整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術の気付き

掌側プレート上に正中神経が・・・

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タイトル違いで恐縮ですが、拙書 医師の経済的自由 の増刷が決定しました! 今回は第3刷とのことで、本当にありがたいかぎりです。


医師としてのキャリアを楽しみながら経済的自由に到達する選択肢があることを、できるだけ多くの医師に知っていただきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。



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最近、立て続けに橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘術がありました。橈骨遠位端骨折の掌側アプローチは、さほど解剖学的に難しいものではありません。


しかし、抜釘では少し注意するべき点があるように感じたのでご報告します。通常、橈骨遠位端に掌側からアプローチする場合、FCRと橈骨動脈の間から進入します。


このため、橈骨動脈の存在には気を遣うものの、正中神経や長母指屈筋腱が術野に出てくることは、あまりありません。しかし、抜釘時には、進入路が瘢痕化して癒着しています。


実際のところは分かりませんが、内部が瘢痕化する過程で正中神経や長母指屈筋腱が瘢痕組織に引っ張られて、通常よりも橈側に偏移していることが多い印象です。


前回皮膚切開→進入路で展開していくと、思いがけずに正中神経が目の前(!)に出てきて、冷や汗をかく場面が何度かありました。


有るはずが無いと思っているモノが有ると、予想外の医療事故につながる可能性があります。橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘時には、正中神経に要注意だと思いました。





★★ 第3刷決定! ★★
 


当ブログ管理人書き下ろしの書籍が、中外医学社から発刊されました。「経済的に自由な医師」になることで、医師としての充実感と経済的成功を両立できる道があります。


本著では、資産形成論とマインドを学ぶことができます。具体的な手法は勤務医のための資産形成マニュアルに譲りますが、医師に特化した資産形成の入門書として是非ご活用ください!




161228 【書影】医師の経済的自由







ヘパリンロックは結構危険

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HITをご存知でしょうか? HITとは、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の略称です。第一三共のHPに分かりやすく記載されています。


HITの発症頻度は0.5~5%程度であり、ヘパリンが投与される全ての患者さんに発現する可能性があります。HITを発症すると、致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があります。


HITの発症機序は、ヘパリンと血小板第4因子の複合体に対する自己抗体(HIT 抗体)が産生されてしまい、その抗体の作用により血小板減少が発生します。


HIT発症に気付かずにヘパリン投与を続けると、動脈や静脈の血管を閉塞させて致死性の血栓塞栓症を合併する可能性が高まります。


ヘパリン投与中止でHITは改善します。そして抗凝固療法に関しては、代替薬を投与することで継続します。


日常臨床では、ヘパリンをヘパリンロックの際に使用している施設が多いと思います。しかし、HITを発症すると致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があるので注意が必要です。


このため、ヘパリンロックから生食ロックに変更する施設が増えてきているそうです。仮にルートが詰まっても、末梢ルートでは入れ替えるだけです。


ヘパリンロックを施行してHITから致死性血栓塞栓症を合併するよりは、多少ルートが詰まっても生食ロックに変更する方が望ましいのではないかと思います。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








高度動脈硬化はターニケット効かず

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先日、透析患者さんの橈骨遠位端骨折に対して掌側プレートを用いた手術を施行しました。幸い、非シャント側だったのですが、思わぬところで足をすくわれました。。。


普通にエスマルヒを巻いて、ターニケットを250mmHgに設定しました。いざ手術が始まると、皮膚切開の段階から結構な出血がありました。


上肢静脈内の血液をエスマルヒで十分に排除できていなかったのかな? と呑気に構えていましたが、方形回内筋を切離すると、筋肉内血管から動脈性出血があるではないですか!


えっ~と、ターニケットしてますよね、と確認しましたが、しっかり圧はかかっています。それにも関わらず動脈性の出血がありました。


動脈性出血もあるものの、メインは静脈血によるoozingです。10秒ぐらいで皮膚上に溢れるぐらい凄い勢いで出血しています。ターニケットは完全に鬱血帯になっているようです。


仕方なくターニケットを解除するとoogingはましになりましたが、動脈性の出血は止まりません(当たり前)。これはマズイなということで、急いでプレート固定を終了しました。


おそらく動脈硬化のために、いくら駆血圧を高くしても動脈腔が閉塞しないのでしょう。透析おそるべしです。


次への参考になることは何か無いかなと考えましたが、はっきりとした対策は思いつきません。透析歴の長い患者さんでは、できるだけ手術を回避することしか対策はなさそうです。


そうは言っても回避できない手術は多いです。そのような場合、透析患者さんでは動脈硬化のためにターニケットが役に立たない可能性があることを念頭に置く必要がありそうです。




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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








Rhマイナスで予想外のプレッシャー

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先日、大腿骨転子部骨折の患者さんの手術がありました。
普通の骨折型で、高齢者であること以外は特に全身状態も悪くありません。


ありふれた骨折ではあるものの、今回は非常に緊張感をもって手術に臨みました。その理由は患者さんの血型が、AB型のRhマイナスだったからです。。。


だいたい私は、高齢者の大腿骨転子部骨折では当日手術を心掛けています。このため、検査依頼と手術申し込みは同時進行が多いのですが、今回は血型でつまづきました。


血液センターからは、当日中の血液確保は難しいとの回答がありました。常識的に考えて術中に輸血せざるを得ない状況はめったにありません。


しかし、手術とは何が起こるか分からないモノです。退路の確保(この場合はMAP-CRCの確保)をせずに手術に臨むことは、危険な行為だと判断しました。


しばらくして血液センターから連絡があり、当日午後にAB型のRhマイナスの血液を確保できることになりました。


あ~、良かったと思って手術に臨みましたが、何故か緊張感がいつもと違います。AB型のRhマイナスは、意外なほどプレッシャーがありました。。。


まず無いとは思うものの、予想外に大出血して輸血が必要となった時に退路は無いです。そのような思いが頭の片隅にあるので、簡単な手術なのに汗をかきました。


ちょっと大袈裟かもしれませんが、ビルの上に架けた鉄骨の上を歩くような感覚なのかもしれません。う~ん、我ながらチキンですね(笑)。







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スパイクワッシャーは過去の遺物?!

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先日、足関節脱臼骨折の手術を行いました。
今回の症例は、前下脛腓靱帯の脛骨側に大きな裂離骨片がありました。



1 - コピー




さすがにここまで大きいと無視するわけにはいきません。しかし、大きいと言っても実際のサイズは10㎜もないため、固定方法をどうするかが問題となります。


裂離骨片は薄くて割れている可能性もあります。そのような場合、裂離骨片上の靭帯成分ごと母床に固定することが望まれます。


そのためにはスパイクワッシャーが望ましいのではないかと考えて発注したのですが、現在スパイクワッシャーを製造しているメーカーはほとんど無いとの返答がありました。


ええっ、スパイクワッシャーってそんなに出ないものなの? と驚きましたが、更に探してもらうと、メイラが販売していることが判明しました。




2 - コピー




術後の単純X線像はこんな感じです。ちょっと分かりにくいですが、前下脛腓靱帯性の裂離骨片はしっかり母床に固定されています。


スパイクワッシャーがほとんど製造されていないことには驚きましたが、このような小さな裂離骨片の内固定は、皆さんどうしているのでしょうか?








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