整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

ヘパリンロックは結構危険

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HITをご存知でしょうか? HITとは、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の略称です。第一三共のHPに分かりやすく記載されています。


HITの発症頻度は0.5~5%程度であり、ヘパリンが投与される全ての患者さんに発現する可能性があります。HITを発症すると、致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があります。


HITの発症機序は、ヘパリンと血小板第4因子の複合体に対する自己抗体(HIT 抗体)が産生されてしまい、その抗体の作用により血小板減少が発生します。


HIT発症に気付かずにヘパリン投与を続けると、動脈や静脈の血管を閉塞させて致死性の血栓塞栓症を合併する可能性が高まります。


ヘパリン投与中止でHITは改善します。そして抗凝固療法に関しては、代替薬を投与することで継続します。


日常臨床では、ヘパリンをヘパリンロックの際に使用している施設が多いと思います。しかし、HITを発症すると致死性の血栓塞栓症を合併する可能性があるので注意が必要です。


このため、ヘパリンロックから生食ロックに変更する施設が増えてきているそうです。仮にルートが詰まっても、末梢ルートでは入れ替えるだけです。


ヘパリンロックを施行してHITから致死性血栓塞栓症を合併するよりは、多少ルートが詰まっても生食ロックに変更する方が望ましいのではないかと思います。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








オレンシア+プログラフの効果は?

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関節リウマチの患者さんで、慢性腎不全のために血液透析を施行している方がときどき居ます。このような基礎疾患を持っている患者さんの治療は、なかなか厄介です。


慢性腎不全ではMTX禁忌のため、コントロール不良例では生物学的製剤を投与せざるを得ません。しかし、易感染性がベースにあるため、生物学的製剤の選択には細心の注意が必要です。


このようなハイリスク症例では、私はオレンシア(ABA)もしくはアクテムラ(TCZ)を選択しています。やはり、TNF製剤よりも感染に対して安心感があるからです。


運よくこれらの薬剤が奏功すればOKですが、疾患活動性のコントロールが十分できない症例もあります。先日もTCZ → ABAでもコントロール不良な症例がありました。


う~ん、どうしよう。。。いろいろ考えていると、名古屋大学整形外科の石黒教授の講演で、ABAにタクロリムスをオンすると良いとおっしゃられていたのを思い出しました。


藁にも縋る思いでプログラフを追加処方したところ、徐々にですがSDAI、DAS28-ESRとも低下してきました! 患者さんも体が楽になってきたと喜んでいます。


今までプログラフは高価な割には効果が少ない(ダジャレではありません)と思っていましたが、ABA投与例においては検討に値するかもしれないと感じました。





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初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






リリカは坐骨神経痛に効果なし?!

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表題違いで恐縮ですが、ケアネットの連載企画【医師のためのお金の話】第4回が本日アップされました。お題は、世界の株式に毎月定額で投資する方法 です。



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第1~3回は、資産形成の総論でしたが、第4回でようやく各論に入りました。要点を簡潔にまとめているので、1分ほどで読了可能です。是非、ケアネットを訪問してくださいね。



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さて本題ですが、m3の海外ジャーナルで興味深い記事がありました。
プレガバリン、坐骨神経痛に効果なし(New England Journal of Medicine)です。




坐骨神経痛患者207例を対象に、プレガバリンの疼痛軽減効果を無作為化プラセボ対照試験で検証(PRECISE試験)。投与8週時における10段階評価(スコアが高いほど痛みが強い)による平均未調整下肢痛スコアは、プラセボ群の3.1に対しプレガバリン群は3.7と両群で差はなかった(調整平均差0.5、95%CI -0.2 - 1.2、P=0.19)。有害事象発生数はプレガバリン群が227件で、プラセボ群の124件に比べて多く、特にめまいが多かった。


【原文を読む】 Mathieson S et al. Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica. N Engl J Med. 2017 Mar 23;376(12):1111-1120. doi: 10.1056/NEJMoa1614292.




これは、ちょっと残念な結果だと思いました。非脊椎医の私としては、できるだけ手術を回避して保存治療で完結したいのが本音です。


リリカはそのための一手段と位置付けていました。ただ、たしかにNEJMの論文の通り、下肢痛に関してはあまり効果が無い印象です。


腰痛に関しては、慢性腰痛はオピオイド+プレガバリンで述べたように、そこそこ効果があります。しかし、腰痛と下肢痛では少し効果に差があるようです。


やはり、下肢痛に対してはEPAを第一選択にして、効果が無ければシロスタゾール、経口プロスタンディン製剤、芍薬甘草湯と進めていくのが王道なのかもしれません。






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高齢者はMTXとバイオどちらを削減?

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先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


質疑応答で、高齢者においてはMTXとbDMARD(生物学的製剤)のどちらを先に減量するか? が話題になりました。う~ん、これはなかなか難しいですね。


講師の先生は、MTXを先に減量するとのことでした。これは、bDMARDよりもMTXのSEの方をより警戒しているからです。



一方、医療経済的にはbDMARDを優先して減量するとの選択肢もあります。何を重視するかによって結論は異なります。


この一連のやりとりを拝聴した私の感想は、高齢者ではbDMARDよりもMTXを先に減量するという講師と同じ考えでした。



やはり、80歳を超える高齢者に対してMTXを投与し続けることはかなり勇気が必要です。私の場合、80歳を超えたらMTXからSASPに変更しています。


高齢者へMTXを投与し続けるほどの胆力は、私には無いからです。何となく後ろめたさを覚えながらMTXからSASPへ変更してきましたが、今後は少し気が楽になりそうです。






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海外に持参できない薬とは?

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先日、急性腰痛症の患者さんを診察しました。特に問題なさそうだったので消炎鎮痛剤を処方したのですが、英文の処方箋が欲しいとのことでした。なんじゃそりゃ???


理由をお伺いすると、5日後から海外旅行に行くとのことです。医療制度が違うので、日本の処方箋は海外では通用しないことを説明しましたが、イマイチ話がかみ合いません。


よくよくお話しをお伺いすると、てんかんで服用しているテグレトールを持参して海外旅行に行ったときに、入国審査でひかかって大変だったとのことでした。


そーなんだ、と思って調べてみると、テグレトールは特に問題なさそうでした。しかし、米国に入国する際には、向精神薬が問題になるようです。


特にロヒプノールは、米国では所持が禁止されている薬物で、みつかると懲役刑になるケースさえあるそうです。あぁ、なんと恐ろしい。。。


私自身は海外旅行によく行く方ですが、今まで持参薬に関しては何も考えていませんでした。私は睡眠剤を一切服用しないので、結果的には問題ありませんでした。


しかし、歳を重ねるにつれて睡眠剤のお世話になる確率が高まります。その時には、海外旅行に際して持参する薬に注意を払う必要がありそうですね。





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