今日の午前の手術も人工股関節全置換術(THA)でした。
若年者の両側特発性大腿骨頭壊死症でした。


若年者の特発性大腿骨頭壊死症(ION)のTHAは、高齢者のOAと異なった特徴があります。
まず、解剖学的に寛骨臼に関してはほぼ正常な症例がほとんどです。
次に、骨質が良好なので高齢者のOA股と異なり極めて”固い”のです。


これらの特徴が、特にTHAでカップの設置に際して大きく影響します。
通常、カップは1mmアンダーサイズまでのリーミングに留めます。
しかし、IONのTHAでは同サイズリーミングまで行わざるえないことが多いです。
骨質が固すぎるため1mmアンダーサイズリーミングでは、カップを寛骨臼内にしっかり固定できないのです。


高齢者のOA股と比べて一見簡単そうに見えますが、実はIONに対するTHAの難易度は高いと思います。