最近、ばね指の保存治療に関しては、くらげ整形外科の山崎厚郎先生による A1 pulleyのストレッチを第一選択にしています。特に環指に関しては絶大な威力を発揮しています。


さて、A1 pulleyのストレッチは下記のような手法ですが、外来でやり方を説明してから患者さんに机の端を握ってもらい実践しています。



<A1 pulleyのストレッチ>

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上の図のように、MP・PIP関節最大屈曲、DIP関節伸展位で罹患指と手掌でブロックを挟みます。この状態でブロックを握ることで屈筋腱が収縮して A1 pulley内腔が増大します。

ブロックを30秒握るストレッチを 1日10回以上実施することで、A1 pulley内腔の拡大によって屈筋腱の滑走性を向上させます。治療開始後1~2ヵ月で効果が得られます。



さしあたって 30秒×3回ぐらい私の目の前でやってもらいますが、その間ボーッとしていると時間の無駄です。


そこで、ばね指だと分かった瞬間から A1 pulleyのストレッチを開始して、患者さんが実践している間に、ちらちら時計の秒針を見ながらカルテ記載します。


そして、30秒×3回が終了した時点で症状は軽快してカルテ記載も終了しているので「1ヵ月毎日がんばってください!」と言って診察室からお見送りします。


この間、約 3~5分ほどです。入室から退室まで含めての時間なので、診療効率としては良いのではないかと思っています。






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