整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

膝関節

脛骨高原骨折による HTOその後

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先日、脛骨高原骨折後の患者さんを診察しました。
こちらの症例なのですが、80歳台の受傷で当初は不顕性骨折でした。


骨粗鬆症で定期的に通院しているのですが、最近少し膝関節内側痛が出現したとのことで久しぶりに単純X線像を撮像してみました。



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こちらが2年前の画像です。脛骨外側関節面が少し陥没してしまっています。しかし、ちょうどHTOを施行したような感じになっており、内側への負担が軽減しています。


このためか、骨折する前には痛かった左膝関節内側部痛が消失していました。そして2年経過して、最近少し左膝関節内側が痛くなってきたので撮影してみました。



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外側・内側ともほとんどOAは進行していないように見えます。決して狙ってできるものではないですが、高齢者の軽度の脛骨高原骨折ではこのようなパターンもあるようです。






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中高年者に関節鏡は施行するべからず

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先日、50歳前半の患者さんが膝関節痛で受診されました。数年前に半月損傷で反対膝の鏡視下半月切除術を受けたところ、調子が良いので今回も関節鏡をしてほしいとのことでした。


診察したところ、McMurray testなどは陰性でした。MRIでは内側半月損傷を認めるものの、外傷というよりも変性を疑う所見です。


以前に、中高年者の膝の痛みに対する関節鏡手術の効果はわずかという論文を読みました。あれ以来、中高年には余程のことが無いかぎり関節鏡手術を施行しないようにしています。


膝の痛みがあり、半月損傷が認められる場合には早期OAと考え、膝OAのガイドラインに従って保存治療から開始すべきだと考えています。


研修医のころは、中高年者であっても半月損傷があれば、かなりの確率で関節鏡手術を施行していました。術後半年ぐらいは調子いいですが、その後は元に戻る印象でした。


自分自身の経験を踏まえてみても、やはり中高年者に関節鏡手術は施行しない方が望ましいのではないかと考えています。






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ファベラについてのまとめ記事

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
アジア人に多い腓腹筋頭の種子骨とは? です。以下要約します。


  • 1918~2018年の100年で、ファベラを有する人は約3.5倍に増加した
  • ファベラを持つ人が増えている要因は、世界的な栄養状態の改善にある
  • ファベラを持つ人はアジアで最も多く、次いでオセアニア、南米、ヨーロッパ、中東、北米、アフリカの順であった
  • ファベラは70歳前後の高齢者に多く、加齢とともに形成されていく
  • ファベラを持つ人のうち72.94%が両膝性


う~ん、なるほど勉強になります。ファベラは、ご存知のように腓腹筋外側頭に存在する種子骨です。TKAの際に大きなファベラがあるとつい深追いしたくなりますね(笑)。


ファベラに臨床的意義は乏しいと考えられているものの、腱結合骨なので摩擦・緊張・ストレスなどの機械的刺激に反応して大きくなります。


今回仕入れた知識は、TKAの術中の雑談に使おうと思います。ファベラについて語ってもあまり面白くないかもしれませんが...。






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変形性膝関節症の薬物治療戦略

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Monthly Book Orthopaedicsの5月号は、整形外科医が知っておきたい薬の知識 -私はこう使う- です。


手術治療と異なり、保存治療は一人で行うため独善的になりがちです。私はこのような落とし穴に陥らないために、可能な限りいろいろな知識を吸収するように心掛けています。


さて、今回は変形性膝関節症の治療をまとめました。OAの痛みを制するには、関節軟骨に感覚神経は存在せず、軟骨以外の組織由来の痛みであることを理解することが重要です。



【急性期】
  • 滑膜炎 → NSAIDs、ヒアルロン酸製剤の関節注射
  • 骨髄浮腫 → ゾレドロン酸(リクラスト)、足底板などによる荷重負荷軽減


【慢性期】
  • 中枢性感作 → 中枢性鎮痛薬(デュロキセチン、トラマドール)



デュロキセチン(サインバルタ)は少し使いにくい薬剤ではありますが、プロスポーツ選手では愛用者も多いそうです。


私の外来ではNSAIDs、ヒアルロン酸、トラマドールに偏りがちですが、急性期・慢性期の3つの原因のどれによる痛みなのかを判断して治療する方式に変更しようと思いました。







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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








大腿四頭筋の筋委縮

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大腿四頭筋の筋委縮は日常臨床でよくみる病態ですが、その原因を廃用性筋萎縮と考えていました。しかし、実際には廃用性筋萎縮だけではなくさまざまな原因があるそうです。


大腿四頭筋萎縮をきたす原因として下記の4つが挙げられます。これについては膝関節靱帯再建術のプロであるフリーランス医師の作り方 ブログ主先生に教えていただきました。


  1. 疼痛や不安定性により廃用性筋萎縮をきたす

  2. 関節の腫脹や疼痛には、大腿四頭筋の収縮を抑制するメカニズムがある

  3. 十字靭帯内に存在するセンサー(運動神経に繋がっているもの)が靱帯断裂によって破壊されることで大腿四頭筋の収縮が抑制される

  4. 前十字靱帯損傷では大腿四頭筋収縮が前方不安定性を惹起するため、大腿四頭筋に収縮抑制がかけられる



なるほど、廃用性筋萎縮以外にも原因があるのですね。正直言って②~④は存在さえ知りませんでした(苦笑)。


自分の不勉強さを反省するとともに、常識的(?)なことであっても親切に教えてくださったフリーランス医師の作り方 ブログ主先生、ありがとうございました!







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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






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