先日、大腿骨転子部骨折の手術で苦労した話を聞きました。なぜ苦労したのかを訊くと「髄内型をなかなか髄外型に整復できなかった
とのことです。



髄内型?髄外型?? なんだそりゃ?
恥ずかしながら、私は大腿骨転子部骨折に髄内型と髄外型があることを知りませんでした。


髄内型とは、近位骨片の内側骨皮質が遠位骨片の髄内に陥入したもので、遠位骨片の髄外に突出しているものを髄外型と呼ぶそうです。


髄外型では近位骨片の内側骨皮質が遠位骨片の皮質上に乗っているため、転位が少なくなる傾向にあります。このため、髄内型と比較してtelescopingをきたしにくいです。


一方、髄内型では
telescopingだけではなく、内反変形やその結果としてのcut outを併発する危険性が高まります。


もちろん、髄内型を整復できなかった症例でも、ある程度の
免荷期間をおくことで過度なtelescopingや内反変形を予防することは可能です。



しかし、髄内型を整復して髄外型に整復可能なのであれば、それに越したことはありません。このため、手術の際にはできるだけ髄外型での内固定を目指すのです。


髄内型・髄外型の概念はなんとなく考えていました。しかし、明確に意識していたわけではないので、今回の件で非常に勉強になりました。







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