整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術の気付き

手術の心得12箇条

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先日、母校の会報をパラパラ読んでいると、思わず目を留めた寄稿文がありました。某大学の外科系名誉教授による「手術の心得12箇条」
です。


  1.  手術は前日から始まる一前日には過度の運動や飲酒は慎むべし
  2.  手術は実践であり練習でない ~ 実践の前に練習やイメージトレーニングを
  3.  両手を使え一片手しか使わない者は上達しない
  4.  分担を知り同じことをするな一出血を拭いた後に同じところを拭くな
  5.  一手先を読め ~ 手術書を眼光紙背に徹するぐらい読み、一手先を知れ
  6.  手術はリズムである一万事心得た助手、看護師がついてくれると手を出せば欲しい 器具がポンポン出てきて、リズムよくしかも早く成功裡に終わる
  7.  早くなければ手術でなく手技である ~ 1秒でも無駄にせず早く、出血少なく終わり好結果が達成されてこそ「術」である
  8.  手術が出来るのと治せるのとは違う ~ 悪性腫瘍がそれであり、再発はダメ
  9.  わからない時は何もするな ~ 勇気がいるが現状より悪くしてはならない
  10.  進めぬ時は勇気ある退却 ~ 血管等が立ちはだかってどうしようもない時は退却
  11.  コッヘルの音で技量がわかる ~ 「パチパチ」という音で経験年数がわかる
  12.  糸結びや鉗子さばきで技量がわかる ~ 早くて正確なら術後も好結果



この先生は同門ではあるものの、科が違うことと他大学の元教授なので全く存じ上げませんでした。しかし、内容的には目をひくものがあります。


年代や科がちがうので全てを首肯するわけではないですが、⑪以外は仰せの通りだと思いました。やはり、教授になるだけの方は言うことが違いますね。


上記の12箇条を胸に、
明日からの手術は初心に帰って施行したいと思います。








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願わくば、我に難症例を与え給え?!

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日常診療の中で、難症例に遭遇することがときどきあります。手術に限らず、内科的疾患の合併や何らかの膠原病併発症例などです。


このような症例を担当すると、かなりの心理的プレッシャーになります。もちろん、自分の手に余ると思わえば他科や他院に振るという手もあります。


しかし、小規模民間病院では自分独りで対応せざるを得ない場面も多々あります。こんな経験をされている方は多いのではないでしょうか。


こういう場面は、本当に嫌になって逃げだしたくなりますが、後になって思い返すと成長の原動力となっていることが多いことに気付きます。


私の場合は、透析施設を併設している医療機関に居るので、透析絡みの難症例を散見します。手術までは嫌で嫌で仕方ないのですが、それに対する対策は怠りません。


問題点を洗い出して、それに対する勉強や備えを万全にします。それにも関わらず術中では想定外のことも発生しますが、それを乗り越える過程で新たな気付きを得ます。


このようにして得た気付きは「疾患別の気付きファイル」に追記しており、膨大な量のTIPSをクラウド上に保管しています。クラウドなので、どこからでもアクセス可能です。


このように考えると、難症例が医師としての自分の成長の糧になっていることに気付かされます。そう考えると難症例を経験した方が良いとも言えます。


もちろん、戦国武将・山中鹿之助のように「願わくば、我に難症例を与え給え」と祈ることなどあり得ませんが(笑)







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THA: カップ挿入不能例の対応法

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人工股関節全置換術(THA)では、軟部組織温存とインプラント設置の容易さはトレードオフの関係です。


軟部組織を温存しようとすると、必然的に術中操作を含めたインプラント設置が難しくなります。自分の技量範囲内で可能なかぎり軟部組織を温存するという戦略がベストでしょう。


