整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

大腿骨

駄ネタ:セメントのカウントに集中して!

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先日、セメントの人工骨頭置換術がありました。
セメントを使用する際には30秒毎にカウントしてもらっています。


私の施設では、だいたい3分~3分30秒でセメントを充填開始することが多いです。このため、3分台に突入した時から緊張感が増します。


もちろんセメントガンの先端からセメントを少し垂らして粘度を確認しながらセメントを充填するタイミングを決定しています。


しかし、手術室看護師がカウントしてくれるセメントにモノマーリキッドを注入開始してからの時間も大いに参考にします。


先日の人工骨頭置換術では、ちょうど
モノマーリキッドを注入開始してから3分で病棟から内線がかかってきました。


そしてあろうことか、時間をカウントしている看護師がその電話に対応したのです! セメントのカウントをしている人が、いきなり病棟対応をしだしたので私は非常に焦りました。


正直言って、どうでもいい内容の問い合わせだったのですが、そのためにセメントのカウントが完全に止まってしまいました。


整形外科医的な常識ではちょっとありえない状況なのですが、いくら説明しても病棟対応の方が重要と感じたらしく、一向にセメントのカウントを再開しません。


やむを得ず、だいたいの感覚でセメントを充填したので事無きを得たのですが、セメントのカウントはそれだけに集中してほしいと心の底から思った出来事でした。







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reverse obliquityの内固定選択は?

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先日、大腿骨転子下骨折(reverse obliquity)の手術がありました。reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はご存知のように難しい骨折です。


大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)では、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はすべての転子部・転子下骨折の5%の頻度です。



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不十分な整復や不適切なインプラント選択によって手術成績は不良になる傾向にあります。ガイドラインでは、short femoral nail(Gammaタイプ)とCHSは非推奨です。


確かに、普通に考えてshort femoral nail で十分な固定性を得られるとは到底思えません。では、どのような内固定材料を選択すればよいかと言うと難しい問題です。


候補としては、long femoral nail(Gammaタイプ)が挙げられます。しかし、この内固定材料の難点は、ネイル径とネイル長にバリュエーションが無いことです。


あまり選択肢が無いため、症例にかかわらずほぼ決め打ちにならざるを得ないのが最大の問題点だと思います。


しかし、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折では、消去法的にいくとCHSも含めてlong femoral nail(Gammaタイプ)しか選択の余地が無いです。なかなか悩ましいですね。








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どこまでリスクテイクするべきか?

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先日、超高齢者の大腿骨頚部骨折がありました。
Garden分類は stage 1 なので骨接合術の適応があります。


この方は救急搬送時から呼吸状態がイマイチでした。超高齢者で呼吸状態がイマイチな症例では、肺炎・心不全・肺塞栓症などを疑う必要があります。


この方の場合、胸部レントゲンや CT で肺炎像は明らかではなく、また胸水貯留もありませんでした。一方、血液生化学所見では WBC/CRP 12000/2.3 でした。


大腿骨頚部骨折だけで白血球数が1万を超える可能性は高くなく、呼吸状態のイマイチさを考えると肺炎を併発しかけているのかもしれないということが頭によぎりました。


このようなケースでは同日手術を敢行するのか、はたまた少し状態を観察するのがよいのかは判断に迷うところです。


何が起こっているのか分からないので、少し状態を観察するという選択肢が無難に思えました。この症例では手術を2日後に設定しました。


ところが呼吸状態はその後悪化していき、2日後の胸部レントゲンでは肺炎像が明確になりました。後追いで考えると同日手術を敢行しておく方が良かったようにも思えます。


もちろん全身麻酔での手術なので、術後に呼吸状態が悪化した可能性もおおいにあるため、本当にこの判断が正しいのかどうかはわかりません。


ただ術後の呼吸不全併発リスクに捕われて、手術を施行する機会を逸した可能性もあると考えています。 このあたりの判断は何が正解なのかはわかりません。


主治医が患者さん家族の批判を許容してリスクテイクするのは吉か凶なのか??? 初療での判断は、重要なポイントのひとつだと考えています。






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ハンソンピンのピットフォール

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先日、大腿骨頚部骨折に対する手術がありました。

選択した内固定材料は、ハンソンピンです。


ハンソンピンによる骨接合術は、非常にオーソドックスな手術だと思います。しかし、思わぬところで足をすくわれたので、その pitfallを共有したいと思います。


イメージを見ながら、普通にハンソンピンを挿入したのですが、中枢側のピンが80mm、末梢側のピンが100mmでした。2本の長さの差は、20mmもあります。


通常、2本のピンの長さの差は、10mm もしくは15mmしかありません。しかし、なぜか今回は、20mmと比較的大きな差ができてしまいました。


少しおかしいな? と思ったものの、術中イメージはそれほど問題無いという判断で手術を終了しましました。


ところが、その術後単純X線像を確認すると、中枢側のピンが少し短いのです。中枢側のピンが、あと5mm長ければ通常の術後単純X線像です。


しかし、中枢側のピンが5mm短いため、やや不細工な術後単純X線像になってしまいました。おそらく術後成績にはあまり関係ないとは思いますが、何となく格好悪いです。


2本の長さの差が20mm以上では、中枢側のピンが少し短い可能性があります。このような場合には注意が必要かなと感じました。





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レビュー: NCBプレート(大腿骨側)

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先日のZIMMER BIOMETのNCB Proximal Tibiaのレビューに引き続き、今回は大腿骨骨折用の
NCB Periprosthetic FemurおよびNCB Distal Femurをレビューしてみます。




NCB Periprosthetic Femur


このプレートも、ポリアクシャルなロッキングスクリューを使用可能です。更にケーブルシステムとの併用も可能なので、現時点では最強の固定力を期待できます。


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パッサーなどのデバイスも洗練されていて、人工関節周囲骨折時の条件の悪い術野でも、さほどストレスなく手術を施行することができます。


そもそも、人工関節周囲骨折自体があまり遭遇したくない外傷ですが、これだけ人工関節が普及していると避けることはできません。


受けざるを得なくなった人工関節周囲骨折の際には、
ZIMMER BIOMETのNCB Periprosthetic Femurが第一選択に挙がってくると思います。






NCB Distal Femur


こちらはTKA後の大腿骨顆上骨折や、通常の大腿骨顆部骨折で適応となります。もともとはシンセスのdistal femur plateが定番でした。


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しかし、ポリアクシャルなロッキングスクリューが使用可能なことを武器にしてシェアを食っているようです。たしかにスクリューを挿入する角度に自由度があるのは良いことです。


こちらも弱点らしきものが見当たらないのですが、唯一の欠点は従来型のロッキングスクリューと異なり、locking capsを締める手間がひとつ多いことです。


スクリューをたくさん挿入すると、locking capsを締める手間は結構バカになりません。しかも、トルクレンチはかなり固い。。。全部締めると筋肉痛を残しそうです(笑)








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