手関節の TFCC損傷は橈骨遠位端骨折に併発することも多いので比較的日常診療でよくみかける傷病です。しかし手外科医以外は TFCC損傷に苦手意識のある方も多いことでしょう。


そこで、TFCC損傷の実際的な画像診断のポイントをまとめてみました。TFCC損傷の分類では、外傷に関しては Palmer分類が有名です。

  • ⅠA: 中央部の穿孔
  • ⅠB: 尺骨小窩付着部の断裂 
  • ⅠC: 遠位側付着部の断裂
  • ⅠD: 橈骨付着部の断裂


上記のうち、疼痛の原因となることが多いのはⅠBの尺骨小窩付着部の断裂です。その理由として、尺骨小窩付着部が断裂すると DRUJの不安定性をきたすことが挙げられます。


それ以外では、ⅠAの中央部穿孔でも断裂部がインピンジすることで疼痛の原因となることもあるそうです。


上記をまとめると、疼痛の訴えのある TFCC損傷では Palmer分類ⅠBの尺骨小窩付着部断裂が多く、MRI読影の際にも同部位に高信号領域があるか否かが読影のポイントとなります





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