肩関節周囲骨折では、肩関節の可動域訓練がなかなか大変です。がんばって施行していると少しずつ改善しますが、屈曲と外転で改善度に差があると感じています。


整形外科医であれば、このことは皆感じていることだと思いますが、意外なことに教科書や文献で明示されているものを見たことがありません。


そこで思い切って、肩関節外科医にそのような文献が存在するのかを質問してみました。その先生の感覚でも、屈曲→外転→外旋→内旋の順に改善する事が多いとのことです。


一方、教科書や文献に関しては、英文ではありますが下記のような文献の存在を教えていただきました。



The Effectiveness of Acupuncture in the Treatment of Frozen Shoulder: A Systematic Review and Meta-Analysis



Table 4では各種の治療群の比較がなされています。理学療法のみの研究では、屈曲と外転の Baselineに有意差があり、1.5ヵ月後と3ヵ月後の改善度でも屈曲の改善度が高いです。


まさに臨床の肌感覚に合致したシステマティックレビューだと思いました。つまり、肩関節では屈曲→外転の順に改善し、最終的な可動域も屈曲の改善度が高いという結論です。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★