整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

免疫調節薬と免疫抑制薬の違い

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先日、生物学的製剤を投与中の関節リウマチの患者さんが、重症肺炎を併発しました。もちろん、生物学的製剤は中止するのですが、DMARDsはどうすればよいのでしょうか?


この場合、DMARDsの種類によって、投与を中止するのか否かを決定します。まず、DMARDsは大きく分けて、その作用機序から免疫調節薬と免疫抑制薬に分類されます。


免疫調節薬(immunomodulaters)は正常の免疫能には影響せずに異常な免疫機能を正常化しますが、免疫抑制薬(immunosuppressants)は全ての免疫機能を抑制します。


結論的には、
正常の免疫能には影響しない免疫調節薬は投与中止する必要性は無いですが、全ての免疫機能を抑制してしまう免疫抑制薬は投与中止する方が望ましいでしょう。



222 - コピー




現在、日本で使用可能なDMARDsの分類は上表のごとくです。この表を用いて、
免疫調節薬と免疫抑制薬の分類を確認しておきましょう。


免疫調整薬でよく使用されているのは、サラゾスルファピリジンとブシラミンです。少し乱暴ですが、その他の薬剤は全て免疫抑制剤だと覚えておきましょう。






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初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

ヒアルロン酸シリンジ製剤の注意点

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整形外科医にとって、ヒアルロン酸製剤は非常にポピュラーな薬剤です。外来のある日で、この製剤を触らない日は無いと言っても過言ではないです。


ところが、この
ヒアルロン酸のシリンジ製剤には、清潔操作を維持する上で、多少の注意点があることを知りました。




シリンジ製剤は完璧に滅菌されているわけではない


ディスポシリンジはパッケージに梱包されているため、一見すると完全滅菌されているような印象を受けます。


しかし、メーカーの説明では完全に滅菌されているわけではないとのことでした。このため、術中に使用する場合には、シリンジ製剤ではない方が安全かもしれません。




多量の薬剤を吸うと不潔になる


スベニールなどにはシリンジに線(ライン)がひかれています。このシリンジまでなら他の薬剤(例えばステロイド)を吸っても問題ないです。


しかし、このラインよりも引きすぎてしまうと、滅菌状態を維持できないそうです。このため、実質的にシリンジを利用して他の薬剤を吸うのはステロイド製剤に限られます。


キシロカインやオムニカインなどを5ccほど混注したい場合には、10ccシリンジで3剤(ヒアルロン酸製剤、ステロイド、キシロカイン)吸うことをお勧めします。







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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








高尿酸血症治療のトピックス

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
高尿酸血症の診療で直面する3つの問題 です。以下に要約しました。




問題①:病型分類は必要か  


高尿酸血症には、尿酸排泄低下型、尿酸産生過剰型、混合型の3つの病型が存在します。病型分類の目的は、高尿酸血症の病態に即した治療を行うことです。


従来、副作用対策の面から病型に応じた薬剤選択が重要だとされてきました。しかし、新しい薬剤の有効・安全性は病型に左右されないとする臨床報告があります。


フェブキソスタット、トピロキソスタットなどの新しい尿酸生成抑制薬を使用する場合は、病型分類は必ずしも必要でなく、むしろ、薬剤選択の上では腎機能のチェックが重要です。


