人工股関節全置換術(THA)のハイライトはカップ設置ではないでしょうか。特に臼蓋形成不全の強い症例では、カップ設置がワンチャンスな時もあるため緊張する瞬間です。


さて、絶対に外せないカップ設置において、確実にカップを臼蓋に固定するためにはいくつかのコツがあると思います。


そのうちのひとつはスクリュー挿入です。最初のスクリューを挿入する際に、術者的には
ドリリングしている間にカップが動いてしまうことを危惧します。



「確実」「迅速」にスクリューを挿入するために、私は下記の工夫をしています。

  1. フレキシブルではなくストレートドリルでドリリングする
  2. ドリリングする部位は前上方の穴
  3. スクリューは最短のものを決め打ちする

①ですが、フレキシブルドリルでは力が伝わりにくいため時間がかかります。一方、ストレートドリルでは、力がダイレクトに伝わるので一瞬でドリリングが完了します。


②③ですが、後外側アプローチでは最もドリリングしやすいのは前上方の穴です。しかし、前上方は、内板を貫通するとやや危険な部位です。


このため、内板を貫通する確率が最も低い最短のスクリューで決め打ちします。1本目は仮固定が目的なので、最短のスクリューでも問題ありません。


このようにして、最短時間で「確実」「迅速」にスクリューを前上方に挿入してカップを仮固定することで、落ち着いて残りのスクリューを挿入することが可能となります。








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