整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

痛風発作中にもフェブリクはやめるな

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先日、痛風発作を併発した人を診察しました。母趾基部が腫れあがっており、非常に気の毒な状況です...。


以前からフェブリクを服用しているそうなので、用量調整をしなければいけませんね、という話で診察を終了しました。もちろん、フェブリクは継続服用を指示しました。


ところが翌日も再診され、近所の人から発作中はフェブリク服用を中止しなければいけないと聞いたがどうなんでしょう? と詰問されました(苦笑)。


このパターンは整形外科あるあるなので、自信をもって「フェブリクは服用続けてください!」と念押ししました。下記は高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインからの抜粋です。



痛風発作中はできるだけ患部を安静に保ち、冷却し、禁酒を指示する。発作時に血清尿酸値を変動させると発作の増悪 を認めることが多いので、発作中に尿酸降下薬を開始しないことを原則とする。

ただし、すでに尿酸降下薬の投与を行っている場合は、原則として中止せずそのまま服用させ、コルヒチン、NSAIDs、ステロイドなどを加えて治療する。



整形外科医の肌感覚としては発作中にも尿酸降下薬は中止しない! は常識なのですが、一般の方にはなかなか理解できないのかもしれませんね。


一般の方にも理解してもらうためには、痛風発作は血清尿酸値の濃度が変化するときに発症しやすいことを説明するべきだと思いました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








駄ネタ:自粛 GW後は痛風多し

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ゴールデンウィークが明けましたが、相変わらず受診抑制が続いています。新患外来も不要不急の患者さんがおらず閑散としています。


そんな中で、ひとつの変化に気付きました。新患患者さんの数は少ないにもかかわらず、痛風発作の患者さんが何人も来院されたのです。しかも初発の患者さんまで多い...。


まさか、新型コロナウイルス感染症は、味覚・嗅覚異常のように痛風発作を誘発するのでは??? そんな疑念を抱きましたが、熱発している人はいません。


自分のお腹をみて痛風患者さんが多い理由を得心しました。ゴールデンウィーク期間は真面目に stay homeして食っちゃ寝していたため、高尿酸血症を誘発したのでしょう(苦笑)。


とにかく、stay homeはいけません。一日中家の中にいると、ただでさえも運動不足になります。運動不足だからといって食欲が減退するわけではないのが困った点です。


1日の楽しみが食事だけで、しかも昼間からお酒まで飲んでしまいます...。コレは私だけではなく、痛風発作で来院した患者さんが口をそろえて言っていました。


新型コロナウイルス感染症の感染予防として stay homeが推進されていますが、注意しないと他の病気に罹患してしまいそうです。






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骨代謝マーカーはどれがよい?

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整形外科外来をしていると骨粗鬆症患者さんが非常に多いです。骨粗鬆症は内科でいう高脂血症患者さんのようなものなので、基本的には時間をかけることはしません。


侵襲的な検査はできるだけしない方針なので骨代謝マーカーもあまり測定しません。それでもときどき骨代謝マーカーを測定することがあり、下記の2つが重要だと思っています。 

  • 骨吸収マーカー(TRACP-5b)
  • 骨形成マーカー(BAP) 


しかし、最近は以前にも増して骨代謝マーカーを測定しなくなりました。何故なら、イベニティという万能薬(?)が出たので骨代謝を考える必要性が低下したからです。


もちろん、骨代謝マーカーをまったく測定しないわけではありません。ご存知のように、骨代謝マーカーは動的なマーカーで、現時点での骨代謝状態を鋭敏に反映します。


静的な指標である骨密度(BMD)との最大の相違点はリアルタイムなことです。 骨代謝マーカーが臨床で求められている役割は、①骨代謝状態の評価 ②薬物治療の評価です。


長期間フォローしている症例では、基本的には骨密度で現状の確認をしながら、骨代謝マーカーで骨密度が今後どのように変化していくかを予想して治療方針を決めています。







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関節リウマチの不勉強を反省

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自分のバカさを理解しているので、時間のあるときに Monthly Book Orthopaedicsを乱読するようにしています。今回は、Vol.32(13) のリウマチ薬物療法の基本的な考え方 です。


2010年の ACR/EULAR RA分類基準や T2T recommendationsから、2011年の ACR/EULAR 寛解基準、EULAR recommendation 2016 updateまで体系的に網羅されています。


これに加えて、日本の実情に即した JCRによる関節リウマチ診療ガイドライン2014が紹介されています。以下で、私が見落としていた点を備忘録
として記載します。




de novo肝炎について


全例で HBs抗原のスクリーニングを行うことは当たり前ですが、HBs抗原が陽性の場合には専門医(消化器内科)を紹介すると記載されていました。


あれっ、
HBs抗原陽性患者さんには、HBe抗原、HBe高麗、HBV-DNA定量を測定し、基準値以上の場合は、主治医にて核酸アナログ製剤処方する、じゃなかったのか???



上記はどうやら日本肝臓学会の古いガイドラインだったようです。たしかに整形外科医がよく分かっていないのに、バカ高い核酸アナログ製剤を処方するのもどうかと思います。


HBs抗原陽性症例を消化器内科医師に紹介するだけなのは楽でいいですが、消化器内科医師といっても肝臓専門とは限らないので、本当にこんなのでいいのでしょうか?


まぁ、最近では B型肝炎症例はすべて公的基幹病院の膠原病内科に紹介するようにしているので、今後は大手を振って紹介できます...。




MTX、バイオ製剤、JAK阻害剤治療開始時のスクリーニング検査


必要に応じてですが、T-スポットやβ-D-グルカンに加えて、抗MAC-GPL IgA抗体も測定とありました。そうか、肺MAC症も除外診断しなければいけないんだな...。




ちょこちょこ抜けている知識があったので、こりゃマズイなあと感じました。全然アップデートできていなかったようです。不勉強を反省ですね。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

骨粗鬆症性疼痛の原因は?

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外来で診る高齢患者さんは慢性的な腰背部痛を訴える方が多いです。特に陳旧性の多発性脊椎圧迫骨折のある方に多い印象です。


このような慢性的な腰背部痛は、骨粗鬆症性疼痛だと思いますが、その原因はいったい何なのでしょうか? 疑問に思ったので文献を渉猟してみました。


椎体内の微小骨折、脊椎アライメント不良、脊椎の不安定性、骨粗鬆症そのものの痛み等の諸説がありますが、基本的にはまだ原因は分かっていないようです。


一方、PTH製剤やイベニティなどの抗スクレロスチン抗体製剤を投与すると、これらの慢性腰背部痛が軽快することはよく経験します。


骨密度が上がったり骨質が改善すると腰背部痛が軽減する症例では、骨粗鬆症そのものが痛みを生じさせているのかもしれません。


骨粗鬆症の治療は高血圧症などの内科的慢性疾患と同様に思いがちですが、無症状である高血圧症などと異なり、慢性腰背部痛という症状を軽減させる可能性があります。


PTH製剤や抗スクレロスチン抗体製剤は高価な治療薬ですが、慢性腰背部痛を軽減させる可能性を説明すると乗り気になる患者さんが多いので、決めゼリフに使用しています。







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