整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

長寿薬は身近に存在する(ニコチン酸アミド、メトグルコ)

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先日、週刊ダイヤモンドの書評に出ていた書籍を拝読しました。巷ではベストセラーで話題の書籍とのことでしたが、分厚くて読了するのに苦労しました。





なかなか興味深い内容ではありましたが、結論は本書の475ページに記載されている下記の3点に要約されます。
  1. NMN 1000mg/日を服用
  2. メトホルミン 1000mg/日を服用
  3. 1日のどれか1食を抜き、適度の飢餓状態(カロリー制限)を実践


この結論に達するまでの道のりが非常に長かったです(苦笑)。まぁ、いきなり言われても何のこっちゃ分かりませんが、なぜ重要なのかを延々と説明しているのが本書籍です。


人間に対するエビデンスは全く無いようですが、酵母菌では劇的な長寿効果がありました。長寿効果の源泉は、①NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)という物質の投与です。


長寿化には NADという補酵素が関与しています。NADが不足すると老化が進行するので、十分な量の NADを維持する必要があります。そして NADの原材料が NMNなのです。


NMNは極めて高額なサプリとしても摂取可能ですが、もともとはビタミンB3の一種であるナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)から体内で変換されるそうです。




NAD


(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所より転記)


上記をまとめると、
ナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)→ NMN→ NADとなります。この書籍がベストセラーになって以来、NMNのサプリがバカ売れしています。


しかし NMNの価格を調べると信じられないぐらい高い! 興味本位で医薬品で無いのか調べてみると、ニコチン酸が最近までありましたが 2019年3月に販売中止になったようです。


一方、ニコチン酸アミドは健在で、しかも薬価はめちゃくちゃ安いです。最終的には NADの量を増やしたいのですが、NMNサプリまたはニコチン酸アミドの服用でいけそうです。


②メトホルミンはメトグルコなので、一般的な経口糖尿病治療薬です。③はなかなかハードルが高い(?)ですが、私も1日2食を試してみました。ダイエットになっていい感じ(笑)


LIFESPANで提唱されている内容は、多くの医師にとって、とても身近に思えます。現時点では、人間の長寿化に効果があるか否かは不明ですが、少し夢のある話だと思いました。






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やせ薬と言われる SGLT2阻害薬とは?

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自費診療で流行っている「やせ薬」をご存知でしょうか? それは、糖尿病治療薬のひとつである SGLT2阻害薬です。最近では糖尿病専門医がオンラインで自費診療しています。


SGLT2阻害薬は、尿細管で尿中の糖の再吸収を阻害することで血糖を低下させる作用機序です。そして副作用として体重減少があります。


この体重減少が結構強力で、臨床的にはるい痩の併発が問題視されるほどです。この副作用を逆手にとって「やせ薬」としてSGLT2阻害薬が処方されるわけです。


DIに掲載されている現実的な副作用は下記のごとくです。
  • 多尿
  • 尿路感染症
  • 脳梗塞


すべて尿中に糖が過剰に排泄されることを原因とする副作用です。多尿は糖尿による利尿作用、尿路感染症は糖尿、脳梗塞は多尿による脱水によって併発します。


そして、体重減少に関する注意点としては、脂肪も減りますが筋肉量も減少してしまうことが挙げられます。筋トレしても SGLT2阻害薬の服用中は筋肉がつかないようです。


体験者にヒアリングすると、1ヵ月で 2kgぐらいは簡単に体重が減るそうですが、その後はアタマ打ちになります。


各種の副作用や筋肉が落ちてしまうことを考えると、1ヵ月程度の短期間のみ服用して 2kgほどの体重減少を確認できれば、服薬を中止するのが良いようです。


ただし、重篤な合併症併発リスクがあるので、やはりやせ薬としての SGLT2阻害薬の服用は控えた方が無難だと思います。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








宇宙人・川口先生の腰痛論

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
腰痛治療の「耐えられない軽さ」tanezumabの第Ⅲ相試験から です。


著者は東京脳神経センターの川口浩先生です。キャッチーなタイトルに負けない毒舌に満ちた内容に、今回も感嘆しました。


さすが、川口先生です。東大整形の教授戦で、インパクトファクターに関しては現職の田中栄教授を圧倒していたという宇宙人的な優秀さは伊達ではありません。


さて、今回の記事ですが、前半はノイロトロピンとサインバルタが血祭にあげられています。自殺企図や術中異常低血圧などが危惧されるサインバルタに関しては私も同感です。


サインバルタは開業医で安易に処方されていますが、手術を担当する勤務医にとって、これほどはた迷惑な薬剤はありません。


話が脱線しましたが、後半では tanezumabという生物学的製剤がいけにえになっていました。初めてきく名前ですが、なるほど確かにヤバそうな薬剤です。


この薬剤は、鎮痛効果が強すぎるようで、膝関節の治験では比較的短期間に人工関節に移行した症例が有意に多かったという、いわくつきの薬剤です。


いわゆる薬剤性シャルコー関節と言ってもよい有害事象を惹起するようで、関節リウマチにおいて生物学的製剤導入で大関節の破壊が進行する症例があることに似ています。


今回も実臨床にすぐ役立つ情報というよりは、読んでいて爽快感(?)を感じる記事でした。アカデミアにもかかわらず、これだけ毒を吐く川口先生には要注目ですね(笑)。






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ミノマイシンによる味覚障害

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私の好みの抗生剤のひとつにミノマイシンがあります。整形外科医は骨軟部の感染症と対峙することが多いので、組織親和性の高いミノマイシンを手放せません。


ミノマイシンは関節リウマチのDMARDsとして使用されることもあるぐらいなので、ある程度の長期処方に耐えることができます。


しかし、やはり副作用は存在します。日常診療で最もよく遭遇するのは、味覚障害(口内炎)と色素沈着ではないでしょうか。


味覚障害は口内炎に併発する場合もありますが、単独で出現することもあるため注意が必要です。甘さを舌の根元でしか感じないと訴える患者さんもいます。


また、頑固な口内炎を併発する方もいるのため、このような患者さんにはミノマイシン投与継続が難しくなることもあり悩みの種になっています。


更に、関節の伸側に色素沈着をきたすこともあります。味覚障害はミノマイシン投与を中止すると速やかに改善しますが、色素沈着は残存するので注意が必要です。


このような副作用があるミノマイシンですが、整形外科医の外来診療においては頼りになる薬剤です。副作用の存在に留意しながら適宜使用しようと思います。







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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








治療で痛風結節は縮小するのか?

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高尿酸血症の治療で調べる機会がありました。
尿酸値がコントロールされている症例でも、痛風結節が残存していることは多いです。


周知のように痛風結節は、尿酸塩結晶と肉芽組織から形成されています。一度組織に沈着した尿酸塩はなかなか消退しません。


しかも、整形外科的には痛風結節が自壊すると結構厄介な状況になります。自壊部が潰瘍化すると感染を併発して難治性となります。


腱周囲にできることも多く、本当に厄介な存在です。そして本日のお題ですが、痛風結節は高尿酸血症の治療を続けていると治癒するのでしょうか?


日常的に多数の高尿酸血症患者さんを診ていますが、あまり痛風結節には注意を払っていません...。高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを紐解くと回答がありました!


長期間にわたって尿酸値を5.0mg/dL以下にしていると、徐々に痛風結節は縮小していくようです。なるほど、それなら高尿酸血症の治療のし甲斐があるというものですね!






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

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