整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術の気付き

LCPシステムで圧迫力をかける方法

このエントリーをはてなブックマークに追加


最近、立て続けに前腕骨骨折に対して、プレートを使用した骨折観血的手術がありました。3次救急の外傷病院に在籍していたころは、このような手術ばかりでした。


しかし、現在では予定手術がメインである人工関節センター勤務のため、このような外傷とは比較的無縁の生活を送っています。


今回は、LC-LCPプレートで骨片間に圧迫力を加える手技を調べてみました。ご存知の方も多いかもしれませんが、LC-DCPに関しては2017年に販売中止となっています。


私が骨折治療の基本を学んだ頃は、DCPを用いて骨片間に圧迫力を加える際には、オーバル型のドリルガイドを使用したものですが、LCPでは存在しないようです。



LCPシステムに関しては、DCPの様なドリルガイドは使用せずに、 スリーブ内筒がバネ式になっているユニバーサルドリルガイドを使用するそうです。


押し込んでドリリングすることで、真円位置へドリリング可能となり、 押し付ける事無く使用すると、偏心位置(コンプレッションポジション)へドリリング可能となります。



2323 - コピー




上の図をみると理屈が分かりますね。偏心位でのドリリングでは+0.75mmのコンプレッションが可能となります。なるほど、便利なデバイスであると感じました。


骨折治療のデバイスも日々進化しています。どうやら私は、20年前の知識で停滞していたようです。少し反省ですね。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








駄ネタ:おデブちゃんは自分?!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、高度肥満の人工股関節全置換術(THA)がありました。
TKAでは多少の肥満でも手術操作そのものにはさほど影響はありません。


しかし、THAにおいては訳が違います。肥満度が上がると手術難易度は乗数的に上昇します
。肥満であることに何のメリットもありません。


変形が軽度ても皮下脂肪が極端に厚いと手術の難易度が上昇します。実際のところ、高度肥満患者さんはOA進行も早いので、インプラント設置そのものが難しいことが多いです。


手術そのものを乗り切っても、術後の呼吸管理は大変です。帰室してもなかなかSaO2が上がらないので、ヒヤヒヤしながらバイタルを監視することになりがちです。


体重が重いとインプラントの摩耗も早くなるので、再置換術発生の確率も上昇します。ああなんてこった! 良いことが何ひとつ無いじゃないですか・・・


整形外科医にとっては当たりまえのことですが、高度肥満の患者さんの手術をするたびにデブに対する愚痴(?)が湧いてきます。


そんなことを思いながら日常診療をこなしているのですが、ふと最近は自分の体重が増えてきているのに気付きました。知らぬ間に私もおデブちゃんの仲間入りしていたのです・・・






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




睡眠時無呼吸症候群患者さんの対応

このエントリーをはてなブックマークに追加


外来で末期の変形性膝関節症の患者さんがいます。
まだ60歳台なのですが、高度のOAなのでTKAでしか対応できなさそうです。



しかし、この方は身長165cmに対して体重90kgと高度肥満を認めます。これだけの肥満なので、睡眠時無呼吸症候群も併発しているようです。


手術を検討するにあたっての問題点は、睡眠時無呼吸症候群への対応です。通常、管理されている睡眠時無呼吸症候群ではCPAPが導入されています。


しかし、この方は診断はついているものの、CPAP未導入で何の治療も受けていないようです。つまり、未治療の睡眠時無呼吸症候群ですね。


術後に呼吸状態が悪化するリスクが高いので、未治療の睡眠時無呼吸症候群に予定手術を施行するのは避けるべきです。


今回の正解は、まずは内科で睡眠時無呼吸症候群の治療としてCPAPを導入してもうことです。周術期には「マイCPAP」持参で乗り切りましょう。


まぁ、本当はダイエットすることが、変形性膝関節症および睡眠時無呼吸症候群の治療としてベストであることは論を俟ちませんが・・・





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






規格外の超高齢者

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨転子部骨折の患者さんの手術がありました。
派手な折れかたの大腿骨転子部骨折で、around centuryの超高齢者です。


受傷から2時間で受診なので、まだ全身状態は悪くありません。幸いなことに肺炎の併発もなさそうです。さて、どうするか???


だいたい私は、高齢者の大腿骨転子部骨折では当日手術を心掛けています。このため、検査依頼と手術申し込みは同時進行が多いのです。


赤血球製剤の確保で戸惑ったものの、何とか15時すぎに手術出しができる体勢を整えました。これなら定時帰宅(17時)も夢ではないかも(笑)。


しかし、手術とは何が起こるか分からないモノです。100歳ちかい超高齢者にもかかわらず、骨質が非常に良かったのです!大腿骨骨幹部など髄腔径が13mmしかありません。


もちろん、大腿骨近位は骨脆弱性があるのでしょうが、すくなくとも健側ではかなり丈夫そうな骨質です。malignancyというわけでもなさそうです。


実際に執刀を開始すると、クラウンリーマーが切れないではないですか! かなりがんばってようやくクラウンリーマーが近位部に入りましたが、固くて10mm以上進みません。。。


とりあえずネイルを挿入してしまおうと挿入したものの、固くてネイルが皮質を貫けません。確かにクラウンリーマーは10mmほど髄内に進んだものの、リーマー内に骨はありませんでした。


仕方なく、オウルで皮質骨を潰すことでようやくネイルを挿入することができました。径10mmにもかかわらず jammingして苦労しました。なぜ超高齢者なのに jammingするのか・・・


とにかく超高齢者にもかかわらず、やたらと苦労してしまいました。よくみると私よりも身長が高くてガタイがいいです。どうみても超高齢者としては規格外でした。。。


なんだかんだで帰路についたのは18時前でした。あ~、今日はビールがウマいというよりは、純粋に疲れたなぁ・・・







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








駄ネタ:鋼線締結法は時計回りで?!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、鋼線締結法を用いた骨折手術がありました。
私は鋼線締結法を行う際に、ダブルループを基本としています。


ダブルループの方が均等に軟鋼線に緊張が加わるからです。さて、ひとつめのループを作るときに、何気なく反時計回りに鋼線を回してしまいました。


ふたつめのループを作成後にループを交互に締め上げると、ひとつめに作成したループが緩んでしまったために、反時計回りにしていることに気付きました。


私は、最初の指導医から鋼線締結法のループは時計回りが基本であるという教えられました。 その理由として、地球の自転方向が右回りだからという説明を受けました。


当初は深く考えずに「もっともなことだな
」と思っていました。しかし、反時計回りで鋼線締結法を施行したため、本当に右回りにする必要があるのか気になってしまいました。


調べてみると、鋼線締結法が時計回りである必要性はありませんでした。しかし、回転系のものは、時計を始めネジなどほぼ全てのものが右回りになっています。


時計やネジが右回りになったのには諸説あって、右利きの人が多いことや文明の多くが北半球で生まれたことが原因だそうです。


どういう理由からか、私は地球の自転と反対方向に締めると緩んでしまうと思っていました。しかし何を調べてもそのような記載はありません。


どうやら地球の自転と反対方向に締めると緩むというのは私の思い込みのようでした。結論としては、鋼線締結法で右回りにしなければいけない理由は無いようです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。