先日、大腿骨近位部骨折の患者さんが搬送されてきました。単純X線像では、かなり転位していて微妙な画像です。大腿骨頚基部骨折ではないのでしょうが・・・



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もし、大腿骨頚基部骨折であれば、内固定材料の選択を髄内釘ではなくCHSにしなければいけません。正確な判断が求められる局面です。


もちろん、CTを撮像すれば解決する問題です。しかし、コストと迅速さを考えると、そのまま患肢を引っ張って撮影する traction viewを施行すれば解決することが多いです。



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今回の患者さんは上図のように、どうやら大腿骨転子部骨折のようです。患肢を引っ張るひと手間だけでほぼ正確な診断と治療方針が決定しました。


最近、脊椎圧迫骨折でも MRIや CTを撮像する機会が激減しました。どうだろ・・・と思っても座位で撮影すると、多くの症例で新鮮骨折であることが判明するからです。


病院経営的には微妙な問題もはらんでいますが、迅速な診断と医療費削減に多少は貢献しているのかなと思います。画像検査の減収分は他で挽回しよう。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です