整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

古くて新しいアセトアミノフェン

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先日、患者さんからアセトアミノフェンについて訊かれたので少し調べてみました。ご存知のように、アセトアミノフェンは古くからある薬です。


欧米では鎮痛剤・総合感冒薬として処方されていますが、日本では最近まで一日用量の上限が1500mgだったため、鎮痛剤として処方されることはあまりありませんでした。


このように鎮痛剤としての印象が薄いアセトアミノフェンですが、未成年においてはロキソニンのようなNSAIDsを処方しにくいので、アセトアミノフェンが第一選択となります。


しかし、患者さんの大多数を占めるのは成人です。これらの患者さんには NSAIDs やオピオイド製剤がたくさんあるため、アセトアミノフェンを第一選択で使うことはありません。


しかし NSAIDs は消化管障害や腎障害をきたしやすく、オピオイド製剤は嘔気や便秘などの副作用があります。そのような患者さんにはアセトアミノフェンが第二選択となります。


一方、アセトアミノフェンの副作用には肝障害があります。肝障害は高用量で長期間投与することによって併発する可能性が高まります。


したがって、肝機能異常の無い高齢者には、腎機能保護のためにアセトアミノフェン処方をもっと考慮してもいいのではないかと思います。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








C 型肝炎治療薬は人工関節より高価!

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先日、腰椎圧迫骨折の患者さんが救急搬送されました。手術適応は無いのですが疼痛のために身動きのできない状態だったので、そのまま入院していただきました。


問診を取って入院時検査をしようとした時にひとつの問題が浮上しました。この方は C 型肝炎だったのですが、ちょうど C 型肝炎治療薬マヴィレットで治療中だったのです。


しかも、マヴィレットを服用し始めて4週目でした。マヴィレットはアッヴィ社が販売している C 型肝炎治療薬ですが、極めて高額であることで知られています。


通常、8週間投与なのですが、薬価ベースでは406万円もします。著効率が 99% とのことで画期的な薬ではありますが、いかんせんとんでもなく高価な薬です。


そして、マヴィレットの治療は途中で終わらすことはできないそうです。ということは、このまま入院すると、マヴィレットの薬代は病院負担になるのでしょうか???


調べてもらうと、マヴィレットは出来高払いで対応できるとのことでした。万が一にも包括医療対応しかできないとなると、この患者さんを入院させると大赤字になってしまいます。


この件に関しては安堵したのですが、出来高払いになるので、この患者さんの売り上げがとんでもない金額になることが判明しました。


つまり、まだ4週間残っているので、 1ヶ月で 200万円もの売り上げになるのです。もちろん、売り上げが大きなだけで病院の利益はほとんどありません。


しかし、医師に対する病院の評価は売り上げで決まります。つまり利益をほとんど無いにもかかわらず、この患者さんの入院で人工関節を上回る売り上げが計上されるのです。


整形外科は手術をして、体を動かしてナンボの世界だと思っていました。しかし、マヴィレットによってその概念がぶち壊されました。なんだか複雑な心境ですね・・・






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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









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バロキサビルの適正使用法

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インフルエンザのシーズンに突入しています。病院には連日何十名ものインフルエンザ患者さんが押し寄せており、院内もインフルエンザウイルスが蔓延していそうです。


そんな危機的状況の中、2018年3月に上梓された新しいインフルエンザ治療薬であるゾフルーザ®(バロキサビル)が、初めてのインフルエンザシーズンを迎えます。


バロキサビルは、タミフル、リレンザ、イナビルなどのノイラミニダーゼ阻害薬とは異なる作用機序を持つ新規の抗インフルエンザ薬です。


このため、バロキサビルはノイラミニダーゼ阻害薬に対して耐性を示すウイルスに対しても有用な可能性があります。


そして、バロキサビルの特徴は単回投与であることです。このため、コンプライアンスに優れており、既存薬から急速に置き換わる可能性が高いと言われています。


もうひとつのメリットは臨床症状の改善効果だけではなく、ノイラミニダーゼ阻害薬よりもウイルス量を減らす力も強く、周囲への感染性が低下する可能性も示唆されています。


ここまでみると良いこと尽くしですが、バロキサビルで治療するとA型では10%程度が耐性化するそうです。ノイラミニダーゼ阻害薬は1~2%なので、大きな課題と言えます。


このため、変異ウイルスの出現がほとんどないB型のみへの処方、および入院中の重症患者さんへのノイラミニダーゼ阻害薬との併用使用が推奨されているようです。







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薬剤師との連携は難しい

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
疑義照会を受けた医師の本音はコレだ! です。


今回の記事は、精神科医師が薬剤師から疑義照会を受けてちょっと頭にきた4つの事例を 学会で発表されたようです。


それぞれのケースで、薬剤師の対応が精神科医師の診療を妨害している様子がよくわかります。精神科医師は、本来このように対応するべきだったという案を発表されています。


医師の立場で読んでいると「そうだよなぁ~と同感することが多いのですが、自分が薬剤師の立場では、そこまで医師から要求されてもちょっと無理筋であることに気付きました。


正直に言って、この精神科医師が行なっている治療内容を、整形外科医の私では全く理解できません(もちろん私の知能レベルの低さが要因かもしれません)。


薬剤師も専門医の診療について深いレベルで理解することは物理的に不可能だと思うのです。薬剤師は精神科の薬剤だけではなく、すべての診療科の薬剤に対応しています。


それにもかかわらず、すべての科で専門医と同レベルの知識を要求するのはちょっと難しいのではないでしょうか。


これを解決するには、医師が患者さんに説明した内容を薬剤師と共有できるシステムを創るぐらいしかないのではないかと思いました。






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生活保護に先発医薬品処方すると?

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先日、生活保護の患者さんとトラブルになりました。
トラブルと言っても直接対峙したのは調剤薬局です。


トラブルの内容は一般名処方についてです。ご存知のように2018月2年9日に政府が生活保護法の改正法案を閣議決定しました。


その内容は生活保護の受給者に対してジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用を原則として定めるというものです。医療資源の適正配分のためには妥当な法改正だと感じています。


2018年10月から施行となりましたが、無条件で高額な先発医薬品を享受していた生活保護患者さんの中には、ジェネリック医薬品への変更に対して強硬に反発する人がいます。


このような患者さんのひとりが調剤薬局で大暴れしました。困り果てた調剤薬局が病院に電話をしてきたのですが、病院としても法律に従うしかありません。


このため、この生活保護患者さんの威迫には応じず、あくまでも一般名処方という対応を採りました。その後、調剤薬局でこの患者さんがどうなったかは存じ上げません。


もし生活保護患者さんの威迫に屈して、調剤薬局がジェネリック医薬品ではなく先発医薬品を処方したらどうなるのでしょうか?


このことについて少し不安になったので、医事課に問い合わせてみました。私は、薬価差額は病院が負担するのではないかと予想していました。


しかし、予想外にも医事課の答えは国が負担するとのことでした。威迫に屈して先発医薬品を処方しても、現時点では医療機関自体が経済的な損失を負うことはないのです。


もちろん、生活保護患者さんの威迫に屈してはいけないとは思うのですが、このようなことが全国で多発していると思われますので、厚労省の対応を興味深く見守りたいと思います。






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