整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術の気付き

異常症例は内固定材料サイズに注意!

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先日、いわゆるオムツ骨折と思われる大腿骨転子部骨折に遭遇しました。
この手の骨折の治療は本当に難しいです。


オムツ骨折に関しては、比較的高率にインオペ症例が含まれている印象です。しかし、最終的に手術施行可能か否かは、麻酔下でしか判断できないことが多いです。



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今回の症例の術前単純X線像です。何だかあまりみたことの無い転位です。骨膜が破綻していることは確実ですが、これだけでは骨折部の状態を正確に評価することはできません。


全身麻酔下に牽引しようとして驚きました。左股関節・膝関節が拘縮してあまり動かないのです。一応、手引き歩行していたとの情報ですが、かなり高度の粗鬆骨です。


しかも、側面像をみると、どうやら大腿骨頚部が後捻しています。しかも、おおよそ60度ほども転位しているようです。いったいどうなっているんだ???


骨膜連続性が破綻しているため、何をしても全く整復できません。う~ん、これはまたしてもインオペか・・・ 30分ぐらい格闘していると、ほんの少しだけ整復(?)されました。


これはイケルかも! しかし、ここで早まってはいけません。このような通常と異なる症例では、準備しているインプラントで本当に対応できるのかを確認する必要があります。


今回の症例に関しては、かなりの転位が残存しているので、ラグスクリューが非常に短いことが予想されました。計測すると75mmでした。ギリギリ最短サイズです。



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恐る恐る手術を開始すると、何とか75mmで対応可能でした。しかし、薄氷を踏む思いです。術前に計測していなかったら、術中にパニックにをおこした可能性もあります。


今回の症例のように、通常と異なる場合には、インオペを回避できると思っても本当に準備しているインプラントサイズでOKなのかを確認した方が良いと感じました。







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THA: 大腿骨頚部骨切りの工夫

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先日、久しぶりに大学の先生の人工股関節全置換術(THA)に入ったのですが、大腿骨頚部骨切りの工夫を教えていただきました。


大腿骨頚部骨切りの位置決めは、意外と難しいと思います。特に後方系の侵入では大腿方形筋が邪魔になって、小転子からの距離がイマイチよく分かりません。


私は、今までは下記のような手法で骨切りの位置を決定していました。

  • head-neck junctionからの距離
  • 大腿骨近位の形状
  • 大腿骨頭先端からの距離
  • エレバトリウムを頚部後方に沿わせて小転子まで挿入して距離計測



しかし、いずれも正確性に欠けていることが難点でした。何か良いアイデアは無いかな? と思っていたのですが、興味深い工夫をお伺いしました。


その工夫とは、カップのデプスゲージを流用して小転子からの距離を測ることです。なるほど、確かにデプスゲージなので、アバウトですが距離の計測が可能です。


術中に試してみましたが、割と小転子の膨隆をよく触知できて計測の再現性があります。術中13mmに対して、術後X線では16mmでした。


少し微妙な感じではありますが、大ハズレはなさそうです。しばらく、この方法で大腿骨頚部骨切りをしてみようと思います。








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KneeAlign2をうまくキメるコツ ②

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。
私は、術中ナビゲーションとしてKneeAlign2を使用しています。


KneeAlign2のレジストレーションに関する気付きがあったのでご紹介します。以前、こちらKneeAlign2のレジストレーションを上手くする方法を紹介しました。


しかし、実際にはそれだけでは十分とは言えません。
KneeAlign2のレジストレーションをスムーズに行うもう一つの方法は、元の場所に足部を戻すことです。


何だ、当たり前じゃないか! と思う先生が多いと思います。 同じ場所に足部を戻すことは、
KneeAlign2のレジストレーションの常識ですね(笑)。



同じ場所に足部を戻す工夫としては下記の2つがあります。

  1.  あらかじめ、膝関節軽度屈曲位で足部が接地する場所に砂嚢を置いておく
  2.  清潔シーツの上に皮膚ペンで足部の位置をマーキングしておく



実際には、この両者を併用することで成功率が高まると思います。つまり、膝関節軽度屈曲位で足部が接地する場所に砂嚢を置いて、清潔シーツ上にマーキングしておくのです。


その場所に、レジストレーション後に素早く足部を着地させることによって、一発でKneeAlign2のレジストレーションが決まる可能性が高まります。






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カルカーの噛みこみ解除法

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先日、新任医師の大腿骨転子部骨折の手術を見学しました。
経験年数は申し分ないのですが、初回手術だったので見に行きました。


骨折部が末梢側に噛みこんでいて、カルカーの皮質骨がコンタクトしていません。このまま骨接合してもそんなに問題ないのですが、この医師は下記の方法で整復しました。


  1.  牽引手術台を一旦弛めて、患側股関節を最大外転
  2.  牽引しながら、再び患側股関節を内転



この一連の操作でカルカーの噛みこみが解除されて、良好な整復位を得ることができました。なかなか素晴らしい方法です。


別の医師と話しをしていると、この手法は比較的オーソドックスであることが判明しました。どうも知らなかったのは私だけのようです。。。


勉強不足と言ってしまえばそれまでですが、やはり他施設の医師と一緒に働きだすと、今までと違ったやり方を学べて勉強になります。


数か月すると同化してしまい、学べることが少なくなるのですが、異動の時期は新たな学びの時期でもあると感じました。






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MISラスプハンドルは沈下の原因?

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先日、POLARSTEM(Smith&Nephew)のTHAがありました。ご存知の方も多いと思いますが、POLARSTEMは骨粗鬆症が高度の患者さんにも使用可能なことがウリのステムです。



しかし、POLARSTEMであってもステム沈下が発生することがあります。業者の方いわく、その原因のひとつとしてオフセットのついたラスプハンドルが考えられるとのことです。


ラスプハンドルにオフセットがついていると、ステムに伝わるハンマーの叩打力が減弱するため、ステム挿入が中途半端に終わってしまう可能性があるそうです。


このことが原因で、特に骨粗鬆症が高度の患者さんでは、ステムの沈下を散見するとのことでした。ちなみにこの現象はPOLARSTEMに限らず、他のメーカーでも見受けられます。


対策は、オフセットの強いラスプハンドルの使用を、できるだけ避けることです。では、オフセットの強いラスプハンドルしか無い場合にはどうすればよいのでしょうか?


その際には、ファイナルインパクションの際に、一旦ラスプハンドルを外してステム肩部をガーゼ等で保護した上で、ステムを直接叩打する手法を試みましょう。






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