先日、ボクサー骨折の患者さんを診察しました。
転位が大きかったので整復が必要でした。


整復方法なのですが、教科書的にはMP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して、PIP関節部を背側へ押すことで整復固定すると記載されていることが多いです。


しかし、実際にはこの手技ではなかなか徒手整復できません。私は、結構転位しているボクサー骨折であっても、とりあえず長軸方向に牽引してみることにしています。


この単純な方法でキレイに整復されることが多いです。こちらの方が患者さんに与える苦痛も少なく、あっさり確実に整復できます。


その後の固定肢位が問題ですが、私はMP関節・PIP関節ともに軽度屈曲位でシーネ固定しています。MP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して1ヵ月固定とかはしんど過ぎます...。


ご存知のようにボクサー骨折は不安定性が強いので、この肢位で再転位をきたすようであれば経皮的骨接合術の適応だと考えています。





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