今週号の週刊ダイヤモンドはキャッチーな特集記事でした。株・不動産・節税で資産1億円 です。1億円は憧れの数字ですが、手の届かない金額ではないことがポイントです。
このようなキャッチ―なタイトルの時にはたいてい期待できません。さてさてどんな内容かな?と思って拝読しましたが、予想通り得るものが何もない薄っぺらな内容でした...。
これだけコケた内容の特集になったのは、取材対象の投資家が小粒であることに尽きます。純資産の規模は、投資家としての実力を反映しているからです。
やはり、株式投資であれば B.N.F.氏、不動産投資であれば札幌の佐野氏や、大阪の必殺さんぐらいの実力者を取材して欲しいものです。
まず株式投資に関してですが、ほとんどダイヤモンド社の書籍の宣伝となっています。良く言えば一般人でも手が届きそうなレベルの投資家が著者なので、内容もそれ相応です。
あと、お決まりのように iDeCo、NISA、米国株インデックス積立投資を推奨しており、目新しさが無いです。こんなので富裕層レベルに到達できるのなら何の苦労もありません。
残念ながら、資産運用だけで 1億円に到達するための現実的な秘訣が一切記載されていませんでした。今回の特集で推奨されている手法では、資産 1億円達成は困難でしょう。
次に不動産投資ですが、こちらは株式投資に輪をかけてひどい内容です。そもそも論ですが、資産の定義をはき違えています。
株式投資家は曲がりなりにも「時価評価の純資産」ですが、不動産投資家は単なるバランスシート上の資産であり、私の経験則では純資産 1億円にも満たない可能性があります。
こちらもダイヤモンド社の書籍であるところがイタいです...。唯一読むべきパートは、どエンド君の部分でしょう。それも不動産投資の初心者であれば、という注釈付です。
ここまで週刊ダイヤモンドをメッタ斬りしましたが、決して悪意があるわけではありません。それどころか現在の私があるのは週刊ダイヤモンドのおかげだと感謝しています。
週刊ダイヤモンドは年に1回程度ですが、珠玉の特集をすることがあります。私が記憶しているのは下記の特集です。
- 2006年1月28日 富裕層特集
- 2008年11月15日 リーマンショック+J-REIT特集
- 2017年2月4日 超長期の不動産市況特集
- 2018年4月4日 オーナー社長の資産管理会社特集
- 2020年2月1日 会計・ファイナンス特集
- 2020年11月21日 地銀特集
- 2021年2月6日 財務諸表・会計特集
これらの珠玉特集は、優れた取材能力の成果物です。他では手に入らない素晴らしい情報であり、それらを分析することで資産を殖やすチャンスを手に入れました。
時々出てくる珠玉の価値のある特集記事を読むために、それ以外の期間は家に届いた数時間後には古紙行きする行動に甘んじて受け入れています。特集の特徴は下記のごとくです。
- ひとつの分野を掘り下げる特集はアタリ率が高い
- 会計関係の特集記事は入門編としてアタリが多い
- キャッチーな特集はまずハズレ
- 株式銘柄推奨は100%ハズレ
- 不動産マンション特集は大雑把な市況を知るのに適している
週刊ダイヤモンドのエッジは、今回のような投資の常識(?)を誌上で公開することではなく、その取材能力で集めた最新の情報を提供することだと思います。
特に私が好きなのは、何でも数字化して読者に情報提供する点です。数字は主観性をある程度排除できるので、大きな判断をするときの絶好の材料となります。
私のように場末でひっそり生きている一般人にとっては、ときどき週刊ダイヤモンドに掲載される珠玉の情報をうまくマネタイズしていくことが望ましいと思います。
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2006年の雑誌をワンクリックで購入できるとは良い時代になったものです。