非常に抽象的な話題で恐縮なのですが、手術をスムーズに施行するコツを考えてみました。各科で違いはあると思いますが、「立体視」できることは全科共通ではないでしょうか。


具体的には自分のアタマの中で患者さんの体内を再構成して立体視できるか否かが、スムーズな手術に結び付く要因のひとつではないかと考えています。


最近の傾向として低侵襲手術がさらに進化しています。低侵襲手術=人体の軟部組織への低侵襲なので、必然的に直視で内部構造を判断することは難しくなります。


2D画面からアタマの中で3Dに変換する機会も増えました。こうなると、立体視できる能力の有無が手術技量の差に直結します。


このため、手術技量を努力や経験でカバーすることが難しくなっていくと予想しています。立体視能力があるか否かはやってみないと分からないので、科の選択が難しくなります。


さて、自分の得意な手術を思い返すと、立体視できていることは当然ですが、更に執刀開始から閉創までが「すべて自分のアタマの中にある」という感覚があることに気付きました。


なかなか上手く表現できないのですが、術中風景の詳細な部分までもが全て自分のアタマの中に存在する感覚です。この感覚のある手術は何も考えなくても進んでいく印象です。


他の方がどのように感じているのかは知りませんが、同期でこの話をすると「あ~そんな感じだな!」と同意されることが多いので、あながち間違いではないのでしょう。






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