日本医師会雑誌 第149巻・第10号に興味深い特集がありました。
ロボット支援手術の現状と未来 です。


整形外科領域は慶應義塾大学の松本教授が担当されていました。ロボット支援手術の定義にもよりますが、最近では脊椎と人工関節分野での導入される事例が多いです。


人工関節手術における手術支援ロボットは、①アクティブ型 ②セミアクティブ型に分類されるそうです。


①アクティブ型は、ロボットが主体で骨掘削を行い、術者はロボットを監視する役割です。ROBODOCが有名で、大阪大学の菅野先生が報告されています。


②セミアクティブ型は術者が術前計画および術中の情報に基づいてロボットを操作して手術を行います。Mako と NAVIOが薬事承認を得て実臨床に導入されています。


私も米国で Makoのデモをさせていただきましたが、ロボットに導かれるような感覚はあるものの、術者の裁量がメインである不思議な体験でした。


手術支援ロボットと言えばダヴィンチが有名ですが、現状では Makoも含めて導入コストが膨大過ぎて、医療経済的には全くペイしないことが問題点です。


ダヴィンチは全国の基幹病院に普及していますが、医療経済的にみると国富の海外流出に留まっているのが残念です。もう少し安価になるためにもメーカー間の競争が必要ですね。







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