整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

薬物治療

薬価が上がる?!常識外れの現象に驚き

このエントリーをはてなブックマークに追加

薬価が上がるという驚くべき状況が出現しました。
2023年度薬価改定では、わずかな品目ですが薬価が上がった薬剤が出現したようです。


これまで薬価は下がるものだとばかり思っていました。しかし、昨今の急激な原材料費の高騰や安定供給問題が、一部の薬剤で薬価を上げる要因となりました。


例えば、アズノール軟膏は40%ほども薬価が上がったそうです。その理由は原材料費の高騰です。作れば作るほど赤字になる薬剤が増えてきました。


製薬会社は営利企業です。赤字を垂れ流す不採算品を作り続ける意味はありません。後発医薬品メーカーの不適切な製造管理を背景とした品不足も薬価の低さが要因のひとつです。


このような要因が重なって、これまでの薬価は少しずつ下がっていくという常識を覆す事態が出現しました。通貨安やインフレが続く限り、薬価が上がる現象は続くでしょう。


薬価の抑制は、貴重な国民の財産である医療費を温存する施策です。しかし、弱い立場の製薬会社を虐め過ぎると、持続性のある製薬業を望めません。


使い古された薬の薬価が上がるという驚きの状況を目の当たりにして、昨今の原材料費高騰の影響力の大きさを感じました。







管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








慢性疼痛にサインバルタやトリプタノールは効果無し?!

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
オーストラリア・University of SydneyのGiovanni E. Ferreira氏らは、22種の疼痛に対する8クラスの抗うつ薬の有効性をプラセボと比較したシステマチックレビュー26件を包括的に解析。その結果、いずれの疼痛に対しても抗うつ薬の有効性を示す確実性が高いエビデンスを提供するレビューはなかったとBMJ(2023; 380: e072415)に発表した。



整形外科医が、SSRI、SNRI、TCA(三環系抗うつ薬)などの抗うつ薬を処方するケースはあまり無いと思います。しかし、抗うつ薬の主戦場は、慢性疼痛に移りつつあります。


私たちでも処方する抗うつ薬は、SNRIの一種であるデュロキセチン(サインバルタ)と、TCAのアミトリプチリン(トリプタノール)でしょう。


積極的に
抗うつ薬を第一選択で使用することはありませんが、NSAIDs、ミロガバリン、弱オピオイド鎮痛薬でダメな場合には使わざるを得ません。


これらの薬剤で効果が無いということは、かなり厳しい症例なので、サインバルタやトリプタノールが著効しなくても「患者さんの痛みが悪い」と思っていました。


ところが、今回の研究結果では、効果が無いように見えるのは「患者さんの痛みが悪い」のではなく、本当に効果が無いのかもしれないという疑念を抱きました...。





管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








プレガバリンや‎ミロガバリンの副作用は服用法で抑えよう!

このエントリーをはてなブックマークに追加

整形外科医が保存治療を前提で治療する場合に、最も困るのは「神経痛」ではないでしょうか。神経痛には頚椎由来と腰椎由来がありますが、頚椎由来が特に難しい...。


脊椎外科医であれば、伝家の宝刀である手術を抜けますが、関節外科医では難しい。特に場末病院で脊椎外科医が居ないと困ってしまいます。


安易に紹介するわけにもいかず、治療方針に悩むケースが時々ありますが、そのような際に強い味方になってくれるのが、プレガバリンや‎ミロガバリンです。


最近では、より副作用の少ない‎ミロガバリン(タリージェ)を処方することが多いですが、それでもやはり眠気の出る人が多いです。


これらの薬剤は、効果が出るのが先か、副作用が出るのが先かのチキンレースの様相を呈しています。運良く効果の方が早くでれば「勝ち」ですが、副作用の方が早い方も多いです。


しかし、副作用は服用方法である程度克服できる可能性があります。具体的には、眠前服用を中心に据えるのです。例えば、タリージェを10mg投与する場合には以下のごとくです。


  • パターン① 夕食後5mg+眠前5mg
  • パターン② 眠前10mg


これ以外にも、午後から夕方にかけて症状が強くなる人には、昼食後5mg+眠前5mgというパターンも考えられます。私はパターン①を選好しますが、概ね良い感じです。


ポイントは、処方の基軸を眠前服用に据えることと、症状のピークに合わせて血中濃度を上げることだと考えています。ご参考になれば幸いです。





管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








なぜ今さらMTXに注射製薬? メトジェクトが上市された理由

このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年秋に、関節リウマチで使用する MTXの注射製薬であるメトジェクトが上市されました。こちらがメトジェクトのプレスリリースです。


それにしても、なぜ経口製剤があるのに、わざわざ注射製剤が必要なのでしょうか。普通に考えると、メリットは無さそうに思えます。


先日、関節リウマチ医と飲む機会があったので、その際にメトジェクトの意義をお伺いしてみました。メトジェクトには以下のメリットがあるようです。

  1. 消化器症状(悪心や嘔吐)が無い
  2. 血中濃度が安定する


主なメリットは①消化器症状(悪心や嘔吐)が無いことのようです。海外では、MTXは注射製剤から始まったそうで、市場シェアが半分近くある国もあります。


一方、日本では関節リウマチの承認が遅れたため、いきなり経口製剤が投入されました。相対的なメリットは経口薬の方が大きいため、今まで注射製剤は上市されなかったようです。


メトジェクトは自己注射しなければいけないこと以外にも、薬価が経口製剤の2倍するというデメリットもあります。フツーに考えたらメトジェクトは処方しなさそう...。


前述の関節リウマチ医によると、消化器症状でドロップアウトする患者さんは全体の約10%なので、この層をターゲットにしているのではないかとのことでした。


私の経験では、大柄な人以外は 8mg以下の投与量で十分に効果を発揮しており、またそれ以上では生物学的製剤を導入するため、あまりMTXの消化器症状はお目にかかりません。


鳴り物入り(?)で上市されたメトジェクトですが、日本においてはこれまでの経緯と体格の問題で、あまり流行らない気がします。







管理人 お勧めの医学書

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

かぶれにくい湿布は何なのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

整形外科アルアルのひとつは、患者さんから湿布の使用方法を訊かれることです。具体的な質問事項は以下のごとくでしょう。


  • 1日に何枚まで貼っても良いのか
  • 何時間で剥がすのか


各医師が自分なりの答えをもっていると思いますが、意外と明文化されたものは少ない気がします。そこで調べてみると、意外な事実が判明しました。


  • 湿布には1日1回タイプと1日2回タイプがある
  • 1日1回タイプはテープ剤が多い
  • 1日1回タイプは8~10時間で有効成分の大半を吸収し尽くす
  • 1日2回タイプは4~6時間で有効成分の大半を吸収し尽くす


湿布に
1日1回タイプと1日2回タイプがあること自体を知りません。おそらく超基本的なことでしょう。そしてそれぞれのタイプでは、有効成分を吸収し尽くす時間があります。


1日1回タイプは8~10時間、1日2回タイプは4~6時間で貼っていると、有効成分を吸収し尽くしてデガラシになります。私は全ての湿布が、3~4時間だと思っていました。


そして、かぶれにくい湿布はテープ剤ではなくパップ剤だそうです。その理由は、パップ剤は粘着力が弱くて保湿成分を含んでいるからです。う~ん、勉強になりました。






管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。