最近、他院の症例で症状が残存しているとのことで、セカンドオピニオン目的で受診する患者さんを診察する機会が多くなりました。
主に外傷による骨折症例が多いのですが、そのようなトラブルを抱えている症例の多くに共通することに最近気付きました。それは健側の評価をしていないことです。
例えば、橈骨遠位端骨折で健側を全く撮影していない症例が目立ちます。もちろん、初診は救急医が診ることも多いので、健側を撮影していないことは責められません。
しかし、整形外科初診時にそのまま患側画像で治療を開始するのはいかがなものかと思います。このような症例は当然ですが保存治療例に多いです。
健側を撮影していないと思わぬ落とし穴にはまることが多いです。徐々に骨折部が圧壊してulnar plus varianceになっても気付かないことがあります。
さらに、手関節部痛が続くのでおかしいな~と言って受傷後1年で健側を撮影すると、外傷性変形性関節症に移行していた等の症例が本当に多い印象を受けます。
後医は名医とよく言いますが、それを割り引いても健側撮影しない整形外科医が多いことに驚かされます。救急病院で忙しくても、1回ぐらいは健側撮影しておきましょう!
豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です
手術適応が判らなければ健側を比較しても結局は安易な保存治療が行われてしまいますので、日整会がもっと啓蒙活動をしてくれればいいのですが・・・
私はあえてやや厳しめの紹介状を書いて、なるべく不安定な骨折は紹介してくださいとお願いするようにしています。