整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

膝関節

レビュー: NCBプレート(脛骨側)

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先日、脛骨高原骨折の手術がありました。
split depression typeの骨折では、昔はシンセスのL型バットレスプレートが定番でした。


しかし、このプレートは日本人の骨に全く適合しておらず、非常にストレスフルな内固定材料です。そして、最近では各社がアナトミカルなプレートを発売しています。


今回はZIMMER BIOMETのNCB Proximal Tibiaを使用したのでレビューしてみます。このプレートの特徴は、ポリアクシャルなロッキングスクリューを使用可能なことです。



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ポリアクシャルなロッキングスクリューを使用可能なことはNCBシリーズの特徴なのですが、これはかなり有用だと思います。


ポリアクシャルを可能にしている関係で、さすがにプレート自体はかなりバルキーなのですが、アナトミカルな形状なのでその欠点をかなり減少させています。


脛骨高原骨折であれば、ほぼどのような骨折型にも対応できるので、かなりいい感じです。顆部の整復鉗子やボーンインパクターも工夫されており、使用感はとても良かったです。



ただし、このプレートには致命的な欠点があります。それは、サイズバリエーションが最短5穴であることです。全長13cm以上もあり、どう考えても長すぎます。


MIPOで施行すれば関係無いという話もありますが、プレートが長いと脛骨の軸方向の調整が難しくなるため、要らぬ神経を使います。


せめて3穴プレートがあれば、ベストに近い内固定材料だと思います。この点だけは非常に残念です。ZIMMER BIOMET社には、ラインナップ追加を強く望みたいところです。





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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








膝関節痛の原因は病期で異なる!

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今日は変形性膝関節症の話です。
単純X線像での評価は、1957 年に発表されたKellgren-Laurence(KL)分類が有名です。


結構アバウトな分類ですが、そのアバウトさとシンプルさが受けて、未だにメジャーな評価方法として生き残っているのかもしれません。


さて、膝関節痛の原因は、KL分類 grade1~2とgrade 3~4では異なります。それぞれの原因は下記だといわれています。

  • KL分類 grade1~2: IL-6
  • KL分類 grade3~4: AAA(anatomical axis angle、下肢アライメント)


つまり、変形性膝関節症の疼痛は、初期はIL-6などによる炎症が主体ですが、病期が進行するにつれて生体力学的異常が関与するようになるのです。


TKAを施行する患者さんでも、関節水腫がさほどきつくない方は比較的多いです。それよりも、O脚などの下肢アライメント異常の患者さんの割合が高いことも頷けます。






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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






脛骨高原骨折がHTOに?!

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先日、ちょっと微妙な症例を経験しました。
80歳台の脛骨高原骨折で、当初は不顕性骨折でした。


膝関節血腫があったのでMRIを施行したところ、受傷後2週目に脛骨外顆関節面直下の骨折があることが判明しました。



活動性の低い80歳台の小柄な患者さんだったので、少し悩みましたが部分荷重(杖使用)で様子をみることにしました。




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上記が骨癒合後の画像ですが、脛骨外側関節面の陥没を軽度認めます。最後の診察で、う~んと唸ってしまいましたが、ご本人は特に膝関節の疼痛が無いとのことです。


よく考えると、もともと膝関節の内反型OAがあったので、今回の脛骨高原骨折で立位のFTAが正常化している可能性があることに気付きました。


自然にHTOを施行したことになったのでしょうか??? もちろん、関節面の不適合や不安定性が発生した可能性はあります。


しかし、疼痛なく普通に歩いているので、今回に関しては結果オーライでした。狙ってできるものではないですが、こういう治療方法(?)もアリなのかと思いました。







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ACL再建術後の伸展制限

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鏡視下前十字靱帯再建術後の問題点として、膝関節の伸展制限が挙げられます。その要因のひとつとして、脛骨ACL停止部前方に形成された滑膜・瘢痕組織があります。


この部分に瘢痕組織が形成されると、膝関節伸展時に大腿骨顆部のグルーブに当たって伸展制限の原因となることがあります。


私が所属する施設では、鏡視下前十字靱帯再建術後1年で抜釘術(半腱様筋腱使用・エンドボタン)および鏡視をルーチンとしています。



先日、ACL再建術後の患者さんで、僅かに伸展制限が残っている方の鏡視を行いました。鏡視所見としては、脛骨ACL停止部の前方には特に瘢痕組織形成を認めませんでした。


同じ病院にACL再建術のスペシャリストが居るのですが、ACL再建術後に伸展制限が残存する症例では、この部分を重点的に確認して、必要に応じてシェービングするとのことです。


私はラーニングカーブの問題で、早々にACL再建術のスペシャリストへの道を諦めましたが、同じ病院で他の分野のスペシャリストが居ると本当に助かります。





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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










DMOADsってご存知でしょうか?

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DMOADsってご存知でしょうか?disease-modifying osteoarthritis drugの略で、日本語で言うと疾患修飾性作用薬です。


DMARDs(disease modified anti-rheumatic-drugs)は疾患修飾性抗リウマチ薬で有名ですが、DMOADsは初めて聞きました。


単に変形性関節症の炎症を抑えるだけではなく、関節の構造自体に作用して、病気の進行を遅らせることができる薬を、DMOADsと分類しようという動きが出ているそうです。


具体的には、グルコサミンがDMOADsの候補薬です。怪しげな健康食品ではなく、科学的にプラセボに対して有意に効果に差があることを示すことが前提条件です。


現時点では、DMOADsとして臨床応用されている薬剤はありませんが、軟骨の詳細な質的・形態的評価が可能なMRI撮像技術の進歩に伴い、注目されているようです。


実際、今までは単なるサプリメントとみなされていたモノが、本当にDMOADsとしての効果があることがあきらかにされつつあります。


現時点では、まだ完全に科学的に立証されているわけではないのですが、この領域でも将来的には新しい薬剤が登場するかもしれませんね。実に不思議な感覚です。






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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








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