整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

薬物治療

デノスマブの不用意な中止は危険!

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骨粗鬆症の治療は整形外科医にとっての基本です。現時点で使用できる骨粗鬆症治療薬は、ビスホスホネート、デノスマブ、テリパラチド、SERM、ビタミンDやK製剤です。


このうち、デノスマブに関しては少し注意が必要です。デノスマブは、低カルシウム血症の回避に注意がいきがちですが、不用意な投薬中止は危険であることを認識するべきです。


デノスマブは、投薬中止によって新規多発脆弱性骨折の発生が報告されています。これはデノスマブの薬効消失の際に、急激な骨吸収亢進が起こるためです。


新規多発脆弱性骨折の発生予防には、ビスホスホネートを投与して急激な骨吸収亢進を防止する必要があります。


デノスマブの問題点は、使用期限の規制や長期連用によるプラトー化が無いことです。中止基準が無い上に、中止による有害事象発生があるので細心の注意が必要です。


このため、来院中断や他疾患による中止などで中途脱落が予想される患者さんには、最初からデノスマブの治療を行うべきではないと考えています。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








慢性腰痛はオピオイド+プレガバリン

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先日、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 運動器外科部長の酒井義人先生による慢性腰痛症の治療に関する講演を拝聴しました。


3ヵ月以上持続する腰痛が慢性腰痛症と定義されており、心理的・社会的な要因も加味されるため、急性腰痛症とは異なる治療アプローチが必要となります。


腰痛診療ガイドラインでは、NSAIDsは推奨度の第一段階に相当します。しかし、慢性腰痛では炎症の急性期ではないため、侵害受容性疼痛といえどもNSAIDsの効果は限定的です。


NSAIDsで効果不十分な場合は、第二段階の弱オピオイドを選択します。トラマドールがよく使用されますが、副作用に注意して慎重に増量していきます。


一方、神経障害性疼痛に対する薬剤であるプレガバリンも慢性腰痛に効果があります。慢性腰痛は侵害受容性疼痛だけではなく、神経障害性疼痛の要素も有することが多いです。


このため、プレガバリンは神経障害性疼痛の要素を有する腰痛に、オピオイドは侵害受容性疼痛の強い腰痛に効果的です。併用することで両薬剤の効果が得られます。


私は、両薬剤の副作用に眠気や嘔気があるので併用していません。しかし、今回の講演を拝聴して考え方を改めました。トラマドール+プレガバリン併用を試してみようと思います。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









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関節リウマチ治療の必勝パターン

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先日、名古屋大学整形外科の高橋伸典先生の講演を拝聴しました。関節リウマチ治療では、生物学的製剤が3種類8剤も出そろい、さまざまな選択肢を採ることが可能となりました。


これだけたくさんの生物学的製剤があると、治療の選択肢も増えるため、どれがベストチョイスであるのかに自信が持てなくなります。


このような日常診療を思い浮かべながら講演を拝聴していると、高橋先生が「バイオ製剤の使い分けは、当たるも八卦当たらぬも八卦の世界だ」とおっしゃられるではないですか!


プロフェッショナルがこんな言葉を発すると、私のような場末病院で診療しているモノとしては、非常に安心できます(笑)。


もちろん謙遜でおっしゃられているのですが、治療効果予測確率を最大限に高める努力が重要であると強調されていました。


ここで鍵となるのが、MTX併用の有無と併用量です。現在MTXは最大16mg/週まで使用可能になりましたが、平均的日本人では12mg/週ぐらいが充分量だそうです。


12mg/週のMTXを服用できている患者さんに対する抗TNF製剤の治療効果発言確率はかなり高いです。今回の講演の結論は下記のごとくです


  • MTXをしっかり服用できている患者さんは、ほぼ勝利を確信できる
  • MTXを増量して疾患活動性を低下させ、抗TNF製剤を導入して臨床的寛解に持ち込む



もちろん、全ての患者さんがMTXを充分量内服できるわけではないですが、これが現時点での関節リウマチ治療の必勝パターンとのことでした。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






成功報酬型の薬価制度導入?!

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2017.10.5の日経で興味深い記事がありました。
効いた患者だけ薬代支払い ノバルティスが新方式 18年にも国内発売の超高額薬 です。





 医薬品世界2位のノバルティス(スイス)は薬が効いた患者にのみ支払いを求める「成功報酬型」薬を日本で販売できるよう政府に働きかける。高額の新型がん免疫薬が対象で、医療保険の適用を受ける形で早ければ2018年中に発売を目指す。厚生労働省も導入可能かを検討する。医療の高度化が進む中、硬直化した日本の薬価制度のあり方が問われている。


キャプチャ - コピー



医薬品開発部門トップで、18年2月に同社の最高経営責任者(CEO)に昇格するバサント・ナラシンハン氏が日本経済新聞社のインタビューで表明した。「患者が欲しい薬を手に入れる方法として、成功報酬型が適切であればそれを使うのが良い」と述べた。実現すれば国内初となる。


