先日、近隣の開業医から右股関節部痛の70歳台患者さんの紹介を受けました。特に外傷の既往はなく歩行も可能だったようです。



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発症後2週間のMRIが上記です。大腿骨頚部から転子部にかけて、
T1WIで低信号領域、T2WIで高信号領域を広範に認めます。


大腿骨頚部にわずかに骨折線がありそうですが判然としません。大腿骨頭荷重部直下にT1WI、T2WIとも低信号を認めます。最初は大腿骨頭下脆弱性骨折と診断しました。



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ところが、THA前提で単純X線像とCTを施行したところ、大腿骨頚部骨折を発症しているではないですか!前医でMRIを撮像してから 2週間の間に骨折が顕在化したようです。


いわゆる大腿骨頚部不顕性骨折と思われます。何年かに一度ぐらいの割合で大腿骨頚部不顕性骨折を診ますが、最初のMRIでは骨折線が判然としないことがネックだと感じました。







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