整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA

駄ネタ: ゲン担ぎにもほどがある

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私は、験を担ぐ(げんをかつぐ)ことを習慣にしています。懸命の努力をした後に、結果を左右するのは、結局「運」だと考えているからです。


このため、普段から自分の運気を上げることに余念がありません。
ゲン担ぎでよくあるのは「右足から出る」等ですが、そこまでのこだわりはありません。



私がいつも気にかけているのは手術中のゲン担ぎです。例えば、4・9・13などの数字にはあまりよくないイメージを抱いています。


このため、これらの数字をできるだけ選択しないというゲン担ぎをしています。先日も人工関節のインプラントでサイズ9と10を迷う場面がありました。


わずかにサイズ9かな?と思いましたが、「9」という数字には忌避感があります。このため、サイズ10にトライして往生してしまいました...。


傍から見れば何をバカなことをしているんだ!と思われますが、本人としては大真面目です。ただ、よく考えると4のつくサイズは結構多いことに気付きました。


例えば、THAのカップサイズが44mm、ステムサイズが4、TKAのFCやTCのサイズ4、人工骨頭のアウターヘッド44mm...。めちゃくちゃ多いです。


さすがに上記を完全に回避しようとすると、実害を併発しかねません。やっぱり験を担ぐにもほどがあると改めて認識しました。






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セメント人工骨頭に軍配あがる?!

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ケアネットで人工骨頭置換術で興味深い論文がありました。人工骨頭置換術、セメントレスは再置換のリスクが高い です。




大腿骨近位部骨折患者の人工骨頭置換術では、非セメント固定はセメント固定に比べ、無菌性再置換のリスクが高く、この差の主な原因は非セメント固定で人工関節周囲骨折の頻度が高いためであることが、米国・カイザーパーマネンテ(Hawaii Permanente Medical Group)のKanu Okike氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年3月17日号に掲載された。




整形外科医であれば避けては通れない人工骨頭置換術。実は私もセメント愛用派です。 primary THAはセメントレスですが、人工骨頭置換術はセメント派という両刀使いです。


私が高齢者の大腿骨頚部骨折でセメントステムを愛用する理由は、① 高度の骨粗鬆症の人でもしっかりした初期固定を得るため、および② 術後感染対策です。


感染対策では、当然のごとく抗生剤入り骨セメントを選択しています。手術時間が 10~15分延長しますが、仕方ないと割り切っています。


一方、今回の研究でセメントレスがセメントに劣後したのは、人工股関節周囲骨折の頻度が高いためという意外な(?)結果でした。


そんなに人工骨頭置換術後の人工股関節周囲骨折の頻度が高い印象はないのですが、nが12400もあるので真実に近いところにいるのでしょう。


使用理由は今回の研究とは異なりますが、この研究結果に勇気を得て、これからも高齢者の大腿骨頚部骨折ではセメントステムを継続使用したいと思います。






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MOM後の偽腫瘍に対する MRI注意点

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先日、とある人工関節メーカーから病院宛にメールが届きました。Metal-on-Metal人工股関節に対するMRI実施に際しての注意事項です。


日本人工関節学会は、Metal―on―Metal人工股関節全置換術合併症の診療指針 を作成しました。具体的には下記のようなアルゴリズムです。



22 - コピー



MRIで関節周囲偽腫瘍を検出することは、ARMDの診断において重要です。ところが、MRI撮像時に金属部で発熱が生じる可能性があることに対する注意喚起が目的でした。


具体的には、Metal-on-Metal人工股関節装用患者のMRI検査について です。たいしたことのない内容ですが、股関節外科医の先生方は一読しておくことをお勧めします。






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THA: 手慣れた手術でも油断禁物...

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先日の人工股関節全置換術(THA)で、ちょっとしたインシデントがありました。いつも閉創の段階でオピオイドカクテルを創部に注入しています。


普段と同じ感覚で薬液を手渡されたので創内に注入しようとしたところ、外回り看護師さんから「ちょっと待った!」コールがかかりました。


???と思って手を止めると、渡された薬液が希釈したボスミン生食だったのです! ボスミンガーゼに使用する薬液を、オピオイドカクテルと間違って手渡されていたのです。


これはアブナイ...。心肺機能に問題のある患者さんであれば大変な状況になる可能性がありました。外回り看護師さんはよく気付いてくれたと思います。


しかし、このようなインシデント発生を防止するのは意外と難しいのではないかと思いました。ボスミンガーゼは最後まで使用する可能性があるので、捨てるわけにはいきません。


対策はシリンジに針を付けておく等でしょうか??? ただ、重篤な合併症を併発する可能性があるインシデントなので、何らかの対応を看護師さんに考えてもらうことにしました。






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筋肉よりも関節包が関節安定性に寄与!

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後側方侵入の股関節外科医にとって、股関節後方軟部組織の温存は至上命題です。しかし、軟部組織を温存すればするほど手術の難易度は上昇します。


特に、患者さんの骨質が不良なことが多い大腿骨頚部骨折においては、関節包と短外旋筋群のどちらを犠牲にするかについて悩む症例があります。


感覚的には短外旋筋群を温存するよりも関節包を温存する方が、関節安定性への寄与度が高い印象です。しかし、真実は闇の中だろうと思っていました。


ところが、すでにこのことに関する答えが出ていたのです!! 具体的には下記の論文に私の疑問への回答が記載されていました。






大阪大学の高尾先生の論文で、Jornal of Arthroplastyにアクセプトされています。キャダバーを使用した研究で、後方関節包と短外旋筋群を切離して骨頭の移動量を測定しています。


結論は、関節包を切離した方が有意に骨頭の移動量が大きかったようで、私の感覚と同様に短外旋筋群よりも後方関節包の方が関節安定性に寄与しています。


う~ん、股関節外科医であれば誰もが感じる疑問を、研究に落とし込むのは凄いことだと思いました。さすが、阪大グループ...。脱帽です。







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