先日、私も新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種しました。三角筋に打つと肩が結構痛くて腕があがりにくくなるとのことなので、中殿筋に接種しました。


新型コロナウイルス感染症のワクチンごときで、日々の日課(筋トレ)を中断するわけにはいかないのです(笑)。


さて、今回は筋注なのですが、多くの注射は皮下注です。病棟の看護師さんに訊いても、ソセゴンやフェノバールぐらいしか筋注の経験は無いそうです。


ちょうど、日本医師会が筋肉注射の手技を解説していたので、備忘録として記載します。

  • 注射部位は三角筋の肩峰より2~3横指下中央
  • 三角筋をつままず、広げて皮下組織を固定する
  • 注射針は皮膚に直角に刺入
  • 刺入の深さは13~2mm
  • シリンジ陰圧確認は行わない
  • 抜針後は揉まない


体型によって刺入深度が変わるところがポイントだと思いました。私たち整形外科医は、関節注射や腱鞘内注射の際に、日常的に針先で組織を感じながら刺入します。


このため、筋膜を貫く感覚は分かるのですが、大量に接種する場合はイチイチ筋膜を貫く感覚を確認しながら刺入しないかもしれません。


刺入深度が深くて骨に当たっても問題ないですが、
三角筋に関しては整形外科医的には肩峰下滑液包内に誤注入することを危惧します。その意味でも中殿筋がベターだと思いました。


ちなみに中殿筋への接種では、クラークの点(上前腸骨棘と下前上後腸骨棘を結んだ線の前方1/3)が摂取部位の目安となります。






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