共有するコミュ二ティに参加しませんか? 

quotomy - コピー


「医師と医学知見との出会いを再定義する」 Quotomy(クオトミー)は、臨床現場で働いていると個人で医学知見をキャッチアップすることが難しい、という臨床医の切実な痛みから誕生しました。


忙しい日常の中で、医学知見を得たり、発信したりすることが難しくなっています。 時間的・地理的制約のために、学会や勉強会への参加もできない環境で働く医師もいます。


知への探求を諦めていませんか?


抄読会をする感覚で、Quotomyで論文を読んだ感想や気づきをシェアしましょう! お気に入りのユーザー同士はフォローでき、お互いのアクションを確認できます。


Quotomyは現在ユーザー登録受付中です!
登録は こちら からお願いします。