腎機能の低下した患者には、アロプリノールや尿酸排泄促進薬は避け、フェブキソスタット、トピロキソスタット
などの新しい尿酸生成抑制薬を優先すべきだそうです。




問題②:無症候性高尿酸血症に積極的に介入するべきか


米国リウマチ学会(ACR)や欧州リウマチ学会(EULAR)のガイドラインでは、高尿酸血症の治療対象は痛風に限定されており、無症候性高尿酸血症は明示していません。


無症候性高尿酸血症への介入の是非が議論されるようになったのは、高尿酸血症は痛風の原因となるだけでなく、高血圧、腎臓病、心血管疾患などを合併しやすいからです。


まだ議論の余地はありますが、無症候性高尿酸血症でも腎障害の進展予防の点から、あるいは痛風の発症予防の点から、薬物介入の意義がある可能性があります。




ポイント③:尿酸はどこまで下げてよいのか


最近の研究では、血清尿酸値と腎機能や心血管危険因子との関係はUカーブあるいはJカーブであることが示され、血清尿酸値は低過ぎることも問題である可能性があります。


低過ぎる血清尿酸値はパーキンソン病、認知症などの神経変性性疾患に関連する可能性も指摘されており、疫学研究では血清尿酸値が高いほどこれらの疾患の発症率は低いです。  


このようなことから、痛風が重症で厳格な尿酸管理を目指す場合でも、血清尿酸値3mg/dL以下にはしない方がよい可能性が高いです。







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NSAIDSの副作用対策はPPIで!

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表題違いで恐縮ですが、m3.comの連載企画【医師のための資産形成】第3回が昨日アップされました。お題は、消費者金融株で大やけど です。



m3com_logo



今回の連載は、ビギナーズラックで得た180万円を全て吹き飛ばしてしまったという内容です。やはり世の中はそんなに甘くないですね。。。


m3.comでは、基本的に失敗談を中心に連載しています。失敗だらけの人生なので執筆が非常に楽です(笑)。1分ほどで読了可能なので、是非m3.comを訪問してくださいね。


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さて本題ですが、整形外科医にとって、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)処方はメジャーな医療行為です。外来でNSAIDSを処方しない日は無いと言っても過言ではありません。


そんなポピュラーな薬剤であるNSAIDSですが、代表的な副作用に消化管障害があります。この副作用を防ぐために、NSAIDSと胃薬を処方することが一般的です。


胃薬では粘膜保護剤が選択されることが多いですが、本当に問題ないのでしょうか? 周知のように、粘膜保護剤は胃酸の分泌を調節するわけではありません。


胃の粘膜を保護することで胃の防御機構を回復させる効用がありますが、胃の粘膜を保護作用が裏目に出て、NSAIDSによる副作用をマスクしてしまう可能性があります。


NSAIDSによる消化管障害を防止するためには、胃酸の分泌を抑えるしかありません。このため、唯一の副作用併発防止対策は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方なのです。


NSAIDSにPPIをセットで処方するのは、薬価の問題や病名をつける煩わしさがあるので、あまり一般的ではありません。


しかし、比較的長期にわたってNSAIDSを処方せざるを得ない患者さんでは、粘膜保護剤処方は適切ではありません。PPI処方を検討することをお勧めします。





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嗚呼つらかった。。。日整会振り返り

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先週は日本整形外科学会がありました。
その反動で、今週は忙しく働いている先生方も多いのではないでしょうか?


さて、私もようやく業務がひと段落したので、今回の日整会を振り返ってみました。何といっても個人的には非常に厳しい学会でした。


それは、今年専門医更新であるにもかかわらず、単位が全く足りていなかったことが原因です。今回だけで16単位をゲットするために、丸々3日間お座りの刑に処されました。。。


やや愚痴っぽくなりましたが、かなり勉強させてもらいました。その中で最も印象に残ったのは、岡山大学の西田圭一郎先生による関節リウマチのランチョンセミナーでした。


講演内容は、西田先生が今まで陥ったピットフォールを中心に、しくじり先生風に丁寧に解説していただきました。う~ん、やはり失敗事例は非常に参考になります。


最も印象に残ったのは、単関節炎の診断の難しさです。関節リウマチだと思っていたら、実は結核感染症やMAC症だった等のちょっと怖いエピソードは非常に勉強になりました。


西田先生の話しぶりが非常に上手で、とても親しみを持てました。すごい先生が居たものだなと思っていたら、関節リウマチの書籍を監修されているようです。







整形外科医の関節リウマチ診療ABC





偶然にも、この書籍を持っている先生が居たので見せてもらったところ、ほぼ全ての領域を網羅しており非常に良書でした。


あれだけ人を惹きつける講演をされるだけあって、納得の書籍だと感じました。何か関節リウマチの書籍を、と考えている方がいらっしゃればお勧めの1冊です。




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