整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

宇宙人・川口先生の腰痛論

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
腰痛治療の「耐えられない軽さ」tanezumabの第Ⅲ相試験から です。


著者は東京脳神経センターの川口浩先生です。キャッチーなタイトルに負けない毒舌に満ちた内容に、今回も感嘆しました。


さすが、川口先生です。東大整形の教授戦で、インパクトファクターに関しては現職の田中栄教授を圧倒していたという宇宙人的な優秀さは伊達ではありません。


さて、今回の記事ですが、前半はノイロトロピンとサインバルタが血祭にあげられています。自殺企図や術中異常低血圧などが危惧されるサインバルタに関しては私も同感です。


サインバルタは開業医で安易に処方されていますが、手術を担当する勤務医にとって、これほどはた迷惑な薬剤はありません。


話が脱線しましたが、後半では tanezumabという生物学的製剤がいけにえになっていました。初めてきく名前ですが、なるほど確かにヤバそうな薬剤です。


この薬剤は、鎮痛効果が強すぎるようで、膝関節の治験では比較的短期間に人工関節に移行した症例が有意に多かったという、いわくつきの薬剤です。


いわゆる薬剤性シャルコー関節と言ってもよい有害事象を惹起するようで、関節リウマチにおいて生物学的製剤導入で大関節の破壊が進行する症例があることに似ています。


今回も実臨床にすぐ役立つ情報というよりは、読んでいて爽快感(?)を感じる記事でした。アカデミアにもかかわらず、これだけ毒を吐く川口先生には要注目ですね(笑)。






★★ 医学知見探求サービス ★★


医学知見を医師ユーザー同士で発信・共有するコミュ二ティに参加しませんか? 

quotomy - コピー


「医師と医学知見との出会いを再定義する」 Quotomy(クオトミー)は、臨床現場で働いていると個人で医学知見をキャッチアップすることが難しい、という臨床医の切実な痛みから誕生しました。


忙しい日常の中で、医学知見を得たり、発信したりすることが難しくなっています。 時間的・地理的制約のために、学会や勉強会への参加もできない環境で働く医師もいます。


知への探求を諦めていませんか?


抄読会をする感覚で、Quotomyで論文を読んだ感想や気づきをシェアしましょう! お気に入りのユーザー同士はフォローでき、お互いのアクションを確認できます。


Quotomyは現在ユーザー登録受付中です!
登録は こちら からお願いします。



ミノマイシンによる味覚障害

このエントリーをはてなブックマークに追加

私の好みの抗生剤のひとつにミノマイシンがあります。整形外科医は骨軟部の感染症と対峙することが多いので、組織親和性の高いミノマイシンを手放せません。


ミノマイシンは関節リウマチのDMARDsとして使用されることもあるぐらいなので、ある程度の長期処方に耐えることができます。


しかし、やはり副作用は存在します。日常診療で最もよく遭遇するのは、味覚障害(口内炎)と色素沈着ではないでしょうか。


味覚障害は口内炎に併発する場合もありますが、単独で出現することもあるため注意が必要です。甘さを舌の根元でしか感じないと訴える患者さんもいます。


また、頑固な口内炎を併発する方もいるのため、このような患者さんにはミノマイシン投与継続が難しくなることもあり悩みの種になっています。


更に、関節の伸側に色素沈着をきたすこともあります。味覚障害はミノマイシン投与を中止すると速やかに改善しますが、色素沈着は残存するので注意が必要です。


このような副作用があるミノマイシンですが、整形外科医の外来診療においては頼りになる薬剤です。副作用の存在に留意しながら適宜使用しようと思います。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








治療で痛風結節は縮小するのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加


高尿酸血症の治療で調べる機会がありました。
尿酸値がコントロールされている症例でも、痛風結節が残存していることは多いです。


周知のように痛風結節は、尿酸塩結晶と肉芽組織から形成されています。一度組織に沈着した尿酸塩はなかなか消退しません。


しかも、整形外科的には痛風結節が自壊すると結構厄介な状況になります。自壊部が潰瘍化すると感染を併発して難治性となります。


腱周囲にできることも多く、本当に厄介な存在です。そして本日のお題ですが、痛風結節は高尿酸血症の治療を続けていると治癒するのでしょうか?


日常的に多数の高尿酸血症患者さんを診ていますが、あまり痛風結節には注意を払っていません...。高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを紐解くと回答がありました!


長期間にわたって尿酸値を5.0mg/dL以下にしていると、徐々に痛風結節は縮小していくようです。なるほど、それなら高尿酸血症の治療のし甲斐があるというものですね!






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

リュープリンでばね指併発?

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、ばね指の患者さんが初診しました。ばね指と言っても初期の段階で、起床時のみスナッピングがあるようです。


既往歴を聴取すると、リュープリンの治療中でした。しかし、この患者さんは女性です。リュープリンって前立腺がんの治療薬ではないのでしょうか???


しかし、この方は子宮筋腫の治療としてリュープリンを投与されているとのことです。DIで調べると、リュープリンはテストステロンだけではなくエストラジオールも抑えます。


このため、前立腺がんだけではなく、閉経前の乳がんや子宮内膜症、子宮筋腫にも投与されるようです。う~ん、恥ずかしながら初めて知りました...。


そういうことであれば、リュープリン投与によって女性ホルモン分泌が抑えられるわけですから、ばね指を併発しやすくなるのも納得できます。


今回学んだことは、リュープリンは男性ホルモンの分泌を抑えるだけでなく、下垂体経由で女性ホルモンの分泌も抑えるということでした。リュープリンでは、ばね指に注意しよう。






★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







なぜ、こむら返りでタウリンを処方しない?

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、医師向けの某サイトで、下肢こむら返りの治療法についての討論がありました。たしかに、こむら返りはなかなか厄介な症状です。


某サイト内では、エキスパート(?)の先生方が回答していましたが、芍薬甘草湯に偏った議論に少々違和感を感じました。もしかしたら漢方薬のエキスパートなのでしょうか???


どの人も芍薬甘草湯の投与方法などに始終しているのですが、それ以外の薬物や腰椎疾患の可能性への言及はありません。


まぁ、内科系の医師なので仕方無いと思いますが、実臨床でこむら返りを数多く診ていると思われる整形外科医としては、タウリンを語らないのは片手落ちだと思います。


周知のように芍薬甘草湯は、血中カリウム濃度への配慮が必要であり、エキスパートの先生方もこのことに多く言及しています。


そんなに芍薬甘草湯の副作用を恐れるのなら、なぜタウリンを処方しないのでしょうか? 個人的な感覚では、タウリン ≧ 芍薬甘草湯の印象です。


内科系医師の間(一部だけ?)では、芍薬甘草湯よりも安価で安全なタウリンが知られていない事実に驚くとともに、薬物治療の選択肢のひとつとして念頭に置くべきと感じました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。