 対象となる薬は8月に米国で承認された小児・若年者の急性リンパ性白血病の新薬「キムリア」。遺伝子を操作したヒト免疫細胞(CAR―T)を使う薬で、1回の治療ですみ、患者の8割で効果を示した。米国では47万5千ドル(約5300万円)で、一部患者向けに成功報酬制度を導入した。1カ月後に腫瘍が検出されない場合に効果があったとみなして薬価の支払いを求める。


 日本での効果判定や支払いの方法について「まだ具体的な議論は始まっていない」(ナラシンハン氏)としており、今後、厚生労働省などと議論を進める方針だ。


 バイオ医薬や遺伝子治療薬など高い技術を応用した医薬品が登場している。にもかかわらず、日本では政府が主導する形で既存の類似薬の薬価を基に新薬の値付けをするなど硬直化している。東京大学大学院の五十嵐中特任准教授は「日本の薬価制度は再考する時期にきている」と指摘する。


 ノバルティスは18年1~6月にキムリアを保険対象薬として厚生労働省に申請する方針。希少疾病の薬は、申請から7~9カ月で承認が下りることが多く、その2カ月後に薬価が決まり、発売できる。薬価は成功報酬型になるかどうかで、変わる可能性がある。


 厚労省は成功報酬型の薬価を「相談があれば門前払いはせず、まず省内で検討する」(幹部)としている。導入にあたり従来制度との整合性など議論すべき点は多く「国民的議論になる」(同)ことになりそうだ。


 15年度の国民医療費は過去最高の42兆4千億円に上る。うち薬剤費が2割強を占め、全体を上回るペースで増加を続ける。高額薬剤の相次ぐ登場が要因の一つ。成功報酬薬が導入されれば、薬価を巡る制度を問い直すきっかけになりそうだ。





成功報酬型薬価は、今まで日本には無かった概念です。しかし、これだけ薬価が高騰してくると、導入を検討する必要がありそうです。


結果を検証すること自体に費用がかかるので、薬価の安い薬剤では導入が難しいですが、今回のキムリアのように超高額薬では導入の是非を検討される方向のようです。


成功報酬にするということは、それだけ製薬会社も効果に自信がある裏返しだと思います。これ自体は医学の発展に資する素晴らしい成果でしょう。


しかし、成功報酬型薬価の場合、比較的安易に治療が選択される可能性があるのではないかと素人ながらに懸念します。ダメ元で投与してみて効けばラッキーという・・・


もともと日本には高額療養費制度があるので、超高額薬の使用に対して歯止めがかかりにくい構造にあります。


今回のキムリアのように8割の患者で奏功するということは、成功報酬型で導入しても医療費高騰の一因となってしまう可能性が高いです。


私は、医療はいかなる人にも平等におこなわれなければならないという考え方には懐疑的です。確かに耳障り良いですが、無から有が生まれるお花畑的な理想論だと考えています。


少し批判的なコメントになりましたが、成功報酬型の薬価は、超高額薬の一部では検討しても良い制度だと思います。国民皆保険制度ができるだけ延命されるためにも。。。





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駄ネタ:アクトネルとボノテオの違いは?

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先日、ボノテオ(50mg)からアクトネル(75mg)に採用薬が切り替わりました。この医療機関は頻回に採用薬が切り替わるので、結構事務作業が面倒です。


さて、ボノテオからアクトネルに処方を変更するときに、困った問題が発生しました。それは、用法を変更する必要があったことです。


両剤ともマンスリー製剤なので、用法に違いがあるわけないだろ、と思ったアナタ! 考えが甘いです(笑)。まず、両剤の添付文書を下記に転載します。




ボノテオ

通常、成人にはミノドロン酸水和物として50mgを4週に1回、起床時に十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに経口投与する。


アクトネル

通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして75mgを月1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。 





違いが分かりますか? 内容的にはほとんど同じはずなのですが、実際に処方箋に落とし込むと大きな違いになります。


それは服用間隔の違いです。ボノテオ=4週に1回に対して、アクトネル=月1回です。同じですよね? と思うところですが、薬剤師的には全然違うそうです(本当かな?)。


私は、ボノテオの4週に1回服用という用法をそのままアクトネルに流用したところ、院外薬局から疑義照会の嵐でした。曰く、4週に1回ではなく、月1回に修正してくださいと。。。


彼らの見解では、8月は31日に1回服用ですが、9月は30日に1回服用しなければならず、更にいうと2月は28日、うるう年は29日に1回服用とのことでした(!)


ここまで言われるとぐうの音も出ないので、はいはいと修正するのですが、いかんせん処方枚数が多いので非常に面倒です。疑義照会が止むまで1ヵ月かかりました。


ちなみに今回はアクトネルが悪者ですが、ボノテオでも面倒なことが発生していました。私はマンスリー製剤は「月末」「月初」「10日」等の覚えやすい日の服用を推奨しています。


しかし、このパターンは4週毎ではないので大丈夫なのか? という疑義照会が殺到しました(苦笑)。勘弁してほしいです。。。






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