先日、Medical Tribuneで興味深い記事がありました。プレガバリンで自殺行動リスクが上昇 スウェーデン・19万人超の検討 です。下記に要約します。




ガバペンチノイド(ガバペンチンまたはプレガバリン)を処方された15歳以上のスウェーデン人19万人超のデータを検討した結果を、英・University of Oxford/スウェーデン・Karolinska InstitutetのYasmina Molero氏らがBMJ(2019; 365: l2147)に発表した。また年齢別に見ると、特に15~24歳の若年者でリスクの上昇が顕著であることも分かった。


自殺、過量服用、外傷、交通事故リスクが上昇


Cox比例ハザード回帰モデルを用いた被験者内解析の結果、ガバペンチノイド服用により自殺行動/自殺による死亡リスクは26%〔年齢調整ハザード比(HR)1.26、95%CI 1.20~1.32〕、偶発的過量服用リスクは24%(同1.24、1.19~1.28)、頭部・体幹部外傷リスクは22%(同1.22、1.19~1.25)、交通事故/違反リスクは13%(同1.13、1.06~1.20)上昇した。


この結果について、Molero氏らは「若年者のガバペンチノイド服用によるリスク上昇、特に自殺行動および偶発的過量服用のリスク上昇に関する理解を深めるために、さらなる研究が必要だ。同時に、臨床ガイドラインの見直しも必要であろう」と述べている。




驚くほどリスクが上昇するわけではなさそうですが、特に若年者へのプレガバリン処方には注意する必要があるようです。


サインバルタもそうですが、もともと向精神薬として開発された経緯のある薬剤の使用には、自殺企図リスク上昇などに対して理解するのが望ましいと感じました。






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