先日、いわゆるストレートネックについて調べる機会がありました。ストレートネックは俗っぽい言葉であり、正確にはもちろん「頚椎前弯の消失」です。


日常臨床で、比較的よくみかけるストレートネックですが、その頻度はどの程度なのでしょうか?おそらく整形外科外来で診る頻度は、一般よりも高いことが予想されます。


医中誌ウェブでストレートネックを検索すると 20ほどヒットしました。ストレートネックという俗称でもヒットすることに少々驚きましたが、その中に頻度の調査がありました。




脳ドックを受検して頸椎X線(正面、側面像)を撮像した631人(男女比303:328、38~79歳)をストレートネックの調査対象とした。

頸椎X線の所見分類では、異常なし444例(70.3%)、日常生活指導156例(24.7%)、経過観察20例(3.1%)、要精密検査1例(1.7%)であった。

日常生活指導と判定した156例中、ストレートネックは54例(男女比29:35、平均53.2歳)で全受検者の8.6%を占めた。


脳ドックにおける頸椎X線写真の所見 特にストレートネックについて
Author:梶田 泰一先生(国立病院機構名古屋医療センター 脳神経外科)



上記の文献によると、ストレートネックの頻度は約 8.6%とのことでした。自分の経験を照らし合わせるとすこし少ない印象ですが、実際にはこんな感じなのでしょう。


世間一般ではストレートネックは悪者っぽいイメージで語られることが多いですが、実はそこそこの数の人がストレートネックであり、決して珍しいものではないことを学びました。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。