整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

教育

下積みと経験は違う!

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医学部の学生時代に部活に入っていた方は多いと思います。何故か医学部は体育会系の部活が多く、上下関係が厳しい印象を抱いています。


私はテニス部でしたが、1回生の頃は球拾いという雑務ばかりやっていた記憶があります。もちろん球拾いをしたからと言ってテニスが上手くなるわけではありません。


手っ取り早くテニスを上達するにはテニススクールに通うに限ります。先輩のアドバイスをもらうよりも、レッスンプロに教わった方が短期間で上達することは自明の理でしょう。


しかし、何故か当時の私はレッスンプロに学ぶという発想がありませんでした。愚直に下積み生活を送って上級生になりましたが、今にして思えば最初の2年間は無駄な時間でした。


まぁ、テニスで飯を食べるわけではないので問題ないですが、医療技術を習得する場合は困ります。最も能力が高い時期を下積みで浪費するのは医師として死活問題だからです。


下積みとは徒弟関係の中で熟練の技を覚える修行です。下積みでは方法論に疑問を持たず技を覚えることが基本です。


しかし、進歩のない職人の世界とは異なり、医療は日進月歩でイノベーションが基本です。イノベーションは既存の方法を否定することもあるため、下積みとは対極に位置します。


つまり、医師が下積み生活を送ることはイノベーションの芽を摘むことになるため厳に慎むべきだと考えています。下積みと経験を積むとは全く異なるのです。


医師の世界では未だに上下関係が幅を利かせている部分が多いです。もちろん全否定するわけではないですが、既存の方法を無条件に受け入れることは問題が多いと考えています。







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医師にもジェネリック戦略が必要!

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最近、スタートアップの舵取りの指針を求めて、経営学の本ばかり読んでします。医学もそうですが、経営学もリアルワールドがベースなので非常に興味深いです。


ハーバード大学のマイケル・ポーターの「持続的な競争優位の獲得」が経営の目的となるという SCP理論があります。経営学では最も有名な理論のひとつです。


原理原則と考えられていた理論ですが、近年の実証研究から現代には当てはまらなくなってきている可能性が指摘されるようになりました。


例えば、富士フイルムHDはもともと写真フィルムの会社でしたが、デジカメの普及で企業存亡の危機に立たされました。たった 5年ほどで主力事業が消滅するほと激震です。


たった数年間でデジタル・医療分野に事業転換して、生き残りに成功しました。古森社長というカリスマ経営者が居なければ、社歴70年・売上高2兆円の大企業の倒産は必至でした。


富士フイルムのような歴史のある大企業でさえも、簡単に倒産危機に追いやられるほど現代は変化が激しい時代です。最近では主力事業が5年しかもたないこともよくある話です。


このような状況では「持続的な競争優位」を獲得しても企業は永続できません。解決策は、波乗りのように数年スパンで主力事業を変化させていくジェネリック戦略です。


実は、私たちの医療業界も似たような状況になっていると感じています。がん治療やロボット手術の領域などがその代表です。整形外科では脊椎外科や関節リウマチも該当します。


一度獲得したら一生安泰な技術は存在せず、数年で破壊的イノベーションがやってきて常にアップデートに迫られます。このような環境では「石の上にも三年」では対応できません。


長期的には国民皆保険制度が崩壊するのは既定路線なので、高収入を維持したいのであれば武器となる医療技術を身に着けておく必要があります。


しかし、技術を習得したらアガリ!では全くありません。習得した技術の正味期限は10年もたないことを念頭に、常に次の技術をキャッチアップする気概が必要です。


なかなか厳しい環境ですが、私たちの現実だと思います。現状では希少価値のある医師であっても上振れが少ないです。悪い意味での平等から抜け出していません。


しかし、いよいよ国民皆保険制度の維持が困難となって混合診療を解禁せざるを得なくなると状況は一変する可能性が高いです。希少価値のある医師は暴騰し、それ以外は沈下する。


現在卒後10年以内の医師はそのような状況下で働く可能性が高いです。これに対応するには常に技術を高めつつ、波乗りのように旬な技術をキャッチアップし続ける必要があります。






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衝撃! 整形外科医の医療被曝の現状

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日本整形外科学会雑誌の第93巻第10号をパラパラ読んでいると、興味深いシンポジウムがありました。整形外科医の医療被曝の現状と対策です。


私自身は被爆を軽く考えていたため、シンポジストの講義を興味深く拝読しました。まず驚いたのが、染色体異常や手指の皮膚がん併発の話です。


まず、染色体異常ですが、青森県の脊椎外科医18名(経験年数11年~33年)のうち、環状染色体が12名に、転座頻度の上昇は全ての医師に認められたそうです。


次に、実際に職業被爆のために皮膚がんを罹患して公務災害認定された市立函館病院整形外科医の佐藤隆弘先生のシンポジウムは生々しくて衝撃的でした。


自身の手指のスライドで扁平上皮癌を示し、対策を考察されているのは臨場感があり過ぎて忘れられません...。被爆を防ぐための対策として下記を挙げられています。


  • 時間・距離・遮蔽の3原則の徹底
  • アンダーチューブ型X線装置の使用
  • 透視の工夫(X線パルス数を減らす、菅電圧を高く・管電流を低くする)


上記のうち、アンダーチューブ型とは、X線を出すX線管が下で、受光部が上になっているX線装置のことです。通常、手術室にあるものは被爆量の少ないアンダーチューブ型です。


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脊椎外科医の被爆が問題になるのは、低侵襲手術の普及や透視下検査のために、手指の被爆量が尋常ではないことが原因です。


確かに、年配の脊椎外科医はひどい手荒れに悩まされている方が多く、手指の被爆が決して珍しくはないことの証左でしょう。


患者さんを目の前にすると自分の被爆のことは忘れてしまいがちですが、医療人としても自身の被爆対策にもっと目を向ける必要があるのではないかと感じました。






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国内でもカダバー研修可能なのか!!

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日整会誌93(9)2019のシンポジウムは非常に興味深い内容でした。お題は「カダバー研修の現状と今後の展望」です。


これまで、私はカダバー研修に何度か参加させていただきました。専門分野である THAをはじめ、TKAでも参加歴があります。


すべて海外で実施された研修なので、カダバー=海外でしかできない、と思っていました。ところが、今回のシンポジウムを拝読して非常に驚きました。


なんと、国内でもカダバー研修が可能であり、実際にいくつかの施設で実施されていたのです!わざわざ海外に出向かなくても、国内でカダバー研修ができれば素晴らしいことです。


しかし、実際には各施設でかなり厳格な運用が求められており、実施できるのはマンパワーと臨床的使命を帯びている一部の大学病院に限られているようです。


残念ながら、国内でのカダバー研修が一般的になっているとはとても言えないようです。しかし、少しずつでも国内でカダバー研修が実施できるようになってきたのは良い傾向です。


何と言ってもカダバー研修は、外科医が自分が得意とする手術手技を更に深化させるのに必須と言えるからです。この術野の向こうのどのあたりに血管や神経が存在するのか?


解剖書を紐解けばある程度イメージすることはできますが、本当にそれが正しいのか否かは分からないからです。


国内でカダバー研修が一般的になるのはまだまだ先のようですが、医療技術の向上のためにも、大学病院であればどこでも実施可能なレベルまでどんどん普及して欲しいものです。






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園児の行動で将来の成功率が分かる?!

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
将来の収入占う幼稚園児の行動とは です。


子供のころの行動は、将来の経済状況とどの程度関連しているのかについての研究です。カナダで2,800例超の幼稚園児を約30年にわたって追跡した結果が報告されました。


幼稚園児時代の子供の行動に関する評価内容は下記の6種類です。
  1.  不注意(集中力の欠如、空想にふけりがちなどの4項目)
  2.  多動(常に動き回るなどの2項目)
  3.  攻撃性(けんかなどの3項目)
  4.  反抗性(言うことを聞かないなどの5項目)
  5.  不安(新しい環境を怖がるなどの3項目)
  6.  向社会性(けんかを止める、けがをした子を助けるなどの10項目)


研究の結果は、男女とも幼稚園児時代に集中力の欠如などから不注意と評価された子供は、将来的に年収が低くなることが示されたそうです。


男性だけを抽出すると、不注意に加えて攻撃性や反抗性が高いと収入減と関連していました。一方、女性ではこうした関連は認められませんでした。


この研究では、社会にうまく適合する性格の持ち主が、実際に社会に適合して高収入を得るという当たり前? の結果になったようです。


私の事前予想は、反社会的で反抗的な子供の方が起業したり独立して成功を収めるのではないかという甘っちょろい考えでした(笑)。


やはり、誰にでも反抗するような協調性の無い子供よりも、周囲とうまくやっていける協調性のある子供に軍配が上がるようです。自分への戒めとしても覚えておこう...。






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