先日、大腿骨慢性骨髄炎の急性増悪の症例がありました。30年モノの骨髄炎なのですが、肺炎を契機にして再燃したようです。


MRIを撮像すると、大腿骨周囲に大量の膿をみとめました。大腿骨骨内の信号変化も著明です。明らかに骨髄炎の所見でした。


Spike feverだけではなく、血液生化学検査もエライ数字になったので、やむを得ず臨時手術を施行しました。大腿の膿瘍部を切開すると大量の膿が噴出しました。


内部も感染性組織でエライ状況です...。しかし、ある程度洗浄して膿を洗い流した後は、大腿骨骨髄炎部の掻爬を目指しました。周囲の軟部組織には見向きもしません。


大腿骨の表面はやや色調が悪いものの、外観上はそれなりの強度を保っていそうです。骨表面に極めて小さな瘻孔(?)を探し出しましたが、大量の膿の原因とは思い難いです。


しかし、感染の本丸は腐骨です。腐骨を切除しないかぎりは、いくら周囲の軟部組織を掻爬しても本丸を攻めたことにはなりません。


このため、手術時間の半分以上を腐骨掻爬に費やしました。サージアトームやケリソンで皮質骨(腐骨)を切除しながら、骨からの出血有無を確認するという地道な作業です。


結局、20mm×15mm×10mmの腐骨を切除しました。周囲の軟部組織は完全に感染性組織を除去したとは言い難いですが、血流のある組織は抗生剤含有セメントで感染制御可能です。


骨髄炎の手術では、全体の炎症度合いをみると周囲の軟部組織の所見の方が派手ですが、おおもとの原因となっている腐骨を完全に切除することに注力するべきだと思います。






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