整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

膝関節

TKAでもドレーン非留置に挑戦!

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。
私は人工股関節全置換術ではドレーンを留置していません。


ドレーンを留置しないと、手術中にドレーンを留置する手間が省けることと、
コメディカルも含めて術後管理が楽になります。


ドレーンを留置しないことのデメリットとして感染率の増加が考えられますが、渉猟し得た限りでは、感染率が上昇するという論文を見つけることはできませんでした。


以前にこちらでもご紹介したように、 THA においては、むしろドレーン非留置を推奨している論文が多いようです。



一方、 TKA に関しては、こちらでご紹介したように、ドレーンを推奨する論文は THA ほどありませんでした。ニュアンスとしては可もなく不可もなくといったところでしょうか。


このため THA はドレーンを留置していますが、TKA はドレーン留置を続けていました。ところが、いくつかの施設で TKA でもドレーンを留置しない施設があると聞きました。


私も思い切ってドレーン非留置にしてみました。ドレーンを留置しなかった症例は、ドレーン留置と比べてさほど変化はないというのが第一印象でした。


危惧していた術後の膝関節血腫も、ドレーン留置例と比べて著明に多いイメージはないです。 むしろ創部からの出血がないため、外観上の創状態は良好に見えます。


更にドレーンが無いので動きやすくなり、離床が早く進む印象もあります。私は抗生剤含有セメントを利用しているので、感染対策でもドレーン非留置の方がいいのかもしれません。






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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






ステロイドの関節内注射

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ステロイドの関節内注射は、作用時間が短いものの除痛性に優れるため、昔から変形性膝関節症の保存治療のひとつの選択肢として用いられてきました。


しかし、日本整形外科学会のOARSI勧告に基づくガイドラインによると、
効果が短期間であることと、頻繁には使用しない方がよいという理由から推奨度Cです(推奨度A~D)。


更に、OARSIでは年に4回までにとどめることを勧告しています。ステロイド関節内注射群と対象群を2年間比較すると、0.1mm軟骨が薄くなったという報告もあるそうです。


私は、OARSIのヒアルロン酸製剤の関節内注射に対してはdisagreeなのですが、ステロイドの関節内注射に対する制限に関しては全く同意しています。


ステロイドはヒアルロン酸製剤と比較すると短期的な効果は優れていますが、石灰化、皮膚萎縮、感染などさまざまな合併症が生じるので頻回使用は厳に慎むべきでしょう。


ただし、どうしてもステロイド関節内注射を施行せざるを得ない場面があることも事実です。臨床的にステロイド関節内注射が著効しそうなのは下記のケースだと思います。


  • 若年者
  • 画像上の変形が少ない
  • 可動域制限無し



ステロイド関節内注射の頻回使用は合併症の観点から避けるべきではあるものの、症例によってはメリハリをつけて使用することもアリかなと考えています。







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海外ではヒアルロン酸製剤は非推奨?!

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膝関節の外来治療の柱のひとつに関節内注射があります。長年、私も膝関節に対する関節内注射を施行してきました。



しかし、ヒアルロン酸製剤の関節内注射に対する推奨強度(SOR)が、OAの国際学会であるOARSI (64%)と日本(87%)とで、大きく異なっています。


このことについて、京都府立医科大学・学内講師の井上裕章先生の講演を拝聴して初めて知りました。う~ん、これにはびっくりです。


井上先生は、海外では末期OAに対してヒアルロン酸製剤を使用するのに対し、本邦では初期OAから使用していることが原因ではないかとおっしゃられていました。


私の肌感覚として、やはりヒアルロン酸製剤は変形性膝関節症に対して、ある一定程度の効果は見込める印象です。


欧米の研究では、ヒアルロン酸製剤の変形性膝関節症に対する効果は限定的とのことでしたが、治療習慣の違いと判断して関節内注射は継続しようと思います。






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BMLは変形性膝関節症の増悪因子

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変形性膝関節症は、単純X線像で診断されることが多い疾患ですが、 MRIの普及によってbone marrow lesion (BML)と呼ばれる病態が明らかになりました。



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BMLは、MRIにおいて骨髄内の T1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号をきたす信号変化です。BMLは、骨粗鬆症と変形性膝関節症との関連で注目されています。


膝関節は、変形性関節症が進行する過程で、ごく小さな骨壊死が頻回に発生していると言われています。この過程は、股関節の大腿骨頭壊死症とは大きく異なります。


最近では、膝関節骨壊死症は、軟骨下骨挫傷によって二次性に発生する骨壊死である可能性が高いと考えられています。つまり、この骨壊死がMRIで軟骨下骨に認められる BMLです。


BMLは軟骨下骨の骨挫傷なので、骨粗鬆症が進行すると併発するリスクが増加します。このため、変形性膝関節症の進展を予防するためにも、骨粗鬆症の治療が重要となります。


私は、変形性膝関節症と骨粗鬆症は関係の無い病態だと考えていましたが、BMLのことを考慮すると、変形性膝関節症の患者さんには積極的に骨粗鬆症の治療も行おうと思いました。






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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








脛骨の不顕性骨折

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先日、80歳台女性が左膝関節部痛で初診されました。
5日前から突然痛くなってきたようですが、特に外傷の既往はありません。


いつも通りに膝関節のOAだろうなと思って診察すると、意外にも関節水腫はみとめませんでした。そして、脛骨近位内側部を中心に軽度の腫脹・熱感を認めます。



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単純X線像では明らかな異常はなさそうですが、脛骨近位内側部にかなりの圧痛があります。何度も触診しましたが、膝関節内側関節裂隙の圧痛はさほど無さそうです。



かなり痛がっているので、疼痛の原因をはっきりさせておきたいと思いました。無理を言ってMRIを施行してもらったところ、やはり有りました!



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脛骨近位内顆骨折です。非外傷性のいわゆる不顕性骨折ですね。関節リウマチの患者さんで何名か診たことはあるのですが、普通に歩いている方では初めて診ました。


YAMを計測したところ50%でした。典型的な不顕性骨折です。さしあたって免荷指示して外固定は無しで経過観察することにしました。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








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