先日、脳梗塞後の上肢不全麻痺のために手指拘縮になっている患者さんの診察依頼がありました。手指の屈曲拘縮が強く、爪が手掌に食い込んでいるためです。


診察すると、かなり関節拘縮もきたしていそうです。用手的には2横指ぐらいまで伸展できますが、かなり厳しい状況です。


う~ん、困ったな...。すでにOTが介入しているのですがあまり効果が無いようです。そうなると手術治療もしくはボトックス注射でしょうか???


手術治療といっても、切腱術はまだしも Z延長などは大袈裟な気がします。悩んだ末にボトックスでお茶を濁すのがベストでは?という結論に達しました。


私自身はボトックス注射の経験はなく、上肢のボトックス注射は難しいと聞いています。このため、ボトックス注射の経験が豊富な医師にお願いすることにしました。


この医師が入念に診察してコメディカルのニーズを探ったところ、どうやら手指拘縮そののもよりも爪を切れないことで困っているようです。


そうであれば、爪切りの際だけ手指を手掌から挙上できればよいという結論に達しました。そうであれば、手術治療以外の選択肢もあります。


この先生が考えたのは、爪切りの時だけ尿道バルーンを手指と手掌の間に挿入してバルーンを膨らますだけです。非常にシンプルですね!


私が関心したのは、手指拘縮をどうやって治療しようではなく、本当の患者さんのニーズを汲み取って適切な対応を提案したことです。う~ん、勉強になりました。







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