整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

関節リウマチ患者さんの術前休薬期間

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先日、母校の大学病院から関節リウマチ患者の THA症例をご紹介いただきました。すでに予定手術受入れ制限が発動されており、大学での手術が中止されたことが紹介理由です。


かなりの難症例なので、通常であれば大学病院での手術が望ましいのですが、コロナ禍で逼迫した医療情勢のため仕方ありません。


診療情報提供書をみると、関節リウマチに対しては MTX+ABT皮下注製剤でコントロールされているようです。


一応、私もリウマチ専門医ですが、術前の休薬期間どうだったっけ???と戸惑ってしまいました。たしか、MTXは継続投与、生物学的製剤は1ヵ月前ぐらいから休薬だったかな?


このような時に助けになるのは整形外科医のブログです(笑)。何と言っても当ブログは「自分の診療備忘録」として始めたので、自分の weak pointはたいてい網羅されています。


「生物学的製剤」で当ブログ内を検索とすると、すぐに下記がヒットしました。





この記事では、いかにも私が忘れていそうなことが詳細に記されていました。本当に忘れているところが笑えないのですが...。


ポイントは下記のごとくです。
  • MTX:12mg / 週以下では継続投与が望ましい。
  • 12mg / 週超では個々の症例で判断 生物学的製剤:半減期を考慮した休薬



ちなみに、ABT皮下注製剤は術前 2週間の休薬でした。診療情報提供書に記載されている推奨休薬期間とぴったり符合します。さすが、大学の先生...






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初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

肥満は痛風発症の手強い抵抗因子

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
痛風は生活習慣の改善で予防可能だが... です。


米・Massachusetts General HospitalのNatalie McCormick氏らは、医療従事者を対象に行われているHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)に登録された男性4万例超のデータを用い、生活習慣の改善による痛風発症の初発予防の可能性を検討。

その結果、正常体重、DASH食、禁酒、利尿薬不使用の4項目の達成により痛風発症の77%が回避可能であることが示されたとJAMA Netw Open(2020; 3: e2027421)に発表した。

ただし、肥満の男性では肥満を改善しない限り、他の危険因子を修正しても痛風の予防効果は得られない可能性が示唆された。



BMI 30.0以上の肥満患者さんには、生活習慣改善だけでは痛風発症を抑えることができなかったというところがミソですね。


肥満患者さん恐るべしです。しかし生活習慣を改善し続けていると、BMIも低下するような気はします。やはり生活習慣の見直しは重要なのでしょう。


外来診療では薬物治療に偏った治療が展開されがちです。まずは基本に戻って生活習慣の重要性と、過体重は禁物だということを患者さんには説明していこうと思います。






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ケナコルトでは屈筋腱断裂に注意!

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先日、薬剤部からケナコルトの消費期限が近づいてきているので、継続購入するべきか否かと聞かれました。ケナコルトと聞いて、私は一瞬ビクッとしました。


ご存知のようにケナコルトは、極めて強力かつ長時間効果が持続するステロイド剤です。効果が著明で切れ味抜群なのですが、私は可能なかぎり使用しないようにしています。


その理由は、ステロイド剤としての作用が強すぎて屈筋腱断裂を併発する可能性があるからです。ケナコルト使用後の腱断裂は変性が強いため再建に難渋してしまいます...。


ケナコルトの悪名のために使用していないこともあり、私は屈筋腱断裂をきたした症例を経験していません。しかし、間違ってケナコルトを使用しないようにいつも注意しています。


ところが、結構平気でケナコルトを使用する人がいるので内心冷や冷やしています。一層のことケナコルト採用を止めようと思いましたが、他科医師の反対で継続購入となりました。


う~ん、自分たちの身を守るためにも、少なくとも整形外科ではケナコルト使用を禁止にしなければいけませんね...。





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







長寿薬は身近に存在する(ニコチン酸アミド、メトグルコ)

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先日、週刊ダイヤモンドの書評に出ていた書籍を拝読しました。巷ではベストセラーで話題の書籍とのことでしたが、分厚くて読了するのに苦労しました。





なかなか興味深い内容ではありましたが、結論は本書の475ページに記載されている下記の3点に要約されます。
  1. NMN 1000mg/日を服用
  2. メトホルミン 1000mg/日を服用
  3. 1日のどれか1食を抜き、適度の飢餓状態(カロリー制限)を実践


この結論に達するまでの道のりが非常に長かったです(苦笑)。まぁ、いきなり言われても何のこっちゃ分かりませんが、なぜ重要なのかを延々と説明しているのが本書籍です。


人間に対するエビデンスは全く無いようですが、酵母菌では劇的な長寿効果がありました。長寿効果の源泉は、①NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)という物質の投与です。


長寿化には NADという補酵素が関与しています。NADが不足すると老化が進行するので、十分な量の NADを維持する必要があります。そして NADの原材料が NMNなのです。


NMNは極めて高額なサプリとしても摂取可能ですが、もともとはビタミンB3の一種であるナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)から体内で変換されるそうです。




NAD


(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所より転記)


上記をまとめると、
ナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)→ NMN→ NADとなります。この書籍がベストセラーになって以来、NMNのサプリがバカ売れしています。


しかし NMNの価格を調べると信じられないぐらい高い! 興味本位で医薬品で無いのか調べてみると、ニコチン酸が最近までありましたが 2019年3月に販売中止になったようです。


一方、ニコチン酸アミドは健在で、しかも薬価はめちゃくちゃ安いです。最終的には NADの量を増やしたいのですが、NMNサプリまたはニコチン酸アミドの服用でいけそうです。


②メトホルミンはメトグルコなので、一般的な経口糖尿病治療薬です。③はなかなかハードルが高い(?)ですが、私も1日2食を試してみました。ダイエットになっていい感じ(笑)


LIFESPANで提唱されている内容は、多くの医師にとって、とても身近に思えます。現時点では、人間の長寿化に効果があるか否かは不明ですが、少し夢のある話だと思いました。






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やせ薬と言われる SGLT2阻害薬とは?

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自費診療で流行っている「やせ薬」をご存知でしょうか? それは、糖尿病治療薬のひとつである SGLT2阻害薬です。最近では糖尿病専門医がオンラインで自費診療しています。


SGLT2阻害薬は、尿細管で尿中の糖の再吸収を阻害することで血糖を低下させる作用機序です。そして副作用として体重減少があります。


この体重減少が結構強力で、臨床的にはるい痩の併発が問題視されるほどです。この副作用を逆手にとって「やせ薬」としてSGLT2阻害薬が処方されるわけです。


DIに掲載されている現実的な副作用は下記のごとくです。
  • 多尿
  • 尿路感染症
  • 脳梗塞


すべて尿中に糖が過剰に排泄されることを原因とする副作用です。多尿は糖尿による利尿作用、尿路感染症は糖尿、脳梗塞は多尿による脱水によって併発します。


そして、体重減少に関する注意点としては、脂肪も減りますが筋肉量も減少してしまうことが挙げられます。筋トレしても SGLT2阻害薬の服用中は筋肉がつかないようです。


体験者にヒアリングすると、1ヵ月で 2kgぐらいは簡単に体重が減るそうですが、その後はアタマ打ちになります。


各種の副作用や筋肉が落ちてしまうことを考えると、1ヵ月程度の短期間のみ服用して 2kgほどの体重減少を確認できれば、服薬を中止するのが良いようです。


ただし、重篤な合併症併発リスクがあるので、やはりやせ薬としての SGLT2阻害薬の服用は控えた方が無難だと思います。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








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