踵骨嘴状骨折をご存知でしょうか?
恥ずかしながら、
最近まで私はこの骨折の名前を知りませんでした。



アキレス腱による踵骨の裂離骨折ですが、下腿筋に牽引されて中枢方向に転位します。この骨折の問題点は、踵部は軟部組織が薄いので皮膚壊死を併発する可能性が高いことです。


実は今までに、1例だけこの骨折の治療をしたことがあります。30歳台の女性で運動会で踏ん張ったときに受傷しました。


初診時の局所の状態が半端ではなく、ぱっつんぱっつんに張った踵部の皮膚をみた瞬間に「これはヤバイ」という直感を抱きました。


無理やり臨時手術にもっていき、当日中にCCSで裂離骨折を整復固定しましたが、CCSを挿入した小さな創部の治癒が遷延してしまい往生しました...。


当時は踵骨嘴状骨折という傷病名がついていることさえ知らず、最終的には骨癒合を得て、それ以上の大きな皮膚トラブルには進展しませんでしたが、鮮烈な印象のある骨折でした。


そして、先日病院の同僚が同様の骨折を引いたのですが、その時に初めて「
踵骨嘴状骨折」という傷病名を知ったのです(苦笑)。



文献を見せてもらうと、たしかに皮膚壊死が最大の問題になると記載されていました。当時はやり過ぎかな?と思った臨時手術ですが、後方視すると適切な対応だったようです...





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