人工膝関節全置換術(TKA)では KneeAlign2を使用しています。これはなかなか素晴らしいデバイスで、TKAの設置精度が上昇しました。


しかし、いくつか問題点(?)が無いわけではありません。それは KneeAlign2の内部の仕組みがブラックボックスであることです。


どのような仕組みで正確に測定しているのかが全く分からないのです。仕組みがある程度でも分かれば応用も利くのですが、ブラックボックスなので経験でしか判断できません。


そこで、
KneeAlign2の経験的使用法をまとめました。まず、大腿骨顆部へのピン刺入は、大腿骨頭中心部に向けるのが教科書的ですが、実はテキトーでもほとんどの場合OKです。


というのも、10度のずれまで許容されるので、よほど訳の分からない方向に刺入しない限り、勝手に KneeAlign2が補正してくれるのです。


次に脛骨ですが、これも比較的テキトーでも大丈夫なようです。まず脛骨近位端でブームを置く位置は ACL停止部の後方です。


とはいうものの、視覚的にみて脛骨近位関節面のほぼ中央に置けば大きな計測誤差は発生しません。そもそも足関節内外果の膨らみは微妙な患者さんが多いので正確ではありません。


それでも大きく計測が狂うことはほとんど経験無く、どうしていつも正確に計測されているのか皆目見当がつきません...


KneeAlign2の内部構造はブラックボックスなので、全幅の信頼を置いて骨切りするしかないのです。これって、まるでアルファ碁などの AIみたいだな...







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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です