整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

BP製剤を骨折患者に投与してよい?

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先日、出身大学の同門会に出席してきました。
同門会では、大学スタッフによる講演が行われました。


その中で、骨粗鬆症に関するものがあったのでご紹介します。ビスホスホネート製剤は、その作用機序から骨折の治癒過程を阻害する可能性が危惧されます。


しかし、いくつかのシステマティックレビューから、ビスホスホネート製剤は骨節治癒過程に影響を与えないことが示されました。


  • Osteoporos Int 2015; 26: 431-441
  • Osteoporos Int. 2016 Jul;27(7):2197-2206.


今までもなんとなくこの手の話を聞いたことがあったのですが、やはり大学のスタッフから直接講演されると説得力が増します。


私は大腿骨近位部骨折後の患者さんには手術後3ヶ月してからビスホスホネート製剤を開始していました。しかし、これからは骨折後早期から投与開始しようと思います。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








痛風は食生活よりも遺伝の影響が大

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週刊ダイヤモンド2018.12.1号に興味深い記事がありました。
痛風は ” ぜいたく病 ” ではない です。




世に「ぜいたく病」とやゆされ、同情どころか、からかうネタにされかねない痛風。ところが痛風の原因である高尿酸血症は、食生活より遺伝子変異の影響の方が大きいことがわかってきた。


血中尿酸値と遺伝的なプロフィル、そして食生活との関連を分析した結果、血中尿酸値の高さに関連する食べ物として、ビール、リキュール類、ワイン、ジャガイモ、 家禽類(鶏肉など)、ジュース類、 肉類(牛・ブタ・ラム)の7種類 が特定された。しかし、これらの食品単独での血中尿酸値への影響は、1%にも満たなかったのである。


多少なりとも影響が認められたのはビールなど酒類だった。 「ちなみに血中尿酸値を下げる食べ物は、卵、ピーナツ、シリアル、 スキムミルク、チーズ、全粒粉のパン、マーガリン、非かんきつ系の果物だったが、こちらの影響度も1%未満だった。


「対照的に、高尿酸血症をもたらす遺伝子変異の影響は、23.9% とはるかに大きいことが示された。 研究者は「高尿酸血症は食事より遺伝子変異の影響によることを示した初めての試験」としている。




実際、外来で患者さんを診ていると、痛風(高尿酸血症)は生活習慣病とは言えないと感じています。確かに大量飲酒の患者さんは該当しませんが、頻度的には半分程度の印象です。


むしろ、お酒は一滴の飲まないにもかかわらず、高尿酸血症の方は多いです。このようなことは臨床家の間では常識だと思いますが、意外と研究されていなかったんですね。


灯台下暗しとはまさにこのことです。私たちが常識だと思っていることでも、研究されていないことは意外と多いのかもしれないと感じました。






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初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

免疫調節薬と免疫抑制薬の違い

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先日、生物学的製剤を投与中の関節リウマチの患者さんが、重症肺炎を併発しました。もちろん、生物学的製剤は中止するのですが、DMARDsはどうすればよいのでしょうか?


この場合、DMARDsの種類によって、投与を中止するのか否かを決定します。まず、DMARDsは大きく分けて、その作用機序から免疫調節薬と免疫抑制薬に分類されます。


免疫調節薬(immunomodulaters)は正常の免疫能には影響せずに異常な免疫機能を正常化しますが、免疫抑制薬(immunosuppressants)は全ての免疫機能を抑制します。


結論的には、
正常の免疫能には影響しない免疫調節薬は投与中止する必要性は無いですが、全ての免疫機能を抑制してしまう免疫抑制薬は投与中止する方が望ましいでしょう。



222 - コピー




現在、日本で使用可能なDMARDsの分類は上表のごとくです。この表を用いて、
免疫調節薬と免疫抑制薬の分類を確認しておきましょう。


免疫調整薬でよく使用されているのは、サラゾスルファピリジンとブシラミンです。少し乱暴ですが、その他の薬剤は全て免疫抑制剤だと覚えておきましょう。






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ヒアルロン酸シリンジ製剤の注意点

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整形外科医にとって、ヒアルロン酸製剤は非常にポピュラーな薬剤です。外来のある日で、この製剤を触らない日は無いと言っても過言ではないです。


ところが、この
ヒアルロン酸のシリンジ製剤には、清潔操作を維持する上で、多少の注意点があることを知りました。




シリンジ製剤は完璧に滅菌されているわけではない


ディスポシリンジはパッケージに梱包されているため、一見すると完全滅菌されているような印象を受けます。


しかし、メーカーの説明では完全に滅菌されているわけではないとのことでした。このため、術中に使用する場合には、シリンジ製剤ではない方が安全かもしれません。




多量の薬剤を吸うと不潔になる


スベニールなどにはシリンジに線(ライン)がひかれています。このシリンジまでなら他の薬剤(例えばステロイド)を吸っても問題ないです。


しかし、このラインよりも引きすぎてしまうと、滅菌状態を維持できないそうです。このため、実質的にシリンジを利用して他の薬剤を吸うのはステロイド製剤に限られます。


キシロカインやオムニカインなどを5ccほど混注したい場合には、10ccシリンジで3剤(ヒアルロン酸製剤、ステロイド、キシロカイン)吸うことをお勧めします。







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高尿酸血症治療のトピックス

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
高尿酸血症の診療で直面する3つの問題 です。以下に要約しました。




問題①:病型分類は必要か  


高尿酸血症には、尿酸排泄低下型、尿酸産生過剰型、混合型の3つの病型が存在します。病型分類の目的は、高尿酸血症の病態に即した治療を行うことです。


従来、副作用対策の面から病型に応じた薬剤選択が重要だとされてきました。しかし、新しい薬剤の有効・安全性は病型に左右されないとする臨床報告があります。


フェブキソスタット、トピロキソスタットなどの新しい尿酸生成抑制薬を使用する場合は、病型分類は必ずしも必要でなく、むしろ、薬剤選択の上では腎機能のチェックが重要です。


腎機能の低下した患者には、アロプリノールや尿酸排泄促進薬は避け、フェブキソスタット、トピロキソスタット
などの新しい尿酸生成抑制薬を優先すべきだそうです。




問題②:無症候性高尿酸血症に積極的に介入するべきか


米国リウマチ学会(ACR)や欧州リウマチ学会(EULAR)のガイドラインでは、高尿酸血症の治療対象は痛風に限定されており、無症候性高尿酸血症は明示していません。


無症候性高尿酸血症への介入の是非が議論されるようになったのは、高尿酸血症は痛風の原因となるだけでなく、高血圧、腎臓病、心血管疾患などを合併しやすいからです。


まだ議論の余地はありますが、無症候性高尿酸血症でも腎障害の進展予防の点から、あるいは痛風の発症予防の点から、薬物介入の意義がある可能性があります。




ポイント③:尿酸はどこまで下げてよいのか


最近の研究では、血清尿酸値と腎機能や心血管危険因子との関係はUカーブあるいはJカーブであることが示され、血清尿酸値は低過ぎることも問題である可能性があります。


低過ぎる血清尿酸値はパーキンソン病、認知症などの神経変性性疾患に関連する可能性も指摘されており、疫学研究では血清尿酸値が高いほどこれらの疾患の発症率は低いです。  


このようなことから、痛風が重症で厳格な尿酸管理を目指す場合でも、血清尿酸値3mg/dL以下にはしない方がよい可能性が高いです。







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