整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術の気付き

衝撃! スワブスティックは未滅菌!!

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先日、手術室の看護師さんから衝撃の事実を告げられました。
なんと、ポピドンヨードのスワブスティックは未滅菌なのです!



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私は皮下縫合の際にドレープを剥がしてその部分だけイソジンで消毒しています。この際に経費削減のためにスワブスティックを使用していました。


しかし、その内容物は未滅菌だったのです・・・ マジですか。幸い、術後感染を併発していませんが、よかれと思って実行していたことが真逆の行為だったようです。


思わぬところにトリビアがありました。






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関節内カクテル注射は駆血解除前に!

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。通常、ワンターニケットで終了するのですが、その日は時間がかかってしまい、インプランテーション前に駆血を解除しました。


関節内カクテル注射を施行すると、駆血を解除してもびっくりするほど出血しません。血管が閉塞したのでは? と思うほど出血しないこともあります。


しかし、この日は駆血を解除すると、
関節内カクテル注射を施行しているにもかかわらず、それなりの出血がありました。主に骨切り面から出血しているようです。


いつもはインプランテーションして骨切り面がセメントで密閉されているため出血しないのでしょう。こんな当たり前のことに、今更ながらに気付きました。


たしかに軟部組織に
カクテル注射を施行しても、骨切り面には何の影響も無いはずです。骨切り面からの出血を抑制するには、駆血解除前にインプランテーションするに限ります。


一度駆血を解除すると、うっ血効果もあるため、いくら洗浄しても骨髄の血液を完全に除去することはできません。


このことも含めて、やはり駆血解除前に関節内カクテル注射を施行して、インプランテーション完了後に駆血解除を行うというのが王道であることを再確認しました。






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手洗い水は水道水が吉!

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手術部位感染(SSI)に関連して、手術室で使用する手洗い水をどうするかという議論があります。昔は滅菌水がメジャーでしたが、最近では水道水使用派が台頭しています。


平成17年に医療法施行規則が改正され、「滅菌手洗い」が「清潔な手洗い」という文言に改められました。この改正で、手洗いにおける水道水の使用が認められるようになりました。


手洗いに使用する水は、外国では水道水を用いるのが一般的です。しかし、我が国では医療法施行規則で滅菌水使用が明記されていたため、滅菌水を使用せざるを得ませんでした。


では、実際にどちらの方がより安全なのでしょうか? 私の感覚では、水道水は塩素を含んでいるため、滅菌水よりも微生物汚染を回避できる可能性が高いです。


私の家には井戸があり、トイレや庭の散水は井戸水を使用しています。昔ながらのポンプ式井戸で、塩素を付加する装置は付けていません。


そして、夏場になると井戸水が結構臭うんです。。。当初は洗濯も井戸水を使用していましたが、あまりに臭うため水道水に変更しました。


この点、微量の塩素が含まれる水道水は、ほとんど臭うことがありません。ほぼ同じ部位に配管があるのですが、その圧倒的な清潔度の違いに、塩素の偉大さを感じました。


この経験から、手術室の手洗い水も、滅菌水よりも水道水の方が望ましいと感じるようになりました。たしかに滅菌した瞬間は清潔でしょうが、配管が清潔か否かは怪しいものです。


まだまだ滅菌水使用の施設が多いと思います。「滅菌水」というネーミングにだまされることなく、きちんとした設備管理の実施が重要だと思いました。





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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










神経鞘腫切除術の麻痺発生率は高い!

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先日、神経鞘腫の切除術がありました。
それほど頻回にある手術ではないので、合併症について調べてみました。



四肢に生じた神経鞘腫の治療成績と問題点
Author:鈴木 賀代(富山大学 医学部整形外科学)
中部日本整形外科災害外科学会雑誌 57巻4号 Page755-756(2014.07)



医中誌で検索すると、上記の文献がヒットしました。abstractは下記のごとくです。





四肢に発生した神経鞘腫21例23腫瘍を対象に、発生部位と罹患神経、術後神経脱落症状の発生頻度と特徴、神経障害の発生と術式の関連性について検討した。


術後神経脱落症状は無しまたは軽度の痺れ、中等度(明白な痺れ・知覚低下)、麻痺(MMT3以下の運動麻痺)の3群に分類した。


手術法は罹患神経束が腫瘍と連続する場合は核出術を、神経束が腫瘍と剥離可能な場合は辺縁切除術を施行した。観察期間は平均6.8ヵ月であった。


発生部位は下腿、大腿、上腕の順に多く、罹患神経は大腿神経、脛骨神経、総腓骨神経の順に多かった。


術直後に中等度の神経脱落症状を14例(60.9%)に認めたが、術後平均5.7ヵ月で全例回復した。

また、術直後に運動麻痺を3例(13.0%)に認め、総腓骨神経発生2例、深腓骨神経発生1例で、最終観察時に2例(8.7%)でMMT2の麻痺が残存した。


術直後、最終観察時ともに神経脱落症状の発生と術式の違いに関連性は認めなかった。





う~ん、予想以上に術後の神経脱落症状の確率が高いことに驚きました。しかも約8.7%でMMT2の運動麻痺が残存しています。。。


やはり、麻痺が発生しやすいのは腓骨神経のようです。腓骨神経に発生した神経鞘腫では、細心の注意を払って手術を施行するべきであることを改めて認識しました。






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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







疼痛の少ない手指麻酔

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m3.comの臨床ニュースで興味深い記事がありました。
指切創処置に疼痛少ない局麻のコツ【JAAM 2017】です。




佐賀大学病院整形外科准教授の園畑素樹氏らが考案した皮線上皮下1回刺入神経ブロック法であれば、指の付け根辺りをつまみ上げて皮線上の皮下に局所麻酔薬を注入すれば効果は腱鞘内ブロック法と変わらないため、さらに疼痛の少ない方法で麻酔が行えるとの見解を示した


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私は、腱鞘内ブロック法を愛用していますが、園畑先生の手法は目からうろこでした。この手法では腱鞘内に注入する必要さえなさそうです。


私は、腱鞘内ブロック法ではバネ指で腱鞘内注射を施行する際に準じて、A1 pulleyに注射していました。よく考えたらA1 pulleyに注射する必要はないんですね。勉強になりました!





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