さて、軟部組織を温存し過ぎると、寛骨臼内にカップを挿入することさえ難しくなります。しかし、せっかく軟部組織を温存してきたのに、この段階で切離するのは虚しい・・・


このような場合にはカップホルダーからカップを外して、カップのみを寛骨臼内に挿入してみることをお勧めします。


これでも厳しいことが多いですが、カップを自由自在に動かせるので、通常は何とか寛骨臼内に押し込むことが可能です。


そして首尾よく寛骨臼内にカップを挿入できれば、下記手法によってカップにカップホルダーを装着します。


  1. カップを用手的に寛骨臼内に挿入不能であれば、ボーン・インパクター等で叩打する
  2. エレバトリウムを内方からカップのスクリューホールに入れて、カップ縁を支点にして梃子の原理でカップをカップホルダーを装着しやすい角度に調整する


少々手間ですが、こうすることで軟部組織を温存した状態でカップを設置することが可能となります。もちろん、難しければ軟部組織を切離する勇気も大事だと思います。






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掌側プレート上に正中神経が・・・

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タイトル違いで恐縮ですが、拙書 医師の経済的自由 の増刷が決定しました! 今回は第3刷とのことで、本当にありがたいかぎりです。


医師としてのキャリアを楽しみながら経済的自由に到達する選択肢があることを、できるだけ多くの医師に知っていただきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。



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最近、立て続けに橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘術がありました。橈骨遠位端骨折の掌側アプローチは、さほど解剖学的に難しいものではありません。


しかし、抜釘では少し注意するべき点があるように感じたのでご報告します。通常、橈骨遠位端に掌側からアプローチする場合、FCRと橈骨動脈の間から進入します。


このため、橈骨動脈の存在には気を遣うものの、正中神経や長母指屈筋腱が術野に出てくることは、あまりありません。しかし、抜釘時には、進入路が瘢痕化して癒着しています。


実際のところは分かりませんが、内部が瘢痕化する過程で正中神経や長母指屈筋腱が瘢痕組織に引っ張られて、通常よりも橈側に偏移していることが多い印象です。


前回皮膚切開→進入路で展開していくと、思いがけずに正中神経が目の前(!)に出てきて、冷や汗をかく場面が何度かありました。


有るはずが無いと思っているモノが有ると、予想外の医療事故につながる可能性があります。橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘時には、正中神経に要注意だと思いました。





★★ 第3刷決定! ★★
 


当ブログ管理人書き下ろしの書籍が、中外医学社から発刊されました。「経済的に自由な医師」になることで、医師としての充実感と経済的成功を両立できる道があります。


本著では、資産形成論とマインドを学ぶことができます。具体的な手法は勤務医のための資産形成マニュアルに譲りますが、医師に特化した資産形成の入門書として是非ご活用ください!




161228 【書影】医師の経済的自由







ヘパリンロックは結構危険

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HITをご存知でしょうか? HITとは、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の略称です。第一三共のHPに分かりやすく記載されています。


HITの発症頻度は0.5~5%程度であり、ヘパリンが投与される全ての患者さんに発現する可能性があります。HITを発症すると、致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があります。


HITの発症機序は、ヘパリンと血小板第4因子の複合体に対する自己抗体(HIT 抗体)が産生されてしまい、その抗体の作用により血小板減少が発生します。


HIT発症に気付かずにヘパリン投与を続けると、動脈や静脈の血管を閉塞させて致死性の血栓塞栓症を合併する可能性が高まります。


ヘパリン投与中止でHITは改善します。そして抗凝固療法に関しては、代替薬を投与することで継続します。


日常臨床では、ヘパリンをヘパリンロックの際に使用している施設が多いと思います。しかし、HITを発症すると致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があるので注意が必要です。


このため、ヘパリンロックから生食ロックに変更する施設が増えてきているそうです。仮にルートが詰まっても、末梢ルートでは入れ替えるだけです。


ヘパリンロックを施行してHITから致死性血栓塞栓症を合併するよりは、多少ルートが詰まっても生食ロックに変更する方が望ましいのではないかと思います。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








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