Monthly Book Orthopaedics の5月号は、整形外科医が知っておきたい薬の知識 でした。以前に変形性膝関節症の薬物治療戦略をまとめましたが、今回は腰部脊柱管狭窄症です。
変形性膝関節症ではシンプルな治療戦略でした。OAの痛みを制するには、関節軟骨に感覚神経は存在せず、軟骨以外の組織由来の痛みであることを理解することが重要です。
【急性期】
滑膜炎 → NSAIDs、ヒアルロン酸製剤の関節注射
骨髄浮腫 → ゾレドロン酸(リクラスト)、足底板などによる荷重負荷軽減
【慢性期】
中枢性感作 → 中枢性鎮痛薬(デュロキセチン、トラマドール)
それでは、腰部脊柱管狭窄症ではどうなのでしょうか? 腰部脊柱管狭窄症では、症状から神経根型(下肢痛)と馬尾型(下肢しびれ)に分けます。
【神経根型】
- アセトアミノフェン / NSAIDs+プロスタグランジンE1製剤
- 神経障害性疼痛の要素がある場合はプレガバリン追加
- 中枢性鎮痛薬(デュロキセチン、トラマドール)
【馬尾型】
- プロスタグランジンE1製剤
- 安静時症状が強い場合はプレガバリン追加
- 中枢性鎮痛薬(デュロキセチン、トラマドール)
神経根型、馬尾型を問わず、ほぼ同様のプロトコールのようです。私の場合は EPAを多用していますが、個人的にはプロスタグランジンE1製剤よりも効果的と感じています。
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