先日、Monthly Orthopaedics Vol.33(1) をパラパラ眺めていました。大腿骨近位部骨折の治療という特集でした。整形外科医であれば誰もが我こそは! と思うジャンルです。


そうは言っても、最近はさまざまな種類の内固定材料が上梓されており、とてもすべてに精通できているわけではありません。


初心に戻って謙虚な気持ち(?)で読み進めると、自分がかなり時代遅れになっていることに気付きました。どうやら大腿骨近位部骨折はかなり進歩しているようです。


最も大きな気付きは、手術難易度を予想するためにはCTでの評価が必須であることです。周知のように外側壁骨折を併発すると予後不良となります。


外側壁骨折併発リスクは CTで評価できます。具体的には CTの冠状断で無名結節から前方骨折部までの距離を測ります。2.1cm以上あると外側壁骨折併発リスクは低下します。


つぎに大腿骨転子部不安定型骨折の治療戦略ですが、ここでも CTが威力は発揮します。生田分類の Subtype Pは、
Subtype AやNと比べて有意にスライディングして予後不良です。



222 - コピー




上図の右端が Subtype Pですが、大腿骨近位骨片前方骨皮質が遠位骨片の後方に位置しています。これを、エレバトリウムや K-wireを用いて、左端の Subtype Aに整復します。


この操作を行うことで不安定型骨折がやや安定化して、過度なスライディングを併発するリスクが減少するとのことです。


術前 CTを撮像することで、整復操作が必要か否かをあらかじめ確認しておく必要があります。これまで大腿骨近位部骨折で CT撮像など医療資源の無駄遣いだと考えていました。


世界的には CT撮像しない地域の方が多いです。しかし、不安定型が予想される近位の粉砕骨折に関しては、症例を選んで CTで精査することが望ましいと感じました。








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