整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

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本当に高度医療が停止している!

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緊急事態宣言が発令されましたが、街中の風景は普段と同じように思えます。飲食店が時短営業や休業しているものの、それ以外は大きな変化はなさそうです。


一方、前回の緊急事態宣言時と異なり、医療機関では状況が大きく変わったことを実感しています。この点は、一般社会との認識の落差が激しいように思えます。


まず、私が実感している最も重要なことは、近隣の基幹病院群が高度医療供給機能を停止せざるを得ない状況に追い込まれていることです。


ケアネットのコラムニストでも民間病院の非協力や医療提供体制の分断が原因と主張しているの方がいらっしゃるようですが、基幹病院医師から伝聞した現場の実感としては、

  • ICUがコロナ患者さんで満床
  • ICUが満床のため高度救命救急の受け入れ不可
  • 心臓血管外科などのECMO使用症例の手術不可
  • 職員家族のコロナ感染のためスタッフ減となり、手術を施行する能力が低下


という状況に思えます。この傾向は年始から顕著となっており、複数の医師からお伺いしたところでは、首都圏や関西圏では切実な問題となっています。


一方、私が勤務しているような場末病院にも、高度医療機関の機能低下の影響が玉突き的に発生しています。上位病院からあふれた患者さんが押し寄せて、新規入院が難しいのです。


私は緊急事態宣言には懐疑的でしたが、このような事態を目の当たりにして、少々考え方が変わりました。少なくとも現在の「全員助ける」前提では緊急事態宣言やむを得ずです。


今回のコロナ禍で、経済的被害を最小限に抑制して近隣の大国に対する抑止力を維持するためには、ある程度の命の選別を行って高度医療の提供能力を維持しながら、

  • 暖かくなる季節までがんばる
  • 社会がコロナ罹患での死亡を許容する
  • ワクチン効果でピーク人数をある程度抑制する 


という泥縄式の対応になるのではと考えています。 有効な解決策が無いため、どの政策を採るのがベストなのかは後世の歴史家のみが知る、という状況なので難しいですね...。







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慶応に歯学部ができる!

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日経新聞で興味深いニュースが流れました。
慶応大と東京歯科大、合併へ 2023年春めど です。



慶応義塾(東京・港)と東京歯科大(東京・千代田)は26日、合併に向けた協議を始めると発表した。2023年4月をめどに慶応大に歯学部を設け、統合する。10学部を擁する慶大はさらに歯学部を加え、総合大学としての競争力を強化する。



一般の感覚では「慶応大学がさらに早稲田大学を突き放した
だと思います。しかし、当事者、特に東京歯科大学出身者にとっては胸中複雑ではないでしょうか。


自分の母校が他大学に吸収されて無くなってしまう...。それが例え、天下の慶応大学であっても、拒否感を示す人が多いのではないでしょうか?


周知のように単科医大では単独での生き残りが難しい大学が多いです。東京医科大学と早稲田大学、東京女子医大と早稲田大学など、噂話は絶えません。


しかし、単科大学は歴史のある実力大学が多く、OBの力は隠然としています。おいそれと総合大学の軍門には下らないことが予想されます。


もし自分の母校が吸収されて無くなったら...。私ならやはり嫌ですね。たぶん OBとして反対運動に参加すると思います。だったら寄付するかと言われると微妙ですが(笑)。


知り合いに東京歯科大学出身者が居るので、どんな感じでしょう?とお伺いしたところ、予想外に嬉しそうでした...。アレ、そんなものなのかな???






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虫垂炎の薬物療法の非劣性を確認

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
虫垂炎への抗菌薬療法は切除術に非劣性 です。


米国の虫垂炎患者1,552例を対象に非盲検ランダム化比較試験CODAで虫垂炎に対する抗菌薬の有効性を検討。その結果、治療開始後30日時点の健康状態において虫垂切除術に対する抗菌薬投与の非劣性が確認された


以前から言われていることですが、虫垂炎での保存治療の有効性を示唆する研究がまたひとつ加わりました。


従来から非穿孔性虫垂炎では、状態に応じて保存治療が選択されています。自覚症状が軽度で全身状態が良好であれば、入院で絶食として抗菌薬の投与を行います。


一方、本研究の結論として虫垂結石を伴う患者では、伴わない患者と比べて虫垂切除術および合併症のリスクが上昇したとのことです。


門外漢なので分かりませんが、コロナ禍の現状では虫垂結石の有無も検討材料のひとつとして、保存治療が可能か否かの判断がなされることになるのかもしれません。







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新型コロナで非常勤の報酬相場はどうなった?

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リクルートドクターズキャリアの2020年11月号で興味深い記事がありました。最新の非常勤&スポット勤務事情です。


医師紹介サービス大手ならではの記事です。新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生以後の非常勤&スポット勤務の実情についてまとめられています。


  • 2020年4月以降で求人数が一気に減ったが、6月末にはある程度回復した
  • 2020年7月2週から再びダウントレンド入りし、その後もCOVID-19の状況に連動
  • 病院よりクリニックで求人減が著明
  • 診療科別では、健診、婦人科検診、内視鏡検査で影響が大きい
  • 訪問診療、当直、病棟管理はさほど影響を受けていない
  • 時給 1万円はなんとか維持されている


医師の非常勤市場は、リクルートなどの医師紹介サービスが興隆以後で初めて買手市場になっているようです。それ以前も買手市場は寡聞にして聞かないので、戦後初なのでしょう。


非常勤報酬の相場は、1万円をキープしているものの、報酬減の兆候はちらほら現れつつあるとのことです。


国民皆保制度がひっ迫してくると、このような状況が発生することを予想していましたが、まさかそれ以外の要因で発生するとは夢にも思いませんでした。


しかし、現実問題として現在進行中の由々しき状況です。これを奇貨として、新しい道を模索するのか、嵐が過ぎるのをひたすら待つのかは、各々の判断しだいなのでしょう。





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海外医学部から約100名が国試合格

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日経新聞に興味深い記事がありました。医師、増える海外医学部卒 です。副題は、東欧など、国内私大より学費安く 「国内卒」前提の政策揺れる となっていました。



海外の医学部に進学する日本人学生が増えている。卒業後に日本の医師免許を取得できるルートが広がり、私大医学部に比べ総費用が少なく済む国もあるためだ。外国人の取得者も増え、海外大卒の医師国家試験合格者は国内の医学部1校の入学者に相当する。国内の卒業者を前提にしてきた医療政策を揺さぶる。



私が医学部を受験したときから、東欧諸国の医学部から日本の医師国家試験を受験するルートはありました。しかし、現実的な医師へのルートという感覚は皆無でした。


ところが、2019年には97名もの合格者が海外医学部卒とのことで衝撃を受けました。もっとも、これは少し盛られているところがあり、日本人合格者は 40名程度のようです。


これまでの医師需給政策は、医学部定員でコントロールされてきました。ところが、海外医学部という迂回ルートが拡大してきたため、従来の手法が通用しなくなってきています。


既得権者(=私を含めたすでに医師免許をもっている者)からすると、医師数が増大するのは由々しき問題です。特に現在 30歳台までの医師にとって将来的な脅威になるでしょう。


医師数を制限する政策維持であれば、医師国家試験の更なる難化や海外医学部の除外となるのでしょう。私は、野放図な医師数増加は国のためにならないと考えています。


その理由は、ただでさえも国内最優秀層がこぞって医学部を目指す状況がさらに悪化するからです。本来なら成長産業に行くべき高度人材が医学部に進学するのは国家の損失です。


自虐的ですが、私たちは究極的には何ら新しい価値を産み出しているわけではありません。輸出産業が稼いでくれる外貨を無駄に浪費している存在にすぎないからです。


海外医学部問題が、1990年台以降続いていた医学部至上主義から、東京大学への揺り戻しのきっかけになればいいなと考えています